偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第245話 凉子さんに報告 その6

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 堅苦しい話も終わって、鈴音さんは昼食の準備のために居間から離れる。
 昼食が出来るまでの間、再び凉子さんと世間話を俺はする。

「青柳さん!」
「私は農業をした事が無いから、何とも言えないけど、難しいのだよね?」

「そうですね…。只作るだけなら誰でも出来ますが、規格に合わせた作物(商品)を作るのは大変です!」

「成る程ね~~。それに敢えて青柳さんは挑戦すると!」
「野菜は、工業製品の様に機械が作ってはくれないからね!!」

「あっ、でも、凉子さん。レタスとかの葉物野菜を、工場で栽培していた企業も有りましたよ。それも大企業が!!」
「結局……大赤字で撤退したようですが……」

「あっ、それ、私も記事で見た事有るわ!」
「裕福層向けなら売れると意気込んでいたけど、予想よりも売り上げが伸びなかったと……。コストを転嫁したのが厳しかったようですね!」
「まぁ、自然の恵みを人間の力で作り出すのは、無謀と言う証しですね。青柳さん!」

「まさにその通りですね。凉子さん」
「光も水も、自然の様に作り出す事は、人間はまだ出来ません」

 そんな、少し堅苦しい話もしながら凉子さんと過ごす。
 稀子なら嫌がる話なのに、凉子さんも教養が有るので会話が成立する。

 ……

 昼食は、昨日残ったカレーをアレンジして、カレーパスタを鈴音さんは作った。
 手持ちの食材で、立派な主食を作るので大した腕だ。
 それにサラダとトーストを添えて、立派な昼食を3人で食べる。

「鈴音は、お茶を淹れるだけで無く、料理の腕も上がったわね♪」
「青柳さんも安心だね♪」

「お母さん! 比叡さんに変な事を言わないでください!!///」

「あはは…」

 そう、凉子さんは鈴音さんを褒めるのと茶化しながら、3人で昼食を食べた。
 世の中、妻の料理が美味しくないと話題に成る時が有るが、俺の所は問題ないし、鈴音さんの作る料理はどれも美味しい!!
 ……のろけ話は、この辺にしておこう。

 昼食後は俺が後片付けをして、今度は鈴音さんがお母さんの相手をする。
 その後は、鈴音さんと凉子さんの会話が中心と成って、親子の時間が流れていく……

 時刻は15時。お茶の時間が近付いてきたので、その準備で鈴音さんがクッションから立ち上がろうとすると、玄関の開く音がする。

「こんにちは~~!」

 声の感じからして、稀子が来た様で有った。
 鈴音さんがそのまま応対に向かい、しばらくすると、鈴音さんと稀子が一緒に来る。
 鈴音さんと稀子の手には、レジ袋をそれぞれ持っていた。

「比叡さん。稀子さんから、お野菜とお菓子をいただきました!」

 鈴音さんは俺にそう言いながら、レジ袋を見せる。

「はい! りんちゃんのお母さん!!」
「私のお父さんから、野菜のプレゼント!!」

 稀子は凉子さんに、野菜の入ったレジ袋を渡している。
 レジ袋からは、大きな白菜と大根が見えていた。

「あら、ありがとう~~。稀子ちゃん!」
「立派な白菜と大根だこと……」

 白菜と大根を見ながら言う、凉子さん。

「比叡さん。私も同じ物と後、マフィンも頂きました」
「このお菓子でお茶にしましょう!!」

 稀子も加わって、午後3時のお茶が始まる……
 その後は、4人で凉子さんが帰るまで過ごす。

 ……

 夕方、最終便のバスが近付いて来たため、凉子さんの見送りをするため、俺達はバス停に向かう。
 バスが始発に成るので、時間前だがバスは既に到着していた。

「青柳さん。鈴音!」
「私はこれで帰るけど、夫婦喧嘩をせずに頑張るんだよ!」

「結婚式に関しては私が上手にするから、あなた達は今、目の前の事をやりなさい!」

「……結婚式?」

 凉子さんの言葉で稀子が不思議がっているが、どうせ後から聞いてくるだろう。

「はい。凉子さん。今日は有り難う御座いました!」
「気を付けて帰ってください!」

「お母さん!」
「私、比叡さんと頑張ります!!」

「じゃあね!」
「稀子ちゃんも元気でねと、お野菜ありがとうね♪」

「うん!」
「鈴ちゃんのお母さん。バイバイ~~!」

 鈴音さんはバスに乗り込み、しばらくすると発車音が鳴ってバスの扉は閉まりバスは出発する。
 凉子さんを乗せたバスは、この地区から離れていった……
 1つの課題は解決できたが、新たな課題も1つ生まれた……
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