260 / 434
【R-15】鈴音編 第2章
第258話 就農から結婚式までの行方 その13
しおりを挟む
秋も深まり……
今日は遂に、稲の収穫日を迎えた。
収穫した米は全量出荷に成るが、一部の米は俺と鈴音さんの食べる分に回す。
初めての収穫で有り、稀子もそれに合わせて態々休暇を取ってくれた。
『鈴ちゃんと比叡君の晴れ舞台だからね♪』
と、嬉しそうな声で言った。
稀子の中では、無事に稲が実った事が嬉しいのだろう。
幸村さんから借りたコンバインで、幸村さんの指導を受けながら、俺は稲を刈り取っていく。
鈴音さんと稀子は稲刈りの補助作業をしており、稀子の母、楓さんと稀子の祖母は、家でお弁当を作っていて、今日の昼食はそのお弁当だ!
稲刈りの日は、刈り取ったばかりの圃場を見ながら昼食を食べるが、幸村さんの習わしらしい……
俺が幸村さんから借りている水田(圃場)の規模はそんなに大きくは無いが、田植えの時よりも、収穫の方が時間が掛かる。
田植えの時は、極端に言えば稲を植えるだけだが、収穫の場合は只、稲を刈り取るだけでは無い。
全ての稲が真っ直ぐ立って居る訳では無く、倒伏も有るし、収穫した米をトラックに積み込む作業等も有る。
幸村さんの話によると『まぁ、これ位の規模なら1日有れば終わると思うし、明日も天気が良いから、出来なかったら明日だ!』と気楽に言ってくれた!
ベテランに為ると、1日で収穫作業は終えるそうだが、俺の場合は初心者だから仕方が無い……
昼食の時間と成り、稀子一家と青柳一家と言っても、俺と鈴音さんだけだが、場所が少し開けた所にシートを広げてお弁当の時間に成る。
久し振りに稀子一家との昼食で有る。
手で食べやすい様に、おにぎりや玉子焼き、鳥の唐揚げ、アスパラベーコン、沢庵が入ったお弁当で有った!
「天気の良い日に食べる、おにぎりは美味しいね~~♪」
稀子は年齢上では大人だが、子どもの様な事を言いながら食べている。
けど、綺麗な秋空の下。更に借りている圃場とは言え、俺と鈴音さんの努力の結晶を見ながら食べる昼食は、美味しいに決まっている。
鈴音さんも和やかな表情で、アスパラベーコンを食べている。
(楓さんが作ったおにぎりは、初めて食べるな…)
(……うん。塩加減も良くて丁度良いや)
今の潔癖症の時代!?
他人の作った、おにぎりは食べたくないと良く聞く。
例えそれが、ラップで包んで握った物で有ってもだ!!
楓さんと稀子祖母が握った“おにぎり”は、ラップ等に包まれておらず、直接手で握ったのだろう。
稀子一家はそれが当たり前の表情で食べてるし、俺も鈴音さんも気に成らない。
却って、旨みが増している気がする!
食中毒の危険性とかも無い訳では無いが、その様な事を言う癖に平気で、外食や中食を喜んで食べている。
本当の衛生面で言ったら……あっ、鈴音さんが話し掛けてきた!
「比叡さん!」
「外でのお弁当は美味しいですね♪」
鈴音さんはそう言う。
俺達の場合、家から圃場までの距離が短いため、お弁当を作る事は無いからだ。
「だね、鈴音さん!」
「外でのお弁当は最高だね!!」
……
午後からも収穫作業を再開して、日没まで収穫を続ける。
俺が全てコンバインを操作して収穫をする。来年からは、これを1人でも出来るためで有る。
日没が近付いたが……その日に、収穫を終える事はやはり出来なかった。
時間的に言うと、あと1時間弱で収穫は完了出来るが『余裕は元々取って有るし、俺らは残業代が出る訳で無い!』、『それより夜間の作業はリスクも危険も増える。今日はここまでだ!』と、幸村さんはその様に言って、その日の収穫作業は終わりと成る。
これが法人関係に成ると、夜間に入っても作業を続けなければ成らない時が有る。
少し残ってしまったのは残念だが、鈴音さんや稀子の事も考えなければ成らない。
稀子は本来関係無いのに、最後まで付合ってくれた。
盗難の恐れが有るため、圃場にコンバインは置かずに、手間でも納屋に格納する。
こうして……初日の収穫作業は終わった。
今日は遂に、稲の収穫日を迎えた。
収穫した米は全量出荷に成るが、一部の米は俺と鈴音さんの食べる分に回す。
初めての収穫で有り、稀子もそれに合わせて態々休暇を取ってくれた。
『鈴ちゃんと比叡君の晴れ舞台だからね♪』
と、嬉しそうな声で言った。
稀子の中では、無事に稲が実った事が嬉しいのだろう。
幸村さんから借りたコンバインで、幸村さんの指導を受けながら、俺は稲を刈り取っていく。
鈴音さんと稀子は稲刈りの補助作業をしており、稀子の母、楓さんと稀子の祖母は、家でお弁当を作っていて、今日の昼食はそのお弁当だ!
稲刈りの日は、刈り取ったばかりの圃場を見ながら昼食を食べるが、幸村さんの習わしらしい……
俺が幸村さんから借りている水田(圃場)の規模はそんなに大きくは無いが、田植えの時よりも、収穫の方が時間が掛かる。
田植えの時は、極端に言えば稲を植えるだけだが、収穫の場合は只、稲を刈り取るだけでは無い。
全ての稲が真っ直ぐ立って居る訳では無く、倒伏も有るし、収穫した米をトラックに積み込む作業等も有る。
幸村さんの話によると『まぁ、これ位の規模なら1日有れば終わると思うし、明日も天気が良いから、出来なかったら明日だ!』と気楽に言ってくれた!
ベテランに為ると、1日で収穫作業は終えるそうだが、俺の場合は初心者だから仕方が無い……
昼食の時間と成り、稀子一家と青柳一家と言っても、俺と鈴音さんだけだが、場所が少し開けた所にシートを広げてお弁当の時間に成る。
久し振りに稀子一家との昼食で有る。
手で食べやすい様に、おにぎりや玉子焼き、鳥の唐揚げ、アスパラベーコン、沢庵が入ったお弁当で有った!
「天気の良い日に食べる、おにぎりは美味しいね~~♪」
稀子は年齢上では大人だが、子どもの様な事を言いながら食べている。
けど、綺麗な秋空の下。更に借りている圃場とは言え、俺と鈴音さんの努力の結晶を見ながら食べる昼食は、美味しいに決まっている。
鈴音さんも和やかな表情で、アスパラベーコンを食べている。
(楓さんが作ったおにぎりは、初めて食べるな…)
(……うん。塩加減も良くて丁度良いや)
今の潔癖症の時代!?
他人の作った、おにぎりは食べたくないと良く聞く。
例えそれが、ラップで包んで握った物で有ってもだ!!
楓さんと稀子祖母が握った“おにぎり”は、ラップ等に包まれておらず、直接手で握ったのだろう。
稀子一家はそれが当たり前の表情で食べてるし、俺も鈴音さんも気に成らない。
却って、旨みが増している気がする!
食中毒の危険性とかも無い訳では無いが、その様な事を言う癖に平気で、外食や中食を喜んで食べている。
本当の衛生面で言ったら……あっ、鈴音さんが話し掛けてきた!
「比叡さん!」
「外でのお弁当は美味しいですね♪」
鈴音さんはそう言う。
俺達の場合、家から圃場までの距離が短いため、お弁当を作る事は無いからだ。
「だね、鈴音さん!」
「外でのお弁当は最高だね!!」
……
午後からも収穫作業を再開して、日没まで収穫を続ける。
俺が全てコンバインを操作して収穫をする。来年からは、これを1人でも出来るためで有る。
日没が近付いたが……その日に、収穫を終える事はやはり出来なかった。
時間的に言うと、あと1時間弱で収穫は完了出来るが『余裕は元々取って有るし、俺らは残業代が出る訳で無い!』、『それより夜間の作業はリスクも危険も増える。今日はここまでだ!』と、幸村さんはその様に言って、その日の収穫作業は終わりと成る。
これが法人関係に成ると、夜間に入っても作業を続けなければ成らない時が有る。
少し残ってしまったのは残念だが、鈴音さんや稀子の事も考えなければ成らない。
稀子は本来関係無いのに、最後まで付合ってくれた。
盗難の恐れが有るため、圃場にコンバインは置かずに、手間でも納屋に格納する。
こうして……初日の収穫作業は終わった。
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる