偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第320話 息抜きの日 その1

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 ……

 今日は、稀子とデートの日だ。
 デートとは言っても、波津音市はずねしに有るショッピングモールに行くだけだが。
 でも、ショッピングモールデートと言う言葉も有るから良いか!

 俺は普段、ショッピングモールに行く事は無い。
 食品や日用品類は、アパート近くのスーパーで事が足りるし、無駄遣いをする余裕も無い。

 だが、全く行かない訳では無く、山本さんが車を出してくれる時は交通費が掛からないので、その時は一緒に連れってもらう。
 その時は、鈴音さんを含めて4人行動に成る。

 今日の場合はデートだから、稀子と2人きりで有る。
 山本さんとのWデートも考えたが、山本さんが加わると主導権を全て握られるので、考えるだけにした。
 ショッピングモール内のフードコートで昼食を取るので、お昼少し前にショッピングモールに入る予定だ。

 今日はデートらしく、俺が稀子が住んでいる山本さんの家に向かえに行く。
 偶には男らしい部分も、稀子に見せなくては!!
 山本さんの家は普段から通い慣れているから、挨拶も無しに玄関から入りリビングに向かう。

 リビングの扉を開くと、リビング内には稀子と鈴音さんが居た。
 俺は早速、稀子に声を掛ける。

「こんにちは。稀子!」
「向かえに来たよ!!」

「じゃあ、りんちゃん。比叡君が来たからデートして来るよ❤」

「はい。稀子さん、比叡さん!」
「車には気を付けて、楽しんで来てくださいね♪」

 鈴音さんは和やかな表情で、俺と稀子に声を掛ける。

「じゃあ言って来るね、鈴ちゃん!」
「お夕飯までには戻ってくるから♪」

「はい。お二人とも、気を付けてくださいね♪」

 俺と稀子は、鈴音さんに見送られながらリビングを出る。
 リビングから出て、少し廊下を歩き始めると、直ぐに稀子は俺に抱きついてきた!

「えへへ、比叡君とのデート久しぶり❤」

 稀子は嬉しそうな表情で抱きつくが、それでは歩く事が出来ない。

「稀子…。抱きつかれて嬉しいのだが、歩く事が出来ない……」
「それとも……このまま、稀子の部屋でお家デートするか///」

『パッ!』

 俺がそう言った直後に、稀子は抱きつくのを止めた!
 お家デートは嫌らしい。

「さぁ、行こうか比叡君!」
「バスは1本でも逃すともったいないから!!」

 笑顔で言う稀子。
 やっぱり、簡単には次の展開を進展させてくれない。
 今回デートを誘ったのは、俺では無く稀子からで有る。

『保育士さんに成る勉強をする、姿も私は好きだけど、偶には息抜きが必要だよ!』
『比叡君。2人で、ショッピングモールに行こうよ♪』

 の流れで、デートをする事に成った。
 稀子と近所を出歩く時も有るし、俺のアパートで2人過ごす時も有る。(ごく偶にだが)
 俺の中では、適度に息抜きは出来て居ると感じていたが、ショッピングモールも最近ご無沙汰だったので、ショッピングモールデートをする事に成った。

 山本さんの家から出て、バス停の有る国道まで歩く。
 俺は空を見上げると、今日の天気は秋空を感じる天気だ。
 ショッピングモールも良いが、何処か紅葉こうようを楽しんで良いかもと、今更ながら気付く。

「う~ん」
「今日も良い天気♪」
「デート日和だね♪」

 伸びをしながら歩く稀子。
 行き先の変更も思ったが、近隣紅葉の名勝も分からないので、余計な口出しは止めた方が良いか。

 稀子と雑談をしながら、バス停に到着する。
 バス時刻表を見ると、都合良く5分後にバスが来る感じだ。
 俺は今日のデートプランを稀子に聞いて見る。

「稀子。今日はショッピングモールで何をするのだ?」

「あ! まだ、決めてなかったね!!」
「最初にお昼ご飯を食べて、その後はどうしようか。比叡君?」

「その後……?」
「段取りを組んで、デートに誘ったのでは無かったのか。稀子?」

 俺がそう言うと、稀子は笑顔で話し始める。

「比叡君!」
「デートに段取りなんて無いよ!!」
「旅行ツアーみたいに時間時間で組むんでは無く、デートはもっと気軽にする者だよ♪」

「まぁ、そうかも知れんが……ノープランだとそれは、う~む…」

 俺は大まかな予定を立ててから動く人間だが、稀子は行き当たりばったりタイプかも知れない。
 今日はデートだから、それはそれで悪くは無いが、何も考えずに動くと、わざわざショッピングモールに行って、昼食だけ食べて帰って来るパターンに成る恐れも有る!

(デートだから稀子の言う通り、今回は深く考えなくて良いか!)

 バスも時刻表通りやって来たので、稀子共にバスに乗り込み、ショッピングモールの有る方角にバスは向かって行った。
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