218 / 434
【R-15】鈴音編 第2章
第216話 どれが彼女の本音!? その1
しおりを挟む
「……普通の生活?」
「鈴ちゃん! 急にどうしたの!?」
「今まで、そんな事なんて言った事無いのに!!」
稀子も鈴音さんの発言で驚いている。
俺だって、驚いた……
「2人共黙っていて、ごめんなさい……」
「孝明さんが交通事故を起こして加害者に成り、更にお父さんの事件が有ってから、色々と考える様に成ったのです…」
「私が比叡さんを選ばなければ、意気盛んな美作家の鈴音で生活して居るでしょう」
「孝明さんの理不尽な内容を受け入れて、我慢しながらの生活をしている筈ですが、政略結婚のイベントは起きません……孝明さんが居ますから」
「今の私は比叡さんを選んだ事により、庶民の美作家に成ってしまいました」
「お母さんの話を聞きますと…、本家との関係は形式上だけと成り、季節の行事事からの誘いは無く成ったそうです」
「お母さんは少し残念がっていましたが…、私はそれで良いと感じました!」
「分家でも力を失った美作家は、本家から疎遠に成り、そのまま普通の生活が出来るのかなと感じましたが……孝明さんが復讐に来ました」
「今回は、山本のお母様からの依頼ですから、私は直接の関係は有りませんが、間接的に本家から恩を売られてしまいます」
「本家は先ほど言った様に厄介な存在です。味方の内は良いですが、敵に回すと何をされるかは分かりません」
「比叡さんと結婚をすれば私は青柳鈴音と成り、美作家の一員では無く成ります」
「お母さんには悪いですが、私はこの生活に疲れました……」
鈴音さんは、うなだれながら言う。
鈴音さんも色々悩んでいただろうが、そんな風に考えていたとは……
(これって、俺は当て馬…!?)
(でも……鈴音さん俺の事が好きだし性行為もした)
(それに俺も鈴音さんは大好きだが、何故か引っ掛かりまくる!?)
「……鈴ちゃんの言っている事は、間違っては無さそうに聞こえるけど、鈴ちゃんらしくない発言だね!!」
「さっきの鈴ちゃんの言葉は、独り善がりに聞こえてしまった……」
まだ、稀子の頭は冴えている様だ。
俺も黙って聞いていたが、少し自分勝手過ぎる。
やはり……お嬢様気質だから、お嬢様の本性が此処で出て来たか!
「鈴音さん…」
「鈴音さんの考えは俺の嫁と成り、美作家を捨てて俺と生活をして行くで良いのですか…?」
「はい…。その方が比叡さんにも絶対良いと感じます!」
「下手に婿に成って、本家・分家の関係を続けるより、遠縁の関係の方が遙かに気楽です!!」
「それは、そうですよね。鈴音さん…」
「結婚式の時に本家の人間とは顔を合わすだろうが、それ以外は青柳家と美作家の関係だろうし、その方がメリット大きい訳か」
鈴音さんは母親を裏切る流れに成りそうだが、俺も本家の正体を知ってしまったら、積極的な関係を構築したいとは思わない。
最初は自分勝手な案に聞こえたが、却ってこの案の方が良いかも知れない。
しかし、俺には問題が1つだけ有る……
「鈴音さん。俺は今、農業法人で働いていますが、将来的には自立も考えています」
「鈴音さんの婿に成れば、土地等を本家の力で借りられますが、そうで無ければ行政の力を頼って就農する流れに成ります……」
「そうなると、都市部近郊での就農は難しくなり、どうしても地方に成りますし、農業は1人で出来る物では有りません!」
「鈴音さんに以前協力を申した時は、難色を示しましたが、今度こそは協力してくれますか…?」
「!!」
「……」
鈴音さんに協力を申し出るが、鈴音さんは返事をしない。
其処まで、鈴音さんは考えては居なかったのだろう……
最後の最後で暗礁に乗り上げてしまった……
「比叡君……」
鈴音さんが無言で考えて居る間、稀子が話し掛けてくる。
「どうした、稀子…」
「比叡君のさっきの言葉本気?」
稀子は真剣な表情で聞いてくる。
「就農の事…?」
「うん…。稀子が以前言った通り、今は修行だと思っているから」
「鈴音さんの婿に成ったら、美作家の今後も有るから就農は非現実的に成るが、嫁に成ったら確実な方法で、家庭を守って行かなければ成らない」
「そうすると、俺には就農の道しか無い」
「比叡君の中では『農業で覚悟を決めて進んで行く』と、受け止めれば良いのだね!」
何故か、急に笑顔に成って話す稀子?
「よし♪」
「比叡君が本気なら、私も協力するよ♪」
「協力?」
「鈴音さんを説得する協力??」
「それも有るけど……私の実家忘れたの? 比叡君……」
「あっ……」
稀子の言葉で思い出す、稀子の実家を……
「鈴ちゃん! 急にどうしたの!?」
「今まで、そんな事なんて言った事無いのに!!」
稀子も鈴音さんの発言で驚いている。
俺だって、驚いた……
「2人共黙っていて、ごめんなさい……」
「孝明さんが交通事故を起こして加害者に成り、更にお父さんの事件が有ってから、色々と考える様に成ったのです…」
「私が比叡さんを選ばなければ、意気盛んな美作家の鈴音で生活して居るでしょう」
「孝明さんの理不尽な内容を受け入れて、我慢しながらの生活をしている筈ですが、政略結婚のイベントは起きません……孝明さんが居ますから」
「今の私は比叡さんを選んだ事により、庶民の美作家に成ってしまいました」
「お母さんの話を聞きますと…、本家との関係は形式上だけと成り、季節の行事事からの誘いは無く成ったそうです」
「お母さんは少し残念がっていましたが…、私はそれで良いと感じました!」
「分家でも力を失った美作家は、本家から疎遠に成り、そのまま普通の生活が出来るのかなと感じましたが……孝明さんが復讐に来ました」
「今回は、山本のお母様からの依頼ですから、私は直接の関係は有りませんが、間接的に本家から恩を売られてしまいます」
「本家は先ほど言った様に厄介な存在です。味方の内は良いですが、敵に回すと何をされるかは分かりません」
「比叡さんと結婚をすれば私は青柳鈴音と成り、美作家の一員では無く成ります」
「お母さんには悪いですが、私はこの生活に疲れました……」
鈴音さんは、うなだれながら言う。
鈴音さんも色々悩んでいただろうが、そんな風に考えていたとは……
(これって、俺は当て馬…!?)
(でも……鈴音さん俺の事が好きだし性行為もした)
(それに俺も鈴音さんは大好きだが、何故か引っ掛かりまくる!?)
「……鈴ちゃんの言っている事は、間違っては無さそうに聞こえるけど、鈴ちゃんらしくない発言だね!!」
「さっきの鈴ちゃんの言葉は、独り善がりに聞こえてしまった……」
まだ、稀子の頭は冴えている様だ。
俺も黙って聞いていたが、少し自分勝手過ぎる。
やはり……お嬢様気質だから、お嬢様の本性が此処で出て来たか!
「鈴音さん…」
「鈴音さんの考えは俺の嫁と成り、美作家を捨てて俺と生活をして行くで良いのですか…?」
「はい…。その方が比叡さんにも絶対良いと感じます!」
「下手に婿に成って、本家・分家の関係を続けるより、遠縁の関係の方が遙かに気楽です!!」
「それは、そうですよね。鈴音さん…」
「結婚式の時に本家の人間とは顔を合わすだろうが、それ以外は青柳家と美作家の関係だろうし、その方がメリット大きい訳か」
鈴音さんは母親を裏切る流れに成りそうだが、俺も本家の正体を知ってしまったら、積極的な関係を構築したいとは思わない。
最初は自分勝手な案に聞こえたが、却ってこの案の方が良いかも知れない。
しかし、俺には問題が1つだけ有る……
「鈴音さん。俺は今、農業法人で働いていますが、将来的には自立も考えています」
「鈴音さんの婿に成れば、土地等を本家の力で借りられますが、そうで無ければ行政の力を頼って就農する流れに成ります……」
「そうなると、都市部近郊での就農は難しくなり、どうしても地方に成りますし、農業は1人で出来る物では有りません!」
「鈴音さんに以前協力を申した時は、難色を示しましたが、今度こそは協力してくれますか…?」
「!!」
「……」
鈴音さんに協力を申し出るが、鈴音さんは返事をしない。
其処まで、鈴音さんは考えては居なかったのだろう……
最後の最後で暗礁に乗り上げてしまった……
「比叡君……」
鈴音さんが無言で考えて居る間、稀子が話し掛けてくる。
「どうした、稀子…」
「比叡君のさっきの言葉本気?」
稀子は真剣な表情で聞いてくる。
「就農の事…?」
「うん…。稀子が以前言った通り、今は修行だと思っているから」
「鈴音さんの婿に成ったら、美作家の今後も有るから就農は非現実的に成るが、嫁に成ったら確実な方法で、家庭を守って行かなければ成らない」
「そうすると、俺には就農の道しか無い」
「比叡君の中では『農業で覚悟を決めて進んで行く』と、受け止めれば良いのだね!」
何故か、急に笑顔に成って話す稀子?
「よし♪」
「比叡君が本気なら、私も協力するよ♪」
「協力?」
「鈴音さんを説得する協力??」
「それも有るけど……私の実家忘れたの? 比叡君……」
「あっ……」
稀子の言葉で思い出す、稀子の実家を……
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる