偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第335話 デートは続く…… その3

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 ショッピングモール、3階フロア巡りも、ゲームセンターを出たのちに再開させたが、直ぐにフロア巡りは終ってしまう……
 後残っていたのは、贈答品売り場しか無かったからだ……

「……これで、全部終わりだね…」
「後は屋外駐車場だけだし……」

 フロア巡りを終えた直後。稀子は澄ました表情で呟く。
 俺は今後の予定を稀子に聞く。

「……後は、どうする稀子?」
「今更だが、他の場所でも行くか?」

 今の時刻は、14時55分。
 これで、デートを終らせるのは少し早い時間だ。

「でも……比叡君。お互い、お金を持っている方では無いでしょ」
「後は、おやつタイムをして、1階のスーパーに寄って、帰る位しか無いよ」

 稀子は澄ました表情のままで言う。

(時間的に、おやつタイムでは有るが、中途半端に成ってしまったな…)

 近場にデート候補の場所が有る訳では無いし、そうするしか無さそうだ。

「じゃあ、おやつにするか!」
「おやつは何する、稀子?」

「おやつね~~。何にしようかな?♪」

 稀子は顔を上げて考え始める。

「ドーナツショップが有るから、ドーナツでも良いけど、今日はドーナツの気分では無いのだよな~~」
「喫茶コーナーで、ケーキと紅茶も悪くないけど、―――」

 稀子は、俺に聞こえる様かは分からないが、“ぶつぶつ”と独り言を言っている。
 しばらくの独り言の後……稀子は、食べたいおやつが決まった感じだ!

「比叡君!」
「今日のおやつは、たこ焼きにしよう!♪」
「私の今日の気分は、たこ焼き気分~~♪」

 和やかな表情で言う稀子。

「稀子。たこ焼きね!」
「たこ焼きだと、1階まで降りないと行けないね」

「そうだね。比叡君!」
「でも、どうせ、おやつタイムの後は1階のスーパーに寄るから、その方が好都合だよ!!」

 微笑みながら言う稀子。

「じゃあ、1階に降りて、おやつにするか!」

「じゃあ、たこ焼き屋さんにゴーー♪」

 稀子は元気な笑顔で言い、3階エスカレーター乗り場に向かう。
 俺も稀子の後を付いて行った。

 ……

 たこ焼き屋と言って、良いのか分からないが、たこ焼き・お好み焼きを売っているお店で、たこ焼きと稀子が『鯛焼きも良いよね~~♪』と鯛焼きも求めたので、たこ焼き1パックと鯛焼きを2個買う。

 たこ焼きは12個入りを買ったので、稀子とシェアをする。
 ジュースは自動販売機で買って、稀子とおやつタイムの開始だ!!

「うん!」
「あんこが熱くて、美味しい~~♪」

 稀子は笑顔で鯛焼きを食べている。
 俺もたこ焼きより、温かい鯛焼きを先に食べ始める。

(うん!)
(久しぶりに食べると、鯛焼きも美味しいな!!)

 俺1人の時は、おやつの時間はほぼ無い。
 鈴音さんや稀子に、おやつの時間にお茶を誘われる時は、おやつの時間が有るが、そうでなければ“おやつ”の時間は無い。

 お互い、鯛焼きを一気に食べ終えて、2人は“つまようじ”でたこ焼きを刺して、食べ始める。

「このお店のたこ焼きは初めてだけど、中がトロトロで美味しいね!」
「比叡君!!」

 たこ焼きを食べながら、これも笑顔で言う稀子。
 今まで、余り気にしていなかったが、稀子は食べ物を本当に美味しそうに食べる。

(稀子と初めて出会った時……俺は、稀子に中華まんをプレゼントしたが、あの時も美味しそうに食べていたな!)

 俺が稀子の食べる姿を眺めていると、稀子が声を掛けてくる。

「……比叡君!」
「たこ焼きも、温かいうちが美味しいよ♪」
「比叡君が食べないなら、私が全部食べちゃうぞ!♪」

 稀子が“いたずらっぽい”笑顔で言うので、俺はたこ焼きのパックを見ると、結構なスピードでたこ焼きが減っていた!!

(少し、足りなかったか……)
(けど、おやつだからな……)

 俺はそう思いつつも、稀子に全部食べられるのは悔しいので、稀子を眺めるのは止めて、俺も残り少ないたこ焼きにつまようじを刺した。

 ……
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