偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第283話 親友同士で行くキャンプ その13

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「稀子…」
「食べ物も大分無く成ってきたし、そろそろお開きにしようか?」
「話も一段落付いた所だし」

「お開き~~?」
「まだ、早いよ~~。比叡君!!」
「夜はこれから♪」

 酒の力で、普段以上に陽気に成っている稀子はそう言ってきた。
 今晩の稀子は、今まで見た中で一番飲んでいた。

「けど、稀子…。明日の朝はご来光をおがむのだろ?」
「それに、俺達を起こすのは稀子だろ…?」
「鈴音さんも、大分眠たそうだし……」

「はい…、稀子さん。そろそろ休みましょう」

 俺が言い終えた後、鈴音さんも直ぐ言う。

りんちゃんも比叡君も若くないな~~♪」
「比叡君はともかく、鈴ちゃんの年齢ならオールナイトは余裕の筈だよ!」

(俺をともかくと言うな!)

 俺だって、年齢的には稀子達と同じ20代だ!
 前半、後半とは別れるが、俺だって明日のご来光をしなければ付き合ってはやるが!
 と心の中で少し憤慨する。

「仕方ないな~~」
「一人でお酒を飲んでも面白くは無いし、鈴ちゃん達に付き合って眠りますか~~♪」

 普段以上に上から目線の稀子だが、稀子は酒の力が無くてもこんな性格だ。
 俺の言葉を一応聞いてくれている感じだし、反論はしない。

「では、後片付けをして就寝しましょう」

 鈴音さんも眠たい筈なのに、てきぱきと後片付けを始める。
 真面目の鈴音さんは『明日で良いや!』の事はしない。
 今まで何回か、鈴音さんと深酒をした事は有るが、テーブルや洗い物はきちんと片付けてから就寝している。

 二次会の場合は、使い捨て容器を中心に使ったため、洗い物はそんなに多くは無い。
 十数分で後片付けは終わり、やっと今日一日が終わろうとしていた。

 部屋の照明を薄暗くして、みんなベッドに入る。
 稀子はやはり上段のベッドを取り、俺と鈴音さんは下段のベッドに入り込む。
 上段のベッドは昇るが面倒くさいし、鈴音さんも昇るのを面倒くさがったのだろう?
 眠りに就く前に、稀子に一言聞いておく。

「……稀子。ちなみに明日は何時起きだ?」
「稀子が寝過ごす事は無いと思うが、一応時間を教えてくれ!」

「あぁ、そうだね!」
「明日の日の出時刻は5時半前だから、4時半に起きれば良いね!」

 稀子は“さらっ”と言うが、今の時刻はほぼ24時手前で有る。
 4時間半位しか今晩は寝られない。

「もし、私が起きなかったら、鈴ちゃん、比叡君起こしてね♪」

 俺は別にご来光を見たいとは思わないが、喧嘩の要因を作る必要も無いので素直に返事をする。

「では、お休み~~。鈴ちゃん、比叡君!」

「あぁ、お休み」

「お休みなさい。稀子さん」

 稀子が俺達に向けて就寝の挨拶をした後、それぞれが返事を返す。
 俺と鈴音さんは同じ下段のベッドだから、距離は少し有るが、気軽に話せる位置関係で有る。

「では、俺達も休みましょうか。鈴音さん!」

「はい…。遊びに来たのに、何故か普段以上に疲れました……」

 鈴音さんは疲れた口調で言う。
 今まで、三人で何回も遊んでいるが今回の様に、稀子が完全に主導権を握った遊びは初めて有る。
 特に予定がシークレットなのは、精神的に疲れが来る。
 学園行事の様に“しおり”が有れば、此処までの疲れは来なかっただろう。

「けど、鈴音さん。やった事と言っても、釣りをして、晩ご飯を作って、キャンプファイヤーと二次会位なんだけどね!」

「はい…。大した事はしていないのですが、久しぶりに疲れました!」
「どうしても農業を優先させるので、遊び疲れが何時も以上に出ている気がします」

「明日は早朝からご来光を見るイベントが有りますし、休みましょうか。比叡さん…」
「ふぁ~~」

 鈴音さんは眠たそうに言う。
 夫婦の時間も大事だが、今は睡眠の方が大事で有る。

「はい。休みましょう!」
「お休み、鈴音さん!!」

「はい!」
「比叡さんもお休みなさい!」

「……」

 俺は目を瞑ると同時に強い眠気がやって来た。
 これ位強い眠気だと明日、時間通りに起きられる自信は無いが、鈴音さんは居るし、稀子も居る。
 もし、全員が寝坊してもそれは笑い話だ!?
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