偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第292話 結婚式の翌日 その1

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 翌朝……

 俺が朝起きた時は、鈴音さんの機嫌は何時も通りに戻っており、俺は一安心をする。
 鈴音さんは、俺と稀子より早く起きて、朝食の準備をしていた。
 俺は稀子を起こし、鈴音さんの朝食準備を手伝い3人で朝食を取る。
 稀子は今日も休暇を貰っているので、のんびりと朝ご飯を食べていた。

りんちゃんと比叡君は今日どうするの?」
「農作業はまだ無いよね!」

 朝食の途中、稀子は俺達の予定を聞いてきた。

「午前中は式会場の後片付けが有るから、後片付けだな!」

 俺はそう言う。
 今回の結婚式は設営を自ら行ったので、その後片付けが有る。
 レンタルした物を業者が回収しやすい場所に集めて、それを返却する作業が有る。
 その辺に関しては、幸村さん達も手伝ってくれるので、問題なく行くだろう。

「じゃあ、比叡君!」
「午後からは予定は無いよね!!」

 稀子は嬉しそうに言う。
 俺達と遊びたいのだろうか?

「特に無いと言えば、無いけど……鈴音さんは何か有る?」

「今日は特に無いですね!」
「食材も頂き物がまだ沢山有りますから、買い物も必要ないですし!!」

 鈴音さんも特に予定は無さそうだ。

「ねぇ。2人の予定が無いなら、3人で遊ぼうよ!!」
「私、見たい映画が有るんだ!!」
「3人で遊べる機会も最近は少ないし、もう少し遊ぼうよ!♪」

 やはり、稀子は俺と鈴音さんと遊びたかったらしい。
 俺は別に良いが、鈴音さんはどう答えるだろう?

「稀子さん…。映画ですか?」
「映画館、近くに有りましたっけ?」

「鈴ちゃん。波津音市はずねしまで出れば有るよ!」
「今日は午後から波津音市に出て、映画を見に行かない?」

「私は構いませんけど、比叡さんはどうですか?」

 鈴音さん1人で決めても良かったのに、俺に了解を求めてきた。

「俺も良いと思うよ。映画!」
「俺達は新婚旅行も無いし、偶には映画鑑賞もしないとね!」

「じゃあ、決まりだね!」
「鈴ちゃん! 比叡君!!」

(稀子は嬉しそうに言うが、波津音市まではどうやって行くのだ?)
(3人が乗れる、2トントラックで行くとはまさか言わないよな……)

 俺の家は軽トラしか無いし、稀子の所も簡単に借りられるのは、軽トラか2トントラックしか無い。

「決まりなのは良いが稀子。交通手段はどうする?」
「波津音市だと、公共交通機関では少し不便だろ??」
「それに午後からだと、バスの便も少ないだろ…」

「あ~~、そうだね……」
「でも、今日は家の車を借りられると思うから、それで行こうか!!」

「車は車でも、トラックでは無いだろうな……」

 俺は怪しむ様に言う。

「そんな、疑う眼差しをしなくても大丈夫だよ。比叡君!」
「私も、両親が乗用車使う日は把握しているから、多分乗用車で行けると思うよ!!」

(……駄目なら、トラックに成る訳か!)

 トラックが駄目な訳では無いが、繁華街をトラックで乗り付けるのは流石に恥ずかしい!!
 稀子が良くても、俺や特に鈴音さんが思いっきり恥ずかしがるだろう!!
 俺は無事に乗用車を借りられる事を心の中で祈った……

 ……

 午前中で無事に結婚式の後片付けも終わり、午後からは問題無く3人で遊びに行ける。
 車も無事に乗用車を借りる事が出来て、安心して波津音市に行ける。

 時刻はお昼を少し手前だが、昼食は波津音市で摂る事に成った。
 運転手は勿論、俺で有り、助手席には鈴音さん。後部座席には稀子が座る。
 俺達が住んでいる場所から、波津音市までは1時間と少しで行ける場所で有る。

 今回は予定はきちんと決めてあり、映画はショッピングモールに入っている映画館で鑑賞をするが、その前に昼食を摂ってから映画鑑賞をする。
 映画の後は夕方近くまで、ショッピングモールでの買い物を楽しんでから帰路につく。

 本当だったら、晩ご飯もショッピングモール内で摂りたい所だが、我が家の経済状況は良くないし、結婚式を終えた翌日だから更に金欠状態で有った!
 昼食や映画の料金は、俺の“へそくり”を使うので良いが、晩ご飯までは厳しかった。

 俺が運転する車は渋滞等も特に無く順調に、波津音市に向かって行った!
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