328 / 434
【R-15】稀子編 第2章
第326話 昼食後の時間
しおりを挟む
……
稀子と昼食を一応楽しんだ後は、いよいよ本格的なデートに成って行くのだが……
「稀子。昼食の後は何処に行く?」
俺はプランを全く決めてないので、稀子に話を振る。
「そうだね~~。比叡君!」
「映画館も有るし、映画でも見る?」
稀子は和やかな笑顔で、映画を提案した。
「映画か…。悪くはないけど、稀子は何か見たい映画有る?」
「えっ! 私に振る!?」
「比叡君は希望の映画が無いの!」
「……そっか~~。私も今は無いんだよな~~」
稀子は驚くように言い、その後は気が抜けた感じで言う。
(稀子はドラマ好きだから、見たいのが1本や2本は有ると思っていたが無いのか!)
(これは困ったな…。時間潰しの1つを失った!)
「お互い見たい映画が無いのに、お金を態々払って見るのもね~~」
稀子は独り言のように呟いている。
「どうしようかね! 比叡君!!」
稀子は俺に聞いてくるが、俺に聞かれても、こっちが稀子に聞きたい状態だ。
目的も無しに、このショッピングモールに来てしまったら、やっぱりと言うべきか途方に暮れる。
「このまま帰る訳には行けないし、モール内をブラつく。稀子?」
「……ウィンドウショッピングをするって事?」
「比叡君?」
稀子は澄まし顔で聞いてくる。
それに対し、俺は諦め口調で答える。
「……それしか無いだろ。稀子」
「今から……別の所に行く?」
今の時刻は13時前だが、稀子デートは夕方までだから、今から他の場所に向かっても中途半端に成ってしまう。
「お互い……お金が裕福では無いからね…!」
「なら、ウィンドウショッピングを楽しむか……」
稀子は残念そう言っているが、嫌々の感情も含まれていた!
ショッピングモールを提案したのは稀子なのに。
そして、俺は有る疑問を思いつく……
(稀子は、山本さんや鈴音さん達の様に親戚関係では無く、赤の他人に成るのだよな)
(下宿代は別にして、お小遣いとはどうしているのだ?)
「稀子は学生…。俺は、非正規雇用だからな!」
「……1つ気に成ったのだが、稀子。お小遣いや日用品等はどうしているのだ?」
「んっ…、お小遣い?」
「お小遣いは、ちゃんと両親から貰っているよ!」
「毎月では無いけど、数ヶ月に1度、現金書留で山本さんの家に郵送される!」
「そのお金で、比叡君や鈴ちゃん達と遊んだり、文具や日用品を買っているよ!」
稀子は穏やか表情で答えてくれる。
「銀行振り込みでは無く、現金書留って言うのが、下宿らしさを協調させるね!」
俺は声を弾ませながら言う。
「そうなの、比叡君?」
「まぁ、私はまだ、私自身の通帳は持って無いからね」
「私の学園は、原則アルバイト禁止だし!」
「えっ、そうなの。稀子!?」
俺は少し驚きながら言う。
けど、稀子はそれに反応せず、穏やか表情で話を続ける。
「うん。そうだよ!」
「アルバイトを、どうしてもしないと行けない時は、学園からの許可制なの!」
「でも、私の親友でアルバイトをしている子は居ないし、学年内でも数人だね」
「それも自発的では無く、親からの、社会勉強名目でやらされている子達ばかり!」
稀子はそう言った。
(よく考えたら……鈴音さんはお嬢様だし、山本さんの所も個人商店だが、確実な安定的収入を得られている)
(鈴音さんが通う学園だから、位の高い学園に成ってくるに決まっている!)
(あれ……そうすると、稀子の実家も凄く裕福なのか!)
「俺、今まで聞いてなかったけど、稀子の家はどんな家なの?」
「普通のサラリーマン?」
稀子実家の事が気に成ったので、俺は聞いてみる。
「あ~~、比叡君にはまだ言ってなかったね♪」
「この場だから言っておこう。私の家は農家さんだよ♪」
陽気な声で言う稀子。
だから、こんな天真爛漫なのか!?
「へぇ~~、稀子の実家は農家か!」
「だから、―――」
俺は更に詳細を聞こうとすると、稀子が割り込む感じで話し始める。
「まぁ、比叡君!」
「その話は置いておいて、ウィンドウショッピング巡りを始めようよ!」
「その辺の話は今度、ゆっくり話をしようだし、比叡君が私との将来を意識してくれるなら、もっと深い話も必要に成ってくるから♪」
将来の事を、滅茶苦茶笑顔で言う稀子!?
稀子の中では、俺との結婚まで決意を固めているのか!!
そして、まさかと思うが……俺に農業をやれとでも言うのか!?
稀子が何故、俺に此処まで執着するのかに、感づいてしまった気がした。
けど、保育士に成れなくても、別の永久就職先が見つかったと思えば良いか!
の訳無いか…。俺の中ではまだ、農業を意識する状態では無かった。
稀子と昼食を一応楽しんだ後は、いよいよ本格的なデートに成って行くのだが……
「稀子。昼食の後は何処に行く?」
俺はプランを全く決めてないので、稀子に話を振る。
「そうだね~~。比叡君!」
「映画館も有るし、映画でも見る?」
稀子は和やかな笑顔で、映画を提案した。
「映画か…。悪くはないけど、稀子は何か見たい映画有る?」
「えっ! 私に振る!?」
「比叡君は希望の映画が無いの!」
「……そっか~~。私も今は無いんだよな~~」
稀子は驚くように言い、その後は気が抜けた感じで言う。
(稀子はドラマ好きだから、見たいのが1本や2本は有ると思っていたが無いのか!)
(これは困ったな…。時間潰しの1つを失った!)
「お互い見たい映画が無いのに、お金を態々払って見るのもね~~」
稀子は独り言のように呟いている。
「どうしようかね! 比叡君!!」
稀子は俺に聞いてくるが、俺に聞かれても、こっちが稀子に聞きたい状態だ。
目的も無しに、このショッピングモールに来てしまったら、やっぱりと言うべきか途方に暮れる。
「このまま帰る訳には行けないし、モール内をブラつく。稀子?」
「……ウィンドウショッピングをするって事?」
「比叡君?」
稀子は澄まし顔で聞いてくる。
それに対し、俺は諦め口調で答える。
「……それしか無いだろ。稀子」
「今から……別の所に行く?」
今の時刻は13時前だが、稀子デートは夕方までだから、今から他の場所に向かっても中途半端に成ってしまう。
「お互い……お金が裕福では無いからね…!」
「なら、ウィンドウショッピングを楽しむか……」
稀子は残念そう言っているが、嫌々の感情も含まれていた!
ショッピングモールを提案したのは稀子なのに。
そして、俺は有る疑問を思いつく……
(稀子は、山本さんや鈴音さん達の様に親戚関係では無く、赤の他人に成るのだよな)
(下宿代は別にして、お小遣いとはどうしているのだ?)
「稀子は学生…。俺は、非正規雇用だからな!」
「……1つ気に成ったのだが、稀子。お小遣いや日用品等はどうしているのだ?」
「んっ…、お小遣い?」
「お小遣いは、ちゃんと両親から貰っているよ!」
「毎月では無いけど、数ヶ月に1度、現金書留で山本さんの家に郵送される!」
「そのお金で、比叡君や鈴ちゃん達と遊んだり、文具や日用品を買っているよ!」
稀子は穏やか表情で答えてくれる。
「銀行振り込みでは無く、現金書留って言うのが、下宿らしさを協調させるね!」
俺は声を弾ませながら言う。
「そうなの、比叡君?」
「まぁ、私はまだ、私自身の通帳は持って無いからね」
「私の学園は、原則アルバイト禁止だし!」
「えっ、そうなの。稀子!?」
俺は少し驚きながら言う。
けど、稀子はそれに反応せず、穏やか表情で話を続ける。
「うん。そうだよ!」
「アルバイトを、どうしてもしないと行けない時は、学園からの許可制なの!」
「でも、私の親友でアルバイトをしている子は居ないし、学年内でも数人だね」
「それも自発的では無く、親からの、社会勉強名目でやらされている子達ばかり!」
稀子はそう言った。
(よく考えたら……鈴音さんはお嬢様だし、山本さんの所も個人商店だが、確実な安定的収入を得られている)
(鈴音さんが通う学園だから、位の高い学園に成ってくるに決まっている!)
(あれ……そうすると、稀子の実家も凄く裕福なのか!)
「俺、今まで聞いてなかったけど、稀子の家はどんな家なの?」
「普通のサラリーマン?」
稀子実家の事が気に成ったので、俺は聞いてみる。
「あ~~、比叡君にはまだ言ってなかったね♪」
「この場だから言っておこう。私の家は農家さんだよ♪」
陽気な声で言う稀子。
だから、こんな天真爛漫なのか!?
「へぇ~~、稀子の実家は農家か!」
「だから、―――」
俺は更に詳細を聞こうとすると、稀子が割り込む感じで話し始める。
「まぁ、比叡君!」
「その話は置いておいて、ウィンドウショッピング巡りを始めようよ!」
「その辺の話は今度、ゆっくり話をしようだし、比叡君が私との将来を意識してくれるなら、もっと深い話も必要に成ってくるから♪」
将来の事を、滅茶苦茶笑顔で言う稀子!?
稀子の中では、俺との結婚まで決意を固めているのか!!
そして、まさかと思うが……俺に農業をやれとでも言うのか!?
稀子が何故、俺に此処まで執着するのかに、感づいてしまった気がした。
けど、保育士に成れなくても、別の永久就職先が見つかったと思えば良いか!
の訳無いか…。俺の中ではまだ、農業を意識する状態では無かった。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる