偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第276話 親友同士で行くキャンプ その6

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「稀子…。幸村さんに何を貰ったんだ…?」

 俺が稀子にそう聞くと……

「違うよ。比叡君!!」
「お父さんの差し入れでは無くて、私が頼んだの!」

「稀子が頼んだ…?」
「何を頼んだのだ?」

 俺が稀子にそう聞くと、稀子は顔をにやつかせる!

「えへへ~~♪」
「それは、その時のお楽しみ♪」

「比叡君!」
「ニジマス、そろそろひっくり返さないと、焦げ焦げに成るぞ♪」

 稀子は、はしゃぎ声で言う。
 本当に、隠し事が好きな稀子だ……

「あっ、あぁ……悪い!」

 多少の焦げもキャンプの醍醐味だが、焦げ過ぎは体に良くは無い……
 稀子が持って来た、食べ物は直ぐに分かる事だから、俺はニジマス焼きに集中する事にした……

 ……

 カレーも完成して、ニジマスも全部焼けた所で、キャンプディナーが始まる。
 カレーはルーだけでも“おつまみ”に成る。

 屋外のテーブルに料理が一通り並べ終えた所で、稀子がクーラーボックスを開けて、内緒の食べ物を取り出す。

「じゃ~ん♪」

りんちゃん。比叡君!」
岩魚いわなのお刺身だよ!!」

 稀子が、刺身が乗った丸皿を見せ付ける様に見せる。

(確か……この魚。値段が結構するのだよな?)

 俺達が住んで居る場所は渓流釣りが出来るが、鮎がメインだった筈だ。
 岩魚も釣れるのだろうか…?

「稀子。その岩魚は幸村さんが釣ったのか?」

「違うよ、比叡君!」
「この岩魚は養魚ようぎょ屋さんで買った物だよ!」

 稀子は笑顔で返事をする。

「これは……私達に対するサプライズですか?」
「稀子さん!!」

 鈴音さんは嬉しそうな声で稀子に聞く。
 鈴音さんは、岩魚を食べた事が有るのだろうか?

「そう、そう!」
「岩魚は本来、刺身では食べられないからね!!」

「これは養殖だから、お刺身でも食べられるし、しっかりした所のだから大丈夫!!」

「岩魚なんて、普段の食卓には出て来ないし、刺身でも食べられる何て知らなかったよ…。稀子!」

「鈴音さんは、岩魚の刺身を食べた事有るのですか?」

「はい!」
「両親と住んでいた時に、食べた事が有ります!!」
「淡白で上品な味です♪」

(やっぱり……鈴音さんは、何だかんだ言っても、お嬢様なんだな…)
(まぁ、俺みたいな底辺と結婚して……後悔はしていないのかな!?)

「さぁ、鈴ちゃん、比叡君!」
「お刺身がぬるくなる前に、食べようよ♪」

 刺身が乗った皿をテーブルに置きながら、稀子は言う。
 メインが岩魚の刺身に置き換わって、ニジマスの塩焼きが微妙な立場に成ったが、ニジマスも十分美味しい。

 クーラーボックス下の方には、缶ビールや缶酎ハイが入っていた。
 これは、幸村さんからの差し入れらしい。

 俺は缶ビール。鈴音さんと稀子は果実系の缶酎ハイを選んで、キャンプディナーの始まりで有る。

『では、乾杯~~』

 三人。缶を鳴らし合って、キャンプディナーが始まった!
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