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【R-15】鈴音編 第2章
第223話 彼女の決意と島流し
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「……鈴音さん。お気遣い有り難う御座います」
「確かに一人暮らしに成るかも知れませんが、直ぐ近所に妹夫婦が住んでいますし、私はこの町が気に入っています」
「夫が残して行ってくれたお金で生活は十分に出来ますし、そのお金が尽きる前に遺族年金等の社会保障も受けられます」
「体も健康体ですし、鈴音さんに心配される程では有りません!」
「お母様……」
真理江さんは鈴音さんに向けて、張りの有る声で言う。
『私の心身に問題は無い』と、言いたい様な気持ちも加わっていた。
「鈴音さん…。私を気遣ってくれて凄く嬉しいですが、青柳さんの事も気遣って上げてください」
「青柳さんはあなたの事を思って、将来を設計しているのです」
「九尾でも時期が来れば……就農の機会は訪れると思いますが、今有る機会を見す見す逃す事は有りません」
「就農は大変でしょうが、青柳さんと支え合って、家族と農業を営んでください」
「……」
真理江さんの言葉で、静かに涙を流し始める鈴音さん。
鈴音さんがさっき大声を上げた事により、稀子も居間に乱入して来て、今は一緒に居る。
稀子は鈴音さんの元に、そっと寄り添いに行き、鈴音さんの涙をハンカチで拭いている。
俺はその場面を静かに見ていると、真理江さんが話し掛けてくる。
「青柳さん」
「はい!」
「就農の実現まで、まだかなりの時間が有りますけど、その間にしっかりと今の法人先で学んで、知識と腕を確実に持ってから就農してください」
「真理江さん」
「激励、有り難う御座います」
まだまだ、先の話だが、俺の就農が実現出来そうで有った。
鈴音さんの本心はまだ聞いて無いが、見る感じでは受け入れている感じでも有った。
真理江さんの後、今度は稀子が声を掛けてくる。
「比叡君!」
「じゃあ、その話を進めておくけど……近い内に私と鈴ちゃん・比叡君と一緒に、私の地区に行こうか?」
「契約とかはまだ先だけど、現地を見て貰ったり、細かい事の説明も有るから!」
「あぁ……そうだね!」
「けど、稀子…。来年の農閑期位にしか、時間が取れないと思うけど」
「……農閑期でも良いけど、私の所は雪が結構積もるからね」
「私の地区の雪景色を見て貰っても良いけど、農地の説明はしにくいな…」
「あ~~、稀子の所は雪が積もると言っていたな…」
「そうすると……来年の夏付近まで行けそうでも無いな」
「そうなるね!」
「春から梅雨入りまでは忙しいからね。まぁ、良いや!!」
「その辺は、お父さんと相談するよ!」
俺と稀子との話が終わった頃、鈴音さんも落ち着いてきたのか俺に話し掛ける。
「比叡さん……。未熟者ですが、宜しくお願いします…」
座りながらだが、頭を”ぺこり”と下げる鈴音さん!
鈴音さんが俺と農業を営んで行く、決意の言葉を発した時で有った!!
これで、やっと……ドラマの様に進んできた展開も、終わりなのかも知れない。
……
…
・
時が流れて……
2回目の刑期を終えた山本さんは出所直後、本家に身柄を拘束されて、南取島への島流しが決行された。
あの山本さんの身柄をどうやって拘束したのかは不明だが『島流しは完了した』と、真理江さんに本家から連絡が有った。
あの人の、これからの人生は南取島で、残りの人生を過ごす事に成る。
真理江さんや鈴音さん宛に来る、本家が作成した定期報告によると、山本さんは特に暴れる気配は無く、大人しくリゾート地(?)での生活をしている様で有った。
年間を通して温暖な気候で有るため、アウトドアも楽しみ、軟禁生活を満喫しているらしい!?
本家も、山本さんの心理状態を探るために、定期的にカウンセリングを行っており、軟禁直後は暴言を吐いたり、心理状態が不安定で有ったが、薬の投薬や心理療法によって、山本さんの心理状態は大分安定してきたと報告されている。
俺に対する恨み言を言う回数も、日に日に減っては居るらしいが、これで落ち着いてくれるのだろうか?
真理江さんと本家との、山本孝明島流し締結内容は生涯軟禁と成っているが、台風の襲来が多い地域のため、生涯軟禁が出来るかは定かでは無い。
本家は多額の見返りを要求し、それを真理江さんが支払ったのだから、どうにかしろと言いたいが真相は不明で有る。
それまでの間に、真の更生を本当に願うしか無い……
山本さんの問題は、一応解決の方向に進んでおり残りは、いよいよ俺の番で有った。
「確かに一人暮らしに成るかも知れませんが、直ぐ近所に妹夫婦が住んでいますし、私はこの町が気に入っています」
「夫が残して行ってくれたお金で生活は十分に出来ますし、そのお金が尽きる前に遺族年金等の社会保障も受けられます」
「体も健康体ですし、鈴音さんに心配される程では有りません!」
「お母様……」
真理江さんは鈴音さんに向けて、張りの有る声で言う。
『私の心身に問題は無い』と、言いたい様な気持ちも加わっていた。
「鈴音さん…。私を気遣ってくれて凄く嬉しいですが、青柳さんの事も気遣って上げてください」
「青柳さんはあなたの事を思って、将来を設計しているのです」
「九尾でも時期が来れば……就農の機会は訪れると思いますが、今有る機会を見す見す逃す事は有りません」
「就農は大変でしょうが、青柳さんと支え合って、家族と農業を営んでください」
「……」
真理江さんの言葉で、静かに涙を流し始める鈴音さん。
鈴音さんがさっき大声を上げた事により、稀子も居間に乱入して来て、今は一緒に居る。
稀子は鈴音さんの元に、そっと寄り添いに行き、鈴音さんの涙をハンカチで拭いている。
俺はその場面を静かに見ていると、真理江さんが話し掛けてくる。
「青柳さん」
「はい!」
「就農の実現まで、まだかなりの時間が有りますけど、その間にしっかりと今の法人先で学んで、知識と腕を確実に持ってから就農してください」
「真理江さん」
「激励、有り難う御座います」
まだまだ、先の話だが、俺の就農が実現出来そうで有った。
鈴音さんの本心はまだ聞いて無いが、見る感じでは受け入れている感じでも有った。
真理江さんの後、今度は稀子が声を掛けてくる。
「比叡君!」
「じゃあ、その話を進めておくけど……近い内に私と鈴ちゃん・比叡君と一緒に、私の地区に行こうか?」
「契約とかはまだ先だけど、現地を見て貰ったり、細かい事の説明も有るから!」
「あぁ……そうだね!」
「けど、稀子…。来年の農閑期位にしか、時間が取れないと思うけど」
「……農閑期でも良いけど、私の所は雪が結構積もるからね」
「私の地区の雪景色を見て貰っても良いけど、農地の説明はしにくいな…」
「あ~~、稀子の所は雪が積もると言っていたな…」
「そうすると……来年の夏付近まで行けそうでも無いな」
「そうなるね!」
「春から梅雨入りまでは忙しいからね。まぁ、良いや!!」
「その辺は、お父さんと相談するよ!」
俺と稀子との話が終わった頃、鈴音さんも落ち着いてきたのか俺に話し掛ける。
「比叡さん……。未熟者ですが、宜しくお願いします…」
座りながらだが、頭を”ぺこり”と下げる鈴音さん!
鈴音さんが俺と農業を営んで行く、決意の言葉を発した時で有った!!
これで、やっと……ドラマの様に進んできた展開も、終わりなのかも知れない。
……
…
・
時が流れて……
2回目の刑期を終えた山本さんは出所直後、本家に身柄を拘束されて、南取島への島流しが決行された。
あの山本さんの身柄をどうやって拘束したのかは不明だが『島流しは完了した』と、真理江さんに本家から連絡が有った。
あの人の、これからの人生は南取島で、残りの人生を過ごす事に成る。
真理江さんや鈴音さん宛に来る、本家が作成した定期報告によると、山本さんは特に暴れる気配は無く、大人しくリゾート地(?)での生活をしている様で有った。
年間を通して温暖な気候で有るため、アウトドアも楽しみ、軟禁生活を満喫しているらしい!?
本家も、山本さんの心理状態を探るために、定期的にカウンセリングを行っており、軟禁直後は暴言を吐いたり、心理状態が不安定で有ったが、薬の投薬や心理療法によって、山本さんの心理状態は大分安定してきたと報告されている。
俺に対する恨み言を言う回数も、日に日に減っては居るらしいが、これで落ち着いてくれるのだろうか?
真理江さんと本家との、山本孝明島流し締結内容は生涯軟禁と成っているが、台風の襲来が多い地域のため、生涯軟禁が出来るかは定かでは無い。
本家は多額の見返りを要求し、それを真理江さんが支払ったのだから、どうにかしろと言いたいが真相は不明で有る。
それまでの間に、真の更生を本当に願うしか無い……
山本さんの問題は、一応解決の方向に進んでおり残りは、いよいよ俺の番で有った。
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