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【R-15】鈴音編 第2章
第242話 凉子さんに報告 その3
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「有り難う御座います。凉子さん……」
「必ず、鈴音さんを幸せにします」
俺も凉子さんに深々頭を下げ……
「お母さん…」
「私の気持ちを受け入れてくれて、ありがとうございます…」
鈴音さんも涙を滲ませながら、母親に感謝の気持ちを言っていた。
「はい…。鈴音をお願いします……」
「鈴音も……幸せに成りなさい…」
これで……この話は終わったと、俺は思ったのだが、凉子さんはまだ話を続ける。
「それで……青柳さん。籍は何時入れるのですか?」
「凉子さん」
「それは早ければ明日にでも、役所に届け出を出そうと思っています!!」
「結構……急ぎなんですね。青柳さん…」
「……助成金の関係だから、仕方無いのかな…?」
凉子さんは怪訝な表情をするが、納得はしてくれている様だ。
「はい。その通りです、凉子さん」
「就農開始までまだ、時間は有るのですが、認定後に夫婦の申請を出しても受理されるとは限りませんから…」
「……そう言った事ですね」
「母親としても、娘の大学卒業まで待ってくれた、青柳さんには感謝をしていますが……」
凉子さんは腑に落ちない様だが、認めてしまった以上、言葉を押し殺している感じで有った。
「それで、青柳さん…。結婚式はどうされるおつもりですか?」
「籍だけ入れて、式は挙げない訳では無いですよね…!?」
何故か凉子さんは、遠回しに挙式を強要してきた!!
今の状態ではとても、結婚式を挙げられる金銭面や、就農の関係で時間は無いが、大まかな事だけは伝えなければ成らないだろう。
「えっと、凉子さん。結婚式ですか…!」
「その辺りは、これから鈴音さんと相談ですけど…、俺の考えとしては……正直言って、2~3年間の間は、式を挙げる余裕なんて無いと感じます」
「特に、2~3年間の生活費は、助成金と貯蓄での生活に成りますし、助成金も十分な支援とは言い切れません」
「営農の経費も助成金や貯蓄で、賄わなければ成らないからです!」
「鈴音さん…」
「急ですが、結婚式の予定は、何時が相応しいと鈴音さんは感じますか?」
俺だけの考えでは無く、鈴音さんの考えも聞く。
「……結婚式の予定ですか。比叡さん!」
「う~ん。それは、私も……比叡さんと同じ考えに成りますね」
「数年間は、お互いが修行と鍛錬と挑戦の期間です」
「結婚式を挙げて、新婚生活をする余裕は今の私達には無いです…」
「私と比叡さんは夫婦には成りますが……まだ、お母さんには成れません!」
「……!!」
(鈴音さんは、お母さんに成れない!?)
(あっ……その間、鈴音さんは子どもを望まないと言う意味か!)
(夫婦で就農する以上、子どもは我慢するしか無いか…)
俺と鈴音さんの間に子どもが出来てしまったら、夫婦で農業なんて出来なくなるから、絶対に頓挫して行政から、助成金の返還要求が生じる……
「凉子さん。その場の考えですが、これが俺と鈴音さんの考えです」
これで、凉子さんは納得してくれると感じたが……
「それは、少し不味いですね……」
「家族を作れる状況では無い事は、やむを得ないとしても、式だけは早い内に挙げて貰わないと……」
凉子さんは眉を顰めながら言う。
結婚式を挙げない事で、何か問題でも起きるのだろうか!?
「青柳さん。ご存じの通り、美作家は本家の分家です」
「分家の娘が他所の家に嫁いでも、本家との関係が、完全に断ち切れる訳では有りません」
「えっと、凉子さん…。それはどう言う意味ですか?」
此処でいきなり、本家が出て来るから俺は動揺する。
「鈴音が嫁に行った事を本家に秘匿しても、直ぐに本家は察知します」
「そして、本家は道義に反する行為を許しません!」
「別に本家から、鈴音の件の了承を貰って来いとかでは有りません」
「結婚式と言う儀式で、美作の鈴音が嫁に行ったと言う出来事を、本家に間接的に報告しなければ成りません」
「出来れば、籍を入れる前に式を行う方が良いに決まっていますが、今回はやむを得ない事情が有ると言う事を、私から言えば本家は納得します」
「けど、儀式を早めに行わないと本家は不信感を持ち始めます。本家は書面では無く儀式で、青柳さんと鈴音の婚姻を仕方無く容認するのです…」
「ですので……どんなに引き延ばしても、1年以内に式を挙げないと本家は、青柳さんを敵視する可能性が有ります…」
「敵視!?」
「結婚式を挙げないだけで、狙われるのですか!?」
籍を入れてから、1年以内に結婚式を挙げないと、本家から敵と認識される!?
『凉子。冗談も大概にしろよ!』と思う俺で有った……
「必ず、鈴音さんを幸せにします」
俺も凉子さんに深々頭を下げ……
「お母さん…」
「私の気持ちを受け入れてくれて、ありがとうございます…」
鈴音さんも涙を滲ませながら、母親に感謝の気持ちを言っていた。
「はい…。鈴音をお願いします……」
「鈴音も……幸せに成りなさい…」
これで……この話は終わったと、俺は思ったのだが、凉子さんはまだ話を続ける。
「それで……青柳さん。籍は何時入れるのですか?」
「凉子さん」
「それは早ければ明日にでも、役所に届け出を出そうと思っています!!」
「結構……急ぎなんですね。青柳さん…」
「……助成金の関係だから、仕方無いのかな…?」
凉子さんは怪訝な表情をするが、納得はしてくれている様だ。
「はい。その通りです、凉子さん」
「就農開始までまだ、時間は有るのですが、認定後に夫婦の申請を出しても受理されるとは限りませんから…」
「……そう言った事ですね」
「母親としても、娘の大学卒業まで待ってくれた、青柳さんには感謝をしていますが……」
凉子さんは腑に落ちない様だが、認めてしまった以上、言葉を押し殺している感じで有った。
「それで、青柳さん…。結婚式はどうされるおつもりですか?」
「籍だけ入れて、式は挙げない訳では無いですよね…!?」
何故か凉子さんは、遠回しに挙式を強要してきた!!
今の状態ではとても、結婚式を挙げられる金銭面や、就農の関係で時間は無いが、大まかな事だけは伝えなければ成らないだろう。
「えっと、凉子さん。結婚式ですか…!」
「その辺りは、これから鈴音さんと相談ですけど…、俺の考えとしては……正直言って、2~3年間の間は、式を挙げる余裕なんて無いと感じます」
「特に、2~3年間の生活費は、助成金と貯蓄での生活に成りますし、助成金も十分な支援とは言い切れません」
「営農の経費も助成金や貯蓄で、賄わなければ成らないからです!」
「鈴音さん…」
「急ですが、結婚式の予定は、何時が相応しいと鈴音さんは感じますか?」
俺だけの考えでは無く、鈴音さんの考えも聞く。
「……結婚式の予定ですか。比叡さん!」
「う~ん。それは、私も……比叡さんと同じ考えに成りますね」
「数年間は、お互いが修行と鍛錬と挑戦の期間です」
「結婚式を挙げて、新婚生活をする余裕は今の私達には無いです…」
「私と比叡さんは夫婦には成りますが……まだ、お母さんには成れません!」
「……!!」
(鈴音さんは、お母さんに成れない!?)
(あっ……その間、鈴音さんは子どもを望まないと言う意味か!)
(夫婦で就農する以上、子どもは我慢するしか無いか…)
俺と鈴音さんの間に子どもが出来てしまったら、夫婦で農業なんて出来なくなるから、絶対に頓挫して行政から、助成金の返還要求が生じる……
「凉子さん。その場の考えですが、これが俺と鈴音さんの考えです」
これで、凉子さんは納得してくれると感じたが……
「それは、少し不味いですね……」
「家族を作れる状況では無い事は、やむを得ないとしても、式だけは早い内に挙げて貰わないと……」
凉子さんは眉を顰めながら言う。
結婚式を挙げない事で、何か問題でも起きるのだろうか!?
「青柳さん。ご存じの通り、美作家は本家の分家です」
「分家の娘が他所の家に嫁いでも、本家との関係が、完全に断ち切れる訳では有りません」
「えっと、凉子さん…。それはどう言う意味ですか?」
此処でいきなり、本家が出て来るから俺は動揺する。
「鈴音が嫁に行った事を本家に秘匿しても、直ぐに本家は察知します」
「そして、本家は道義に反する行為を許しません!」
「別に本家から、鈴音の件の了承を貰って来いとかでは有りません」
「結婚式と言う儀式で、美作の鈴音が嫁に行ったと言う出来事を、本家に間接的に報告しなければ成りません」
「出来れば、籍を入れる前に式を行う方が良いに決まっていますが、今回はやむを得ない事情が有ると言う事を、私から言えば本家は納得します」
「けど、儀式を早めに行わないと本家は不信感を持ち始めます。本家は書面では無く儀式で、青柳さんと鈴音の婚姻を仕方無く容認するのです…」
「ですので……どんなに引き延ばしても、1年以内に式を挙げないと本家は、青柳さんを敵視する可能性が有ります…」
「敵視!?」
「結婚式を挙げないだけで、狙われるのですか!?」
籍を入れてから、1年以内に結婚式を挙げないと、本家から敵と認識される!?
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