偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第209話 今後の対策!? その4

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「稀子……」
「ちなみに戦う選択肢を採った場合の…、プラン見たいのは有るのか?」

「えっ!?」
「そんなの有る訳無いじゃん!!」

「それはこれから考えるのだよ。比叡君!」

 稀子はそう言う。
 只の思いつきか……

「比叡さん。稀子さん」
「この話はお母様を交えて、きちんと話し合いをしましょう」
「話の展開にも依りますが、みなさんの親の力も必要になるかも知れません」

「あ~~、たしかに!」
「私達の力では無理すぎるよね!!」

 鈴音さんの言葉で、稀子はそう言うが……

(俺の親は、当てに出来ないがな……)
(鈴音さんの事だってまだ紹介もしていないし、この町に引っ越した事も連絡していない)

(普通の親なら、近況を聞いてくる者だが俺の親はそれが一切無い)
(俺が波津音市はずねしに強行(引っ越し)した時に、お互いがほぼ縁を切った状態でも有るからな)

(これを機会に、俺は親子の関係を修復させるべきか)
(けど……人の人生を指図する親となんか、関係を修復させたいとは思わない)
(俺が早期に自立したのも、元々は親が原因だ……)

「比叡さん…?」
「急に悩んだ表情をし始めまして、どうしましたか?」

「あっ、いや、気にしないで///」
「少し…過去を思い出しただけだから」

「……そうですか」

「けど…、私達はこれからどうなるかね~~」
「私はりんちゃんや比叡君とは、離れ離れには成りたくは無いけど~~」

「稀子。俺だって、バラバラになるのは避けたいよ!」
「ねぇ、鈴音さん!」

「……はい。そうですね」
「色々な事が起きて、今の私達が有ります」
「いずれは離れてしまう者ですが…、時期がまだ早すぎます」

「……」

「……」

「……」

 みんな、次の言葉が出て来ないのだろう。
 静粛の時間が訪れる。

(何か、良い方法は無いかな)
(みんなが仲良く暮らせて且つ、山本さんに襲われない方法が……)

 俺は頭の中で考え始めようとした時に……

「みなさん!」
「お待たせしてしまい、申し訳有りません!!」

 話か事情聴取を終えた、真理江さんがロビーに戻って来た。
 表情は特に泣いている訳でも無く、普通の表情に見えるが……

「……細かい話は、家に戻ってからにしましょう」
「此処で話すのは気が引けます…」

 真理江さんはそう言って、玄関の方に歩き出す!
 俺達は顔を見合わせて、慌てて真理江さんの後を追い掛けた……

 ……

 真理江さんの家に戻る間、会話らしい会話は無かった。
 鈴音さんが真理江さんに話し掛けても上の空だし、何とも言えない空気が俺達を覆っていた。

 今日の晩ご飯の担当は稀子では有るが、真理江さんの家に戻るのはほぼ夜の時間帯に成るだろう。
 大体15時前に山本さんに襲われて、現場から警察署に移動して、其処で取調べを受けて、真理江さんも警察から事情を聞かれて、警察署を出たのが夕方で有るからだ。
 稀子が今晩、何を作るのかは聞いては無いが、こんな状態でも稀子は晩ご飯を作るのだろうか?

 どうにか真理江さんの家に到着して、玄関で履き物を脱いだ所で……

「鈴音さん…。今から話をよろしいですか?」
「今後の事を色々と……」

「はい…。私は大丈夫ですが……」

 真理江さんは鈴音さんと話をする様だが、何故か俺には声が掛らない?

「では。早速、居間で話をしましょう!」

「はい…」

 鈴音さんも俺には断りを入れずに、真理江さんと居間に向かってしまう。
 玄関に取り残される、俺と稀子……

「おばさん…。真剣な表情をしていたね」

 稀子は呟く様に言う。

「真剣にも成るさ…。息子が再犯を犯したのだから」
「けど……何で、俺も交えないのだ!?」
「俺も当事者なのに……」

 俺は稀子に、愚痴をこぼす様に言うが……

「だって、比叡君…。鈴ちゃんとは恋人関係だけど、親戚関係には成ってはいない」
「山本さんの話は、比叡君には勿論関係有るけど親戚同士の話は、比叡君は部外者に成ってしまう」

「……それは、稀子の言う通りだけど、俺だって此から親戚関係に成るのだし」

「比叡君」
「私の予想だけど、鈴ちゃんとおばさん次第では、本家と言うのが真剣に動くのでは無い?」
「本家にお願い事が出来るのは比叡君では無く、鈴ちゃんとからしか言えないから」

「けど……」

 俺はそれ以上、稀子には言えなかった。俺はまだ、鈴音さんとは婚姻はしていない。
 山本さんの今後の対応はあくまで、真理江さんとそれを含む親族の問題だ。
 疎外感を感じるが、今の状態ではどうしようも無かった……
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