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【R-15】鈴音編 第2章
第243話 凉子さんに報告 その4
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「青柳さん。狙われるは言い過ぎですが…、先程言った様に、本家は道義に反する行為を許しません」
「もし、式を挙げる事が難しければ、青柳さんが本家に赴き、婚姻の報告が必要に成りますが……そう成りますと、本家は青柳さんと鈴音の婚姻を認めない可能性も有ります」
「本家は、青柳さんの利用価値を吟味してから、判断を下しますから」
「!!!」
「結婚を認めない!?」
「凉子さん! 本家は関係無いでしょ!!」
「俺と鈴音さんは、お互いが愛し合っているのに何故、本家の了承が必要に成るのですか!?」
「いい加減にしてくださいよ!!」
凉子さんの言葉で、俺はパニックになりかける。
けど、凉子さんは冷静に言葉を続ける。
「青柳さん…。美作はあくまで本家の分家です!」
「本家に旨みが全く無い、青柳家との縁を全力で断ち切るのが、私本来の立場です。美作の血を守るために……」
「!!!」
(凉子さん自身で……俺と鈴音さんの結婚を潰す!?)
俺は思わず、鈴音さんの方に振り向くが、鈴音さん“どうしようも無い”表情をしていた。
「実際……本家は、青柳さんと鈴音の動向を掴んでいます」
「酷な事を言いますが、本家が美作を利用する価値が、まだ有ると判断されていたら、本家の刺客に依って青柳さんは妨害工作をされ、鈴音との縁を絶ち切られて居たはずです……」
(なんで……こんな土壇場で、勝てない敵(本家)が登場するのだ!!)
「……それが起き無かったと言う事は、美作に利用価値が無いと判断した訳ですが、態々敵地に赴く必要も無いでしょう」
「鈴音さん…。凉子さんの言って居る事は事実ですか?」
「母親が、俺との結婚を妨害しているのでは有りませんか??」
「現に、山本さんと鈴音さんが、結婚前提の付き合いをしていた時、本家は妨害工作なんてしませんでしたよね!」
「暴走族元リーダーと鈴音さんとの結婚を、本家は普通許さないでしょ!!」
「……」
俺は土壇場で、鈴音さんとの仲が引き裂かれる事を恐怖に感じて、感情的に成っていた。
俺の問いに対して、鈴音さんは口を開かなかった。お母さんの言う通りだからか!?
そして、鈴音さんの代わりに凉子さんが返答を始める。
「私は、2人の仲を妨害するつもりなんて有りませんわ」
「美作が、以前の美作だった場合は別ですが……本家と美作の関係も希薄に成り、私も美作の呪縛から有る意味解放されました!」
「青柳さん。山本さんは同じ分家同士です」
「それに、山本さんは美作よりも規模が大きく、確かに跡継ぎで有る孝明さんが問題児で有りましたが、鈴音が実質更生させました」
「本家も、その部分をきちんと見ており、更に美作と山本の分家同士の結束力が高まり、本家への貢献が高まると考え、孝明さん過去の失態は目を瞑ったが正解でしょう……」
凉子さんの非現実的な会話で、俺は鈴音さんに再度確認を求めた。
江戸や明治の時代では有るまいし、権力者が下位の者を操り人形の様に扱うのは、今の時代で通用する行為では無いからだ!
「……比叡さん」
「残念ですが、お母さんの言っている事は間違っていません」
「!!」
「比叡さん。本家は……本当に敵に回すと恐ろしいです」
「以前、比叡さんにお話しした通り、本家は表の顔と裏の顔が有ります」
「表の内は良いですが、裏に変わったら、どう成るかは分かりません」
「でも、鈴音さん!」
「結婚式は、莫大なお金が掛かるのですよ!!」
「収入の見通しが付く、2~3年後ならまだしも、1年以内に式を挙げられる程の金銭は、俺と鈴音さんの手元には有りませんよ!!」
「……其処が問題ですよね。比叡さん」
「式を挙げるだけなら来年、冬季の農閑期を使うだけです」
「この地域は雪の関係で、冬季は収穫以外の行動が出来ませんからね」
「けど……挙式の費用と成ると、私と比叡さんの蓄えでは厳しい所か、絶望的です」
「此処は、両家から負担の選択肢も有りますが、それをしますと大規模な挙式にさせられます」
「それは、言うまでも有りませんよね……比叡さん」
「……本家が、難癖や過剰な要求を押し付けてくるのだろ」
「今までの凉子さんの話で、本家の嫌らしさが分かってしまったよ!」
「そうです!」
「ですので……両家の負担は極力避けて、私と比叡さんの出せる範囲内で、式を挙げる事が、一番本家を納得させやすいです…」
「誠意を見せれば、本家も納得してくれる筈です!!」
「納得と言っても、鈴音さん」
「……ホームパーティーの感じで結婚式を挙げたら、本当に本家の刺客が来て、深夜の圃場に毒物や劇物を散布されたり、家に謎の不審火が起きるだろうな…」
「……ねぇ、それ良いのでは無い!! 青柳さん!!」
「2人の結婚式は、ホームパーティーで!♪」
『ホームパーティー』の言葉に食い付いた凉子さん。
そんな事本当に実行したら美作家と青柳家は、本家の手に依って、滅亡させられるに決まっているぞ……
「もし、式を挙げる事が難しければ、青柳さんが本家に赴き、婚姻の報告が必要に成りますが……そう成りますと、本家は青柳さんと鈴音の婚姻を認めない可能性も有ります」
「本家は、青柳さんの利用価値を吟味してから、判断を下しますから」
「!!!」
「結婚を認めない!?」
「凉子さん! 本家は関係無いでしょ!!」
「俺と鈴音さんは、お互いが愛し合っているのに何故、本家の了承が必要に成るのですか!?」
「いい加減にしてくださいよ!!」
凉子さんの言葉で、俺はパニックになりかける。
けど、凉子さんは冷静に言葉を続ける。
「青柳さん…。美作はあくまで本家の分家です!」
「本家に旨みが全く無い、青柳家との縁を全力で断ち切るのが、私本来の立場です。美作の血を守るために……」
「!!!」
(凉子さん自身で……俺と鈴音さんの結婚を潰す!?)
俺は思わず、鈴音さんの方に振り向くが、鈴音さん“どうしようも無い”表情をしていた。
「実際……本家は、青柳さんと鈴音の動向を掴んでいます」
「酷な事を言いますが、本家が美作を利用する価値が、まだ有ると判断されていたら、本家の刺客に依って青柳さんは妨害工作をされ、鈴音との縁を絶ち切られて居たはずです……」
(なんで……こんな土壇場で、勝てない敵(本家)が登場するのだ!!)
「……それが起き無かったと言う事は、美作に利用価値が無いと判断した訳ですが、態々敵地に赴く必要も無いでしょう」
「鈴音さん…。凉子さんの言って居る事は事実ですか?」
「母親が、俺との結婚を妨害しているのでは有りませんか??」
「現に、山本さんと鈴音さんが、結婚前提の付き合いをしていた時、本家は妨害工作なんてしませんでしたよね!」
「暴走族元リーダーと鈴音さんとの結婚を、本家は普通許さないでしょ!!」
「……」
俺は土壇場で、鈴音さんとの仲が引き裂かれる事を恐怖に感じて、感情的に成っていた。
俺の問いに対して、鈴音さんは口を開かなかった。お母さんの言う通りだからか!?
そして、鈴音さんの代わりに凉子さんが返答を始める。
「私は、2人の仲を妨害するつもりなんて有りませんわ」
「美作が、以前の美作だった場合は別ですが……本家と美作の関係も希薄に成り、私も美作の呪縛から有る意味解放されました!」
「青柳さん。山本さんは同じ分家同士です」
「それに、山本さんは美作よりも規模が大きく、確かに跡継ぎで有る孝明さんが問題児で有りましたが、鈴音が実質更生させました」
「本家も、その部分をきちんと見ており、更に美作と山本の分家同士の結束力が高まり、本家への貢献が高まると考え、孝明さん過去の失態は目を瞑ったが正解でしょう……」
凉子さんの非現実的な会話で、俺は鈴音さんに再度確認を求めた。
江戸や明治の時代では有るまいし、権力者が下位の者を操り人形の様に扱うのは、今の時代で通用する行為では無いからだ!
「……比叡さん」
「残念ですが、お母さんの言っている事は間違っていません」
「!!」
「比叡さん。本家は……本当に敵に回すと恐ろしいです」
「以前、比叡さんにお話しした通り、本家は表の顔と裏の顔が有ります」
「表の内は良いですが、裏に変わったら、どう成るかは分かりません」
「でも、鈴音さん!」
「結婚式は、莫大なお金が掛かるのですよ!!」
「収入の見通しが付く、2~3年後ならまだしも、1年以内に式を挙げられる程の金銭は、俺と鈴音さんの手元には有りませんよ!!」
「……其処が問題ですよね。比叡さん」
「式を挙げるだけなら来年、冬季の農閑期を使うだけです」
「この地域は雪の関係で、冬季は収穫以外の行動が出来ませんからね」
「けど……挙式の費用と成ると、私と比叡さんの蓄えでは厳しい所か、絶望的です」
「此処は、両家から負担の選択肢も有りますが、それをしますと大規模な挙式にさせられます」
「それは、言うまでも有りませんよね……比叡さん」
「……本家が、難癖や過剰な要求を押し付けてくるのだろ」
「今までの凉子さんの話で、本家の嫌らしさが分かってしまったよ!」
「そうです!」
「ですので……両家の負担は極力避けて、私と比叡さんの出せる範囲内で、式を挙げる事が、一番本家を納得させやすいです…」
「誠意を見せれば、本家も納得してくれる筈です!!」
「納得と言っても、鈴音さん」
「……ホームパーティーの感じで結婚式を挙げたら、本当に本家の刺客が来て、深夜の圃場に毒物や劇物を散布されたり、家に謎の不審火が起きるだろうな…」
「……ねぇ、それ良いのでは無い!! 青柳さん!!」
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