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【R-15】鈴音編 第2章
第221話 稀子の提案 その2
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「……確かに、鈴音さんには聞かれたくは無い話だな」
「鈴音さんの中では、未だに決めかねている様だし……」
俺が就農の話を封印しているのも有るが、鈴音さんもその辺の事を話し出そうとはしない。
稀子の地区で農地を借りられる事に成っても、農地面積が少なければ兼業農家に成るしか無いし、農地が十分に借りられたとしても、俺の現段階で専業農家に成るのは無謀すぎる。
「稀子。それで、誰が俺に農地を貸してくれるのだ?」
「稀子の親戚の人か?」
「その人はね……私のお父さん」
「お父さん!?」
「稀子の父親が、俺に農地を貸してくれるの!?」
「けど、そんな事をしたら稀子の家は生活出来ないだろ!!」
普通、農地を借りられる機会が発生するのは、農地を保有している人が高齢に成り、農作業が出来にくく成るか、農地管理や手間の関係で、農地の一部を他人に貸し出す時が有るが、今回のケースは後者に成るだろう。
「私の家、これでも専業(農家)なんだ」
「私の両親と祖母の3人で農業をしているけど、祖母の方がそろそろ引退を考えて居るそうなの」
「両親だけでも出来ない事は無いけど、1人でも手が抜けると負担が大きくなる」
「それで……比叡君に、家の農地の一部を借りて貰おうかの話に成って」
「……専業だから俺が借りても、稀子の家には影響が無い位農地が有る訳か」
「あの時話した時は、稀子の家では無理な事を言っていたよね…?」
「うん。あの時はおばあちゃんが、引退を考えて居る事は知らなかったから」
「お盆で実家に帰った時に、その話をお父さん達から初めて聞いたから」
(稀子が最近、部屋に籠もりがちだったのは、両親と連絡を密かに取っていたのか)
(俺と鈴音さんに気付かれない様に……)
「どうする、比叡君…」
「私の地区に成るけど、就農したい?」
「稀子。それはしたいけど……俺はまだ半人前だ」
「助成金等は申請すれば良いが、現金は心許ないし、農作業スキルが全く未熟だ」
「凄いね! 比叡君!!」
「自己分析出来ているんだ!!」
何故か、驚いて言う稀子。
農業は簡単と思う人も居るが、農業は本当に奥が深い。
経営のセンスや土木作業等の職人スキルも求められるし、販売も手がけたければ営業のノウハウも必要に成ってくる。
農地さえ有れば、バラ色の人生が待っている訳では無い。
「まぁ、比叡君が就農したいと言っても、実は条件が有るのだけどね」
稀子は真面目な表情に成って言う。
「条件か…。当然有るよね」
「稀子がどの様に俺を説明したかは分からないが、稀子の親友だからと言って、ポンと貸す人は只の間抜けだからな!」
「じゃあ、比叡君。大まかな条件だけ言うね」
「1つ目は、今の農業法人で最低、3年間以上は勤めること。今の所でだよ!」
「これは……比叡君を即戦力で使いたいのと、鈴ちゃんの大学卒業に合わせてそうした」
「2つ目は、比叡君に貸す農地期間は10年」
「10年後に更新するかしないかは、その時の状況次第。この辺りも勉強したんだよね?」
「農地面積とか、地区の推奨作物とかの細かい事は後日言う」
「3つ目は、農業次世代人材投資資金の経営開始型を申請すること。この辺も比叡君も知っているよね」
「4つ目は、鈴ちゃんと一緒に夫婦で農業をして、私の地区に移住して……出来れば後継者を作る事//////」
4つ目の最後の言葉は、恥ずかしそうに言う稀子!
2つ目から3つ目は職業訓練の座学で習ったから、おおよそ理解出来るが、3つ目は鈴音さんの力がどうしても必要で有る。後継者は……問題ないだろう!?
「農業機械は家のを無料で貸し出すし、細かい所も両親がサポートしてくれる」
「これが絶対条件だけど…、比叡君は受け入れてくれる?」
「鈴音さん以外は問題ないけど、問題は鈴音さんだ…」
「後……稀子は、大学卒業後どうするのだ?」
「稀子も俺達と言うか、実家に戻るのか??」
「あ~~、私の卒業後?」
「私も両親のお手伝いをしても良いけど、今の大学は農業に関連性が無い学部だからな」
「地元の企業に就職しても良いけど……お仕事先がね」
「うん…」
「鈴ちゃんだね。鈴ちゃんを説得出来れば、比叡君の夢が叶う!」
稀子は力強く言う。
稀子の大学後の進路は、現段階では決まって無さそうで有るが、山間の地区だと働ける場所も限られてくる。
「……稀子の家には良く遊びに行っていたそうだから、鈴音さんも素直に受け入れるかも知れないな」
「何時もの鈴ちゃんならそう成るだろうけど……今の鈴ちゃんは私でも分からない」
「丁度、明日は休日だし、明日の午前中、鈴音さんに理解を求めるよ」
「そうだね…。私が居るとややこしく成るから居ない方が良いね」
そう言う稀子。
稀子の父親が出した条件は、一般的な条件で有った。
職業訓練での予備知識が有るから億劫には成らないが、後は鈴音さんをどう説得させるか……
疲れを癒やす休日では無く成りそうで有った……
「鈴音さんの中では、未だに決めかねている様だし……」
俺が就農の話を封印しているのも有るが、鈴音さんもその辺の事を話し出そうとはしない。
稀子の地区で農地を借りられる事に成っても、農地面積が少なければ兼業農家に成るしか無いし、農地が十分に借りられたとしても、俺の現段階で専業農家に成るのは無謀すぎる。
「稀子。それで、誰が俺に農地を貸してくれるのだ?」
「稀子の親戚の人か?」
「その人はね……私のお父さん」
「お父さん!?」
「稀子の父親が、俺に農地を貸してくれるの!?」
「けど、そんな事をしたら稀子の家は生活出来ないだろ!!」
普通、農地を借りられる機会が発生するのは、農地を保有している人が高齢に成り、農作業が出来にくく成るか、農地管理や手間の関係で、農地の一部を他人に貸し出す時が有るが、今回のケースは後者に成るだろう。
「私の家、これでも専業(農家)なんだ」
「私の両親と祖母の3人で農業をしているけど、祖母の方がそろそろ引退を考えて居るそうなの」
「両親だけでも出来ない事は無いけど、1人でも手が抜けると負担が大きくなる」
「それで……比叡君に、家の農地の一部を借りて貰おうかの話に成って」
「……専業だから俺が借りても、稀子の家には影響が無い位農地が有る訳か」
「あの時話した時は、稀子の家では無理な事を言っていたよね…?」
「うん。あの時はおばあちゃんが、引退を考えて居る事は知らなかったから」
「お盆で実家に帰った時に、その話をお父さん達から初めて聞いたから」
(稀子が最近、部屋に籠もりがちだったのは、両親と連絡を密かに取っていたのか)
(俺と鈴音さんに気付かれない様に……)
「どうする、比叡君…」
「私の地区に成るけど、就農したい?」
「稀子。それはしたいけど……俺はまだ半人前だ」
「助成金等は申請すれば良いが、現金は心許ないし、農作業スキルが全く未熟だ」
「凄いね! 比叡君!!」
「自己分析出来ているんだ!!」
何故か、驚いて言う稀子。
農業は簡単と思う人も居るが、農業は本当に奥が深い。
経営のセンスや土木作業等の職人スキルも求められるし、販売も手がけたければ営業のノウハウも必要に成ってくる。
農地さえ有れば、バラ色の人生が待っている訳では無い。
「まぁ、比叡君が就農したいと言っても、実は条件が有るのだけどね」
稀子は真面目な表情に成って言う。
「条件か…。当然有るよね」
「稀子がどの様に俺を説明したかは分からないが、稀子の親友だからと言って、ポンと貸す人は只の間抜けだからな!」
「じゃあ、比叡君。大まかな条件だけ言うね」
「1つ目は、今の農業法人で最低、3年間以上は勤めること。今の所でだよ!」
「これは……比叡君を即戦力で使いたいのと、鈴ちゃんの大学卒業に合わせてそうした」
「2つ目は、比叡君に貸す農地期間は10年」
「10年後に更新するかしないかは、その時の状況次第。この辺りも勉強したんだよね?」
「農地面積とか、地区の推奨作物とかの細かい事は後日言う」
「3つ目は、農業次世代人材投資資金の経営開始型を申請すること。この辺も比叡君も知っているよね」
「4つ目は、鈴ちゃんと一緒に夫婦で農業をして、私の地区に移住して……出来れば後継者を作る事//////」
4つ目の最後の言葉は、恥ずかしそうに言う稀子!
2つ目から3つ目は職業訓練の座学で習ったから、おおよそ理解出来るが、3つ目は鈴音さんの力がどうしても必要で有る。後継者は……問題ないだろう!?
「農業機械は家のを無料で貸し出すし、細かい所も両親がサポートしてくれる」
「これが絶対条件だけど…、比叡君は受け入れてくれる?」
「鈴音さん以外は問題ないけど、問題は鈴音さんだ…」
「後……稀子は、大学卒業後どうするのだ?」
「稀子も俺達と言うか、実家に戻るのか??」
「あ~~、私の卒業後?」
「私も両親のお手伝いをしても良いけど、今の大学は農業に関連性が無い学部だからな」
「地元の企業に就職しても良いけど……お仕事先がね」
「うん…」
「鈴ちゃんだね。鈴ちゃんを説得出来れば、比叡君の夢が叶う!」
稀子は力強く言う。
稀子の大学後の進路は、現段階では決まって無さそうで有るが、山間の地区だと働ける場所も限られてくる。
「……稀子の家には良く遊びに行っていたそうだから、鈴音さんも素直に受け入れるかも知れないな」
「何時もの鈴ちゃんならそう成るだろうけど……今の鈴ちゃんは私でも分からない」
「丁度、明日は休日だし、明日の午前中、鈴音さんに理解を求めるよ」
「そうだね…。私が居るとややこしく成るから居ない方が良いね」
そう言う稀子。
稀子の父親が出した条件は、一般的な条件で有った。
職業訓練での予備知識が有るから億劫には成らないが、後は鈴音さんをどう説得させるか……
疲れを癒やす休日では無く成りそうで有った……
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