偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第280話 親友同士で行くキャンプ その10

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 稀子と後片付けを終えたが……大分時間が掛かってしまって、キャンプファイヤー開催時刻で有る、19時半をとうに過ぎていた。
 途中で、後片付けを止める訳には行かないので仕方は無いが……

「やっぱり、二人だと時間が掛かるね♪」
「さて、手分けして持って、りんちゃんの所に戻ろうか!」

 時刻が過ぎているのを焦らず、暢気に言う稀子。
 遅れても問題は無いのか?
 それに時間が過ぎているのに、鈴音さんからの連絡も一切無かった。

「稀子……」
「時間が過ぎているけど、大丈夫なのか…?」

 あまりに稀子が暢気に言うので、俺は思わず聞いてしまう。

「んっ…。それは、キャンプファイヤーのこと?」
「うん! 全然大丈夫!!」

 心配する素振りを、全く見せずに言う稀子。

「……けど、今から行っても、良い場所は取られてしまっているだろ」

「あ~~、そんなに心配しなくても大丈夫だよ。比叡君!!」
「今日は人も多くないし、キャンプファイヤーに特等席何て無いから!!」

「そっ、そっか……」

 稀子が楽観的に言うので、俺はそれ以上は言わず、お鍋の中にお皿類を入れて俺はそれ持ち、稀子は飯盒等を持って鈴音さんの元に戻る。
 鈴音さんの所に戻ると……鈴音さんは屋外テーブルに体を突っ伏して、眠っている様だった。火の方は大丈夫だろうか?

 問題の火の方は、完全に燃えてほぼ炭状態に成っており、これ位の状態なら鈴音さんが寝ていても問題は無かっただろう。
 もしかしたら、それを確認してから眠ったのかも知れない。

 鈴音さんは起こすのは後にして、俺はバンガロー内に食器類を仕舞いに行く。
 稀子も同じ様に着いて来るが……

「一応……軽く水を掛けておくか!」

『ジュワ~~~♪』

 稀子は何処からか、水の入ったペットボトルを持って来て、その水をレンガコンロの炭に掛けていた。
 少量の水なら、明日使う時に問題には成らないし、火災の心配もしなくても良い。
 稀子が完全消火させている音で、鈴音さんの体が”もぞもぞ”動き出した。

「……すいません。少し寝てしまったようです」

 鈴音さんは体を起こし、直ぐに俺と稀子に向けて謝る。

「全然、大丈夫だよ! 鈴ちゃん!!」
「……少しは酔い、覚めた?」

 俺が声を掛ける前に、稀子が声を掛ける。

「……はい。大分楽に成りました!」

「じゃあ、鈴ちゃん!」
「少し、遅く成ったけど、キャンプファイヤーに行こう♪」

「はい…。行きましょう!」

 見た感じ、酔っている感じには見えなくて、普段通りの鈴音さんに見えた。
 キャンプファイヤーは広場で行われているが、当然椅子等は無い。
 稀子はご丁寧にレジャーシートを用意していて、それを広場で広げるそうだ。
 俺がレジャーシートを持って、鈴音さんは向こうで食べるお菓子類を持って、稀子はペットボトルのジュースを持って、キャンプファイヤー会場に向かう。

 ……

「お~~、燃えているね♪」
「やっぱり、キャンプファイヤーは最高だ!♪」

 稀子はそう言う中、広場の真ん中に組まれた木材が『パチ、パチ』と、音を立てながら盛大に燃えていた。丁度見頃と言えば良いのだろうか?
 稀子の言う通り、広場に人が“ぎっしり”居る訳で無く、何処でも場所を取りたい放題で有った。

「あまり火の側だと暑すぎるし、風で火の粉が飛んで来るからこの辺かな♪」
「比叡君! 此所で広げようか!!」

 稀子が指示する場所に、俺はレジャーシートを広げる。
 それもキャンプファイヤーの風下かざしもでは無く、きちんと風上かざかみで稀子は指示を出した。大した者だ!

 俺達はレジャーシートに座り、鈴音さんはお菓子類を広げ、稀子はペットボトルのジュースを俺と鈴音さんに渡してくれる。
 このキャンプファイヤーは自由参加らしく、縛りは特に無いらしいが、21時頃には組んだ木枠が燃え尽きるらしいので、それまでの時間らしい。

「では、二回目の乾杯~~」

『乾杯~~』

 稀子の音頭でキャンプの目玉で有る、キャンプファイヤーを見ながらの談笑が始まった!
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