偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第365話 元日の朝食後

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「稀子……。初詣はみんなで行くのでは無いの?」

 俺は少し不思議な表情をしながら聞く。
 山本(孝明)さんは団体行動を好む人で有る。
 特に初詣は、新年最初の大イベントだ!!
 初詣の事は特に聞いていなかったが、俺はそう思っていた。

「んっ……比叡君は、おばさんや山本さん達と行きたいの?」

 稀子は澄ました表情で聞いてくる。
 いや、そう言った意味で言った訳では無いのだけど……

「今、全員がこの場に丁度居る訳だし、そう思っただけで有って……うん」

 俺は歯切れ悪く言う……
 初詣もみんなで行くより、稀子と行った方がデートに成るから、どちらを選ぶかと言われれば、俺は稀子とのデートを選ぶ。
 稀子は理由を言う様に言い始める。

「だって……山本さんはまだお酒を飲んでいるし、りんちゃんもそれに付き合うと思う」
「それにお酒を飲んだばかりで、外を出歩くのは余りよろしくない!!」
「後……私が暇なんだよね!♪」

 稀子は最後、微笑みながら言う。
 テレビ好きの稀子だが……今のテレビ画面にはマラソン中継が映っている。
 元日早々から行われている、企業対抗のマラソンだ。

 山本さんはスポーツ中継を好んで見るらしいが、稀子はスポーツ中継には野球を除いて興味ないらしい。
 俺も積極的にスポーツ中継は見ないが、マラソン中継は嫌いでは無い。
 俺の場合は選手の応援より、道路風景を眺めるのだが……

 ちなみにチャンネル権は言うまでも無く、山本(孝明)さんが持っている!!
 そして、俺と稀子の遣り取りに、鈴音さんが話しに入ってくる。

「稀子さんは、今から初詣に行かれるのですか?」

 鈴音さんは稀子に、澄ました表情で話し掛けている。

「うん。そのつもりだよ、鈴ちゃん♪」
「今日は天気も良いし、風も弱そうだから初詣日和だね♪☀」

 それに対して、笑顔で鈴音さんに言う稀子。
 稀子がそう言うので、俺は部屋の中から外の景色を眺めると、比較的青空も有って、風も強そうな感じはしない……

「そうですか!」
「では、比叡さんと気を付けて行って来てください。稀子さん!♪」

 雰囲気的に……鈴音さんは反対するのかなと思っていたが、微笑みながら稀子に言っている。
 鈴音さんは只単に、確認を取りたかっただけだろうか?
 鈴音さんとの話の後。稀子は俺の方に顔を向けて、陽気な表情と口調で話し始める。

「じゃあ、比叡君。早速今から出掛けようか♪」
「私達地元の神社、波津音はずね神社へ!♪」
「比叡君は……初めてだよね。波津音神社!!」

 稀子との初詣は、地元の神社に行くらしい。
 俺は信仰心が強い訳では無いから、この町に引っ越して来てからまだ、市内に有る神社やお寺には一度も参拝していない。
 町の名前がそのまま、神社の名称に使われるのだから、この波津音市は古くから有る町なのだろうか?

「うん…。初めてに成るな!」
「……それは近くに有るの。稀子?」

 波津音神社と言うのだから、絶対に波津音市内に有るに決まっているが、この町も意外に広い町で有る。
 市内に鉄道駅は無いこその、バス路線は何本も市内を走っている。

「う~ん……近くでは無いけど、バス1本で神社付近までは行けるから、まぁ便利だよ!」

 微笑みながら言う稀子。
 言葉的に少し遠そうな場所に有る感じもするが……、バス1本で行ければ問題ないか。

「ふ~ん、そっか!」
「バスで行けるなら問題無いや!!」

 俺は納得した表情で稀子に言う。

「では、行きましょうか。比叡君!♪」
「波津音神社へ初詣デートに!!♪」

 陽気な笑顔と口調で言いながら、稀子はソファーから立ち上がる。
 食後からまだ……30分も経っていないに、本当に元気な子だ。

(まぁ丁度、腹ごなしをしないとは思っていたし、初詣デートも悪くないな!!)
(あっ、そうすると、財布を今持っていないから、一度家に戻らないとな!!)

 今から、稀子と初詣デートをするが、手元に財布が無いため、一度俺のアパートに寄ってからスタートする流れに成りそうだ。

「よし、稀子!!」
「行きますか!!」

 俺も元気な口調で言って、ソファーから立ち上がった。
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