偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第246話 就農から結婚式までの行方 その1

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「……りんちゃん。比叡君!」
「籍を入れるだけで無く、結婚式も挙げるの?」

 バスが遠ざかって行くのを稀子は見ながら、俺と鈴音さんに聞いてきた。

「予定では来年に成るが……うん」

 俺は稀子にそう言う。

「そっか~~、結婚式か~~、そうだよね」
「籍を入れるだけで無く、鈴ちゃんもウェディングドレス着たいよね……」

 稀子は感慨深く言う。
 稀子はもっと驚くと思っていたが、意外に冷静で有る。

「でっ、比叡君。所で、どこでするの?」
「ハワイ? それとも、おばさん(真理江)達が居る九尾きゅうお?」

「稀子…」
「結婚式の場所に関しては此処だ……」

「ここ!?」
「あぁ、波津音市はずねしだね!」

「波津音市なら、鈴ちゃんのお母さんも居るし、私も近くて良いや!!」
「ハワイだと、私はパスポートも取らないと行けないし、仕事も1週間位休まないと行けないもんね♪」

 稀子は和やかに言う。
 稀子は絶対に招待されるし、されると本人も思っているからな。

「いや、稀子!」
「波津音市では無く、此処の地区でだ…」

「えっ……こんな、辺鄙な所で結婚式をするの??」
「まぁ……就農したばかりで、お金を掛けたくない気持ちも分かるけど…、せめて波津音市で式を挙げた方が良いよ!」

 稀子は説得する様に言ってくる。普通の人なら、誰だってそう思うわな。
 俺は稀子に、此処で式を挙げなければ成らない理由を説明する。

 ……

「あ~~、そんな理由が有るんだ!!」
「鈴ちゃんのお家も大変だね…」

 俺の説明を聞いて納得する稀子。

「しかし、鈴ちゃん、比叡君も大変だね!」
「まぁ、私も協力出来る事はするから、何か有ったら相談してね!」


「ありがとう、稀子!」
「まぁ、結婚式についてはこれからだが、相談することは多数有ると思う」
「その時に成ったら頼むよ!」

「うん!」
「分かった。鈴ちゃん、比叡君!!」

 ……

 その後は、それぞれの家に戻る。
 家に戻り、鈴音さんは晩ご飯の準備。俺は引っ越しの残り片付けをする事に成った。

 時間が有る内に、この辺の作業を済ませないと、出来なく成ってしまうからだ……
 晩ご飯が完成するまでの間、俺は荷物を片付けた。

 ……
 …
 ・

 翌日……

 午前中から俺と鈴音さんはバスに乗って、この市の市役所に向かう。
 住民票の異動と婚姻届。更に就農に関する書類の申請と、市役所でやらなければ成らない事は多数有る。
 市役所がどれだけ混んでいるかは分からないが、恐らく数時間は掛かるだろう。

 昨夜。俺は久し振りに鈴音さんを抱いたが、鈴音さんの宣言通り、鈴音さんは数年間子どもを授からないと言った。そのため、避妊具を付けてでの行為と成った。
 俺としては、1日でも早く家族を作りたいが、鈴音さんはしっかり者なので、農業が安定するまでは避妊具を使ってでの性行為に成る。

 避妊具無しの方が、お互い燃える気がするが……鈴音さんはしっかりした人だった!
 まぁ、将来を本当に考えれば我慢するしか無い。
 夫婦で新規就農しなければ問題ないのだが、夫婦で新規就農をする。
 確実な成功を治めるには、早期に子どもは作らない方が良い……

 ……

 市役所で各自手続きを終えた後は、スーパーに寄り道をして、買物をしてから家に戻るけど、その前に稀子の家に寄って、婚姻届を出した事を幸村さん達に報告する。
 丁度、全員が家に居たので俺は、婚姻届を出した報告をする。

「比叡君。遂に、1歩を踏み出したな!」
「もう、後戻りは出来ないぞ!!」

 幸村さんはそう言い。

「あ~~あ。美作鈴音から青柳鈴音に変わったんだね。鈴ちゃん……」
「響きは…、美作鈴音の方が良かったのに~~」

「まぁ、私は青柳に成っても、鈴ちゃんと呼び続けるから、どうでも良いけど……」

 稀子は祝福するどころか、嫌みを言った!
 最後の最後まで、稀子は俺に未練が有った様だ……

「二人共、仲良くやりなさいね!」

 稀子の母親は言葉短く言い。

「おめでとうさん!」
「この地区は、あんたらの様な若い人がいないもんで、嬉しい限りだ!」

 と、稀子の祖母はそう言った。
 数日前に、俺と鈴音さんの歓迎会が行われているから、今回は報告だけで終わる。
 こうして、俺と鈴音さんは正式な夫婦に成った。
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