偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】稀子編 第2章

第302話 勉強漬けの日々

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 ☆稀子編 第2章は、第72話からの続きと成ります。

 稀子編 第2章も【R-15】作品に成ります。
 但し、稀子編 第2章は、鈴音編と比較すれば激しい描写は殆ど有りません。
 保育士を目指す比叡と稀子との物語に成ります。

 ☆稀子編 第2章☆

 ……

 俺の名前は、青柳比叡。
 今は波津音市はずねしと言う町に住んでいる。
 俺の将来は保育士に成る事では無く、学童保育施設での学童指導員(正規職員)を目指している。

 只、俺の場合は学園(高卒)卒なので、そのままの状態で学童保育施設の門戸を叩いても相手にはされない。
 一昔前は無資格でも、正規職員の待遇で学童保育施設に働く事が出来たそうだが、近年は法整備がされて最低でも、保育士の資格等、児童福祉に関わる資格や、小学校教職員の教員免許の資格が無ければ、スタートラインに立つ事すら出来なくなった。
 実際には、放課後児童支援員と言う資格が必須に成るが、それを取得する為には前者の資格が必須に成ってくる。

 まぁ、掻い摘かいつまんで言えば、保育士の資格さえ取得出来れば、俺は学童保育施設で働けるスタートラインに立てる訳だし、俺の彼女でも有る稀子。稀子の親友で有る鈴音さん。そして、外見が恐ろしい人だが山本さんも、俺を祝福してくれるだろう……

 昼間は長居鉄工所と言う企業でアルバイトをしており、夜の時間帯は保育士資格取得に向けた勉強をしている。
 本来だったら、保育士養成学校や児童福祉に強い大学に行くのが近道だが、俺の場合はその選考試験に落ちてしまった。

 試験に落ちたのは俺の怠惰たいだと山本(孝明)さんが判断し、更に落ちた時の対策を怠った為、山本さんを激怒させて、俺は住む場所と稀子を失うピンチに発展した。
 だが、保育士資格取得には通信講座に依る道が有った事と、稀子や鈴音さん。山本のおばさん(山本母)のお陰でピンチを切り抜けた。

 ……そして、今が有る。
 俺は1人の力では無く、みんなの力で今が有る。
 俺はみんなの期待……特に稀子の期待だけは、裏切らない様に今日も資格取得に向けた勉強を頑張る。
 保育士に成る筆記試験は今年10月に有るが、今からでは10月の筆記試験に臨むのは難しいので、来年の4月を目指して頑張っている。

 今住んで居る場所は賃貸アパートだが、山本さんの知人が絡んでいる賃貸なので、格安の賃貸だし、晩ご飯も山本さん家が格安で提供してくれるから、アルバイトの給料だけで十分に生活が出来る。
 アルバイトの時給は高くは無いが、山本さんからの紹介だし、山本さんの知人らしいので待遇自体は良い。

 この事は俺の両親には一切話していないが、俺も両親もお互い毛嫌いしているので、このままにして置く。
 無事に保育士資格が取得出来て、稀子と結婚を考える時までは放置しようかなと思っている。
 今、両親に相談しても、俺の両親は否定的な事しか言わないからだ……

 ……

「うーん」
「今晩はここまでにしておくか!」

 勉強にキリを付け、伸びをしてから、スマートフォンで時刻を確認すると午前0時前で有った。
 この部屋は俺1人しか住んでいないので、気楽と言えば気楽だが、この時間帯に成ると物寂しいと感じる時も有る。

「稀子はもう今頃、夢の中だろうな……」
「お子ちゃまの稀子だから、ファンタジーの夢でも見ているのかな?」
「明日も仕事だし、俺も寝るか……」

 俺は独り言を言いながら、布団を敷いて布団に潜り込む。

「……今の方法で、確実に保育士資格が取得出来るとは限らんが、みんなが応援してくれているし、その期待を裏切る訳には行かないな…」
「稀子は俺の事を応援してくれるが、山本さんが全面支援に出てからは、稀子は児童福祉への道の興味を失い始めたし、稀子の考えが時々読めない時が有るからな…」

 俺が以前の町に住んでいた時は、稀子は俺と同じ児童福祉への道を進むと言っていたが、最近に成って進路変更を考えているそうだ。
 その理由は言うまでも無く、りんちゃんこと、鈴音さんだ。

 稀子は鈴ちゃんが大好きだから、鈴ちゃんと同じ大学に進学したいらしい……
 稀子と鈴音さんは大学付属の学園に通っているから、そのままエスカレーターで大学進学が出来るらしい。

 その大学には児童福祉関連の学部が無いから、稀子が児童福祉関連の学部が有る大学に進学すると、稀子と鈴ちゃんは大学に行っている間は、離ればなれに成ってしまう。
 稀子は、それを最近になって凄く嫌がっていた……

「俺も、この道が絶対成功するとは言い切れないし、稀子の人生だからな……」
「俺も鈴音さんに恩が有るし、鈴音さんも稀子の事気に入っていそうだし」

「まぁ、そんな事考えても仕方ないか……」
「山本さんが全面支援してくれるから、稀子を無理して付き合わせるより、稀子は稀子の人生を歩んで貰おう」

 俺はそう独り言を呟きながら眠りについた……
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