偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第314話 突然のレッスン打ち切り!?

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(うーん)
(稀子が此処まで、純粋無垢だったとは……)

 俺は稀子に抱きつかれながら思う。

「だから、稀子…」
「ピアノレッスンに稀子が付き合ってくれるのは嬉しいけど、出来れば稀子に嫌な者を見せたくないから……」

 余りにも作戦通りに動いていたので、俺は少し欲が出てしまった!

「うっ、うん……」
「私もそうしたいけど、やっぱり比叡君が心配だから…///」

(そう来たか! 稀子!!)
(出来れば、ピアノレッスン中は稀子を排除したいけど、それは流石に無理か…)

「うん。稀子の気持ちも分かるよ!」
「鈴音さんが俺に気が有るらしい事を、稀子から聞いたからね!」

「じゃあ、せめて。俺が鈴音さんとのピアノレッスン中は、不満な顔はせずに笑顔で見守っていてね!」

「わっ、分かった。比叡君//////」
「今度からは疑問を感じても、顔には出さないようにする!」

「ありがとう。稀子…」

「比叡君……///」

(これで、俺は鈴音さんと仲良くしていても稀子は、文句は言えない筈だ。レッスン中に限るだけど)
(これで、次回からのピアノレッスンはもっと楽しくなるぞ!!)

 俺は少しやましい事を考えながら、稀子と2人の時間を少し過ごした。

 ……

 ☆

 それから、週末が中心だが、鈴音さんとのピアノレッスンは続いた。
 毎回、毎回、稀子は付き合ってくれるが(俺の監視の為)、この前の言葉を律儀に守ってくれているので、表情には出さなくなった。(心の中は知らないが…)

 そのお陰で、俺は思う存分鈴音さんと話が出来るし、鈴音さんも嬉しそうに会話を返してくれる!
 その事も有り、俺はピアノレッスンを真剣に受けて、練習モードを使ってでの練習だが、確実にピアノが弾ける様に成っていった!

(この調子なら、本当に実技試験でピアノを選択しても合格出来そうだな!)

「……」

 稀子の表情が時々硬い時が有るが、あの時きちんと言ったので、俺に小言を言ってくる事は無かった。
 どれだけの期間、この電子ピアノを借りられるかは分からないが、これも神様からのチャンスだと思い、鈴音さんとピアノレッスンを週末励んでいたが……此処で急展開が起きる!?

 ある日の晩ご飯時……

 今晩も、何時も通りの晩ご飯時間が進むと思っていたが、山本さんが最初のビールを1杯飲み干した後、俺の方を急に見据えいて、前振りも無く静かに話し始めた……

「比叡君……」
「ピアノの練習は順調だと、鈴音からも稀子ちゃんからも聞いて居るが…、少し事情が変わって…、究極終了する流れに成った……」

「!!」

「えっ!?」
「どうしてです。山本さん。行き成り過ぎませんか!!」

 俺は当然、焦りながら言う。
 折角、此処までピアノ練習をして来たのに突然の打ち切り!!

 更には鈴音さんとの、楽しい時間も終わってしまう!!
 けど、山本さんは罪悪感無しで話を続ける。

「本当にすまんな……」
「相手さんが急に『電子ピアノを返して欲しい』と言われたからな!」
「相手さんとは契約なんて結んでないから、相手が『返せ!』と言われたら返すしか無い…」
「まぁ、諦めてくれ……」

 言葉ではそう言う山本さんだが、余りにも急すぎないか!!
 俺は思いたくないが、1つの事を思ってしまう。

(まさか……稀子の奴。山本さんに告げ口をしたか!)

 山本さんが話し始めた時。鈴音さんが出て来るのは当然だとして、稀子が出て来たのに対して、俺は少し違和感を感じた……

『聞いて、山本さん!』
『比叡君とりんちゃん。最近凄く仲が良いのだよ!!』
『絶対、ピアノの練習からだよ!!』

 とでも言えば、山本さんの事だ。
 どうせ……

『なにっ! 僕の鈴音に比叡のクソが、ちょっかい掛けて居るだと!!』
『……良い度胸しやがって。非正規の身分で!!』

『これ以上、家にピアノを置いておいたら、鈴音が比叡に付け込まれるかも知れんな……』
『よし、撤去だ! 明日にでもピアノは撤去だ!!』
『ピアノを撤去すれば、彼奴らも面前と交流出来んからな。があはは!!』

(絶対、そう成るに違いない……)
(山本さんの鈴音さんに対する、愛情は非常に強すぎる!!)

『ズズッ……』

 俺は稀子の方を思わず見るが、全く興味なさそうに味噌汁を啜っていた!

(普通なら、稀子からも一言言うよな…)

『山本さん。急すぎないとか!?』

(そうすると、やっぱり首謀者は稀子か…)
(俺が保育士に成るのを、応援しているのでは無いのか!)

 俺はそう感じ取るが、こんな中途半端な形で、ピアノレッスンを終わらせたくなかった。
 俺は無謀だと感じては居るが、山本さんに少しでも期限を延ばせないか、訴えかけてみる事にした。
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