偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第233話 稀子の家で過ごす夜

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 稀子が部屋に戻った後は、鈴音さんと2人の時間に成るが……

「比叡さん!」
「もう、私達は後戻り出来ないのです。大変で辛いでしょうが頑張りましょう!!」

 不安に成った俺を、鈴音さんが励ましてくれる。
 稀子の家でなければ、鈴音さんを抱きしめて、そのまま布団に押し倒しているだろう。

「ありがとう。鈴音さん」
「大変だけど、2人で頑張っていこう」

「はい…」

 鈴音さんは静かに頷く。
 俺は此処で、鈴音さんに相談するべき事を言う。

「鈴音さん。話が変わるけど良いかな」

「どうしましたか?」

「実は、今日の昼間…」
「真理江さん妹夫婦の男性に言われたのだけど、夫婦で助成金を貰いたいのなら、早急に籍に入るべきだと指摘されてね」
「俺としては、鈴音さんとの生活に慣れてからで良いと感じていたけど、確実に助成金が貰いたければ早急の方が良いと感じて…」

「それで……鈴音さん」
「何時、夫婦めおとに成りましょうか///」

 俺は恥ずかしそうに鈴音さんに言うけど、鈴音さんは“あっさり”とした表情をしていた!?

「夫婦ですか…?」
「お母さんが明後日こっちに来ますし、明後日にしますか」

 鈴音さんは、友達と遊ぶ約束をする感覚で言う。
 この人は、結婚する意味を理解した上で言っているのか!?

「そんな簡単に決めて良いのですか!?」
「俺達、正式な関係成るのですよ。鈴音さん!!」

 俺は焦りながら言う。
 俺のとっては嬉しいが、もっと慎重に成るべきでは無いか?

「?」
「比叡さんは、私と正式な関係を結ぶのは嫌ですか?」

 鈴音さんは『何、言っているの?』の表情をしてる。

「いっ、いえ。俺は凄く嬉しいのですけど……」

「比叡さん。農業の大変さは、私もこの間にたくさん勉強しました」
「稀子さんの地域は冬季の間、露地栽培が不向きなの事とか、この国の農業現状等の勉強もしてきました」

「夫婦で新規就農をすればその分、余分な助成金が貰えるなら、私は貰うべきだと感じました」
「特に今年、来年に関しては、農業による収入は全く当てには出来ません」
「比叡さんが今まで蓄えてくれた貯金と助成金と、私の貯蓄が私達の生活費です」

「夫婦で農業をする事に依って、助成金が余分に貰えるなら、私は比叡さんの籍に入る事は躊躇いません!!」

 目を真っ直ぐ向けて、力強く言う鈴音さん。
 鈴音さんは、俺より遙かに覚悟を決めている様で有った。

「そう言ってくれると嬉しいです。鈴音さん」
「では、明後日にでも、届けを出しに行きましょう!」

「はい…。私はそれで良いのですが、問題が有りますよね」

「比叡さんご両親の報告は、どうしますか?」
「まだ、何も言っていないのですよね…」

「その事は事後報告に成るが、落ち着いたタイミングで言うよ」
「俺はほぼ勘当状態だから、何も言われる事も無いだろうし、言われても逆ギレするだけだよ」

「……実の両親に、逆ギレはしない方が宜しいですよ。比叡さん…」

 鈴音さんは俺をたしなめる。

「大丈夫ですよ。鈴音さん」
「お互いが無関心だから、無関心で終わりますよ!」

「それで、終われば良いですけどね」

「……鈴音さん。そろそろ、休みましょうか」
「明日は、新しい住処の生活準備等、今日よりも忙しい1日に成るでしょうし」

「そうですね。比叡さん」
「明日からが、本当の生活が始まりですからね」

「鈴音さん。布団に入る前に軽くしましょう///」

「軽くですか…?」
「けど、稀子さんの家では不味いですよ///」

「鈴音さん。軽くの意味はキスですよ」
「俺だって、バカでは有りませんから!!」

「そう言う事なら。はい///」
「ここは稀子さんの家ですから、お布団を汚す訳には行けません!」

「んっ…」

 軽いキスをした後、俺と鈴音さんは布団に入る。
 本当はキス以上の行為を望むが、ごみの痕跡から“あれやこれ”が、稀子の両親にバレてしまう。

 今晩は痕跡が残らない。キスだけで留める。
 明日から、嫌と言う程出来るように成るのだから。鈴音さんが望めばの話だが……
 俺は今後の生活や、新しい家族の事も考えながら眠りに就いた。
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