偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第294話 結婚式の翌日 その3

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 俺の思った通り、稀子が見たかった映画はアクション映画で有り、チケットと飲み物類を買って映画を楽しむ。
 チケットと飲み物類は、流石に稀子に奢ろうとは鈴音さんは言わなかった。

 山本さんを含めて映画を見た時も有ったが、その時もアクション映画だった。
 映画を見たがるのは稀子で有り、山本さんは運転手代わり、鈴音さんは気分転換の感じで有った。位置的に俺は、それのお供に成る。

 本を読むのが好きな鈴音さんだが、テレビドラマや映画は好んでは見ない。
 けど、自然豊かな場所を題材にしたアニメ映画だけは好んでみる。

 俺もどちらかと言うと、映画やテレビドラマは見ない方で有る。
 我が家のテレビは、ドラマやバラエティ番組が流れている時間より、ニュースの時間の方が多かった。


 ……

 久しぶりに見るアクション映画を楽しんだ後は、ショッピングモールでの買い物だが、午後から来た為、少し回っただけで時刻はもう16時手前だった。
 稀子は見て回るのが中心で有ったが、鈴音さんは小物類を買っていた。

 鈴音さんの中では予算に達したのだろう。
 俺に声を掛けてきた。

「時間が経つのは早いですね!」
「比叡さん。所で……何時頃まで居ますか?」

 鈴音さんはそう、俺に聞いてきた。
 鈴音さんの中では、ショッピングモールは終わりにしたいのだろう。
 俺と鈴音さんだけなら、帰路に着いても良いが今日は稀子が一緒だ。

「何時まで居ましょうね…?」
「俺達の住んでいる場所は山奥だから、日が暮れると路面凍結の心配も有るからな」

 俺が運転に自信が無いから、そう言ったのでは無く、日が暮れると山道は色々と怖い。
 路面状態も良好とは言えない場所がどうしても有るので、市街地の道とはまた違う危険さも有る。

 今の時期はまだ、動物が活発に動く時期では無いが、自然豊かな場所なので『動物飛び出し注意!』を本当に気をつけ成れば成らないし、車も稀子の家の借り物だ。
 ここは俺の判断では無く、稀子の意見を聞くべきかなと思った。

「稀子は、まだ見たい場所が有るのだろ?」

「うん!」
「久しぶりだから有るね!!」

 何時も通りの口調で返事をする。
 稀子の心は普段通りに回復していた。

「それで、何時まで居る稀子…?」

「あ~~、ここに居る時間ね!」
「私は明日からお仕事だけど……17時位までは居ようか!」

(てっきり、18時や19時を言うかと思ったが……17時か)
(少し早い感じもするが…)

 俺達は学生では無く成人で有る。
 その成人が午後から遊びに来て、17時に帰路に着くのは早過ぎると感じる人も多いだろう。
 けど、俺達は遊び慣れてるとは言えない。

 鈴音さんも稀子もブランド物には走らないし、流行り物にも飛びつかない。
 鈴音さんは、SNS自体しないし興味も持たない。鈴音さんのお供は本当に本で有る。
 稀子はSNSをしているそうだが、発言より見るのがメインと以前聞いた。

 俺も同じで有ってブランド物興味は無いし、SNSも見る専だ。
 今の生活が一番幸せだと感じる人間で有る。
 夜通し遊べる人は凄いな感じる。俺はそんな事出来ないからだ。

 ……

 17時まではショッピングモールでの空間を楽しみ、その後は帰路に着く。
 帰り道も順調良く進んで、18時半手前で稀子の家に無事到着をする。

「今日はありがとね~~!♪」
「楽しかったよ!!」
「また、3人で遊びに行こうね♪」

「後、比叡君。ラーメンごちそうさま!♪」

 元気な声で言う稀子とは此処で別れて、俺と鈴音さんは徒歩で家に戻る。

「あっという間に、1日が終わりましたね!」

 短い距離の帰り道。鈴音さんが声を掛けて来た。

「はい!」
「ショッピングモールに着いた時、稀子が元気を一時無くしたけど、復活して良かったですね!」

「あの時は、びっくりしましたわ!」
「稀子さんの中では、まだ心残りなんでしょうね…」

「かも知れませんね…」
「俺達は酷い目に遭ったが、稀子も酷い目に遭っているのだがな……」

 山本さんが最初の暴走をした時、稀子も暴言を吐かれたと聞いた。
 それでも、稀子は山本さんを嫌いに成る事は無かった……
 けど、山本さんは稀子の事を『馬鹿女』扱いしている。

「鈴音さん…。稀子にきちんと事実を伝えるべきですかね?」

「事実です??」
「何を稀子さんに伝えるのです!?」

 鈴音さんは驚きながら言う。

「山本さんが稀子を毛嫌いしている事を……」

 俺がそう言うと、鈴音さんの表情が険しくなった!

「比叡さん…。そんな事を言って意味有りますか!?」

「あっ、無いと言えば無いが……」

「ふぅ~~」
「稀子さんの思い出を、私達が壊す必要は有りません…」
「私は完全に吹っ切っていますが、稀子さんは優しいのでしょうね……」

「……優しいか。そうかもしれんな……」

「普段の通りの稀子さんに戻ったのです」
「私達が、“どうのこうの”出来る物では有りませんわ」

「だな……」

 稀子の心残りは、稀子自信が解決させるしか無い。
 何処かで過去の思い出にするのか、ずっと引きずって行くのかは、稀子が解決するしか無い。
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