偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
203 / 434
【R-15】鈴音編 第2章

第201話 嫌な予感…… その1

しおりを挟む
 その日の晩ご飯の時間……
 中盤の所で……稀子は有る事を言う。

「ねぇ、みんな。少し聞いて欲しいの!」
「最近…。誰かに付けられて居る気がするんだよね」

 稀子は、いきなりそう言う。稀子を狙うストーカー!?
 最近の稀子は俺と鈴音さんに遠慮して、1人で行動する時も多くは成ったが、大学等は2人一緒での行動で有った。

「稀子を狙うストーカー何て居るんか!?」
「気のせいでは無いの…?」

 俺は冗談を交えながら言うと……

「う~ん」
「冗談では無いのだな…。比叡君」
「此処2~3日が、特に気に成った……」

 稀子は神妙な顔付きで言う。
 これは…、冗談では無さそうだな。

「稀子さん…」
「何か、具体的な被害は出ていますか?」

 鈴音さんは稀子に聞くと……

りんちゃん。別に被害と言う物は出ていないよ……」
「只……視線を感じるだけ。だけどその視線が、誰かを恨んでいる視線なんだよね」

 誰かを恨んでいる視線!?
 稀子の性格は好き嫌いも有る筈だが、敵を生むまでは無い筈だ。

「なぁ、稀子…」
「それって、普通に稀子に恋心を抱いている人では無いのか?」
「稀子に敵意を剥く人なんて居ないだろう?」

 稀子は子どもっぽい所が有るが、顔立ちは悪くないし、稀子の様な子が好きな人も有る程度は居る筈だ。

「それが…、大学内と言うより、この近所で気に成るんだよね…」
「監視されて居る様な……。もう、怪しい人としか感じないよ!」

「あ~~、本当にストーカーさんかも知れないですね!」
「警察に相談した方が良いかもですね……」

 鈴音さんはそう言う。
 稀子に被害が出ていない内に、警察に相談だけはした方が良いに決まっている。

「けど……被害が出ていないなら、警察に相談してもそれだけでしょうね…」

 鈴音さんがそう言うと……

「鈴音さん、稀子さん」
「私から明日にでも、町内会長に報告してみるよ」
「こんな静かな町でストーカー騒ぎが起こるなんて、絶対によそ者に決まっているからね!」
「そして、自警団の編成もお願いしてみるよ!」

 真理江さんは、鈴音さんと稀子にそう言う。
 この地域の町内会は都市部の町内会と比べれば、権力も強いし団結力も有る。
 もしかしたら、夜回り等も期待出来るかも知れない。

「後、稀子さん……」
「もし、怪しい人に話し掛けられても、返事はしては駄目ですからね」
「明日から、防犯ブザーを持って行動してください!」

「え~~、おばさん!」
「この年に成って、防犯ブザーを持ち歩くの!?」
「私は、大学生だよ!?」

 稀子は真理江さんに反発する。

「無いよりはマシですよ。稀子さん…」
「防犯ブザーを鳴らせば、民家の少ない場所でも、その音で助けに来てくれるかも知れません…」
「身を守るには最適な方法です!」

「そうだけど……おばさん」
「これじゃあ、私は小学生だよ///」

 稀子は口を尖らせて言うが……ストーカーにとっては、稀子は狙いやすい相手かも知れない!?
 稀子は明日から、防犯ブザーを持って行動する事に成りそうで有った。

「鈴音さんの方は大丈夫ですか?」

 稀子がストーカーに逢う位何だから、鈴音さんの方がもっと危険で有るからで有る。

「私ですか…?」
「私は大丈夫ですね」

「そうですか…」
「それは良かったと言いたいけど、鈴音さんも気を付けてください」

「はい。お気遣いありがとうございます。比叡さん」

 鈴音さんは大丈夫な様で安心はしたが、稀子も大切な親友で有る。
 しばらくの間は前みたいに、3人で行動した方が良いかも知れない……

 ……

 それから数日が過ぎて……

 稀子がストーカーを受けて居るの話をした翌日から、不思議と稀子からストーカーは居なくなったらしい!?
 真理江さんの話しを聞いた、町内会も夜の見回りを始めたし、ストーカーも敵わないと感じたのだろうか!?

 それでもしばらくの間は、稀子は防犯ブザーを持っての行動で有る。
 本当のストーカーだったら、気を緩んだ所で攻撃に出るからだ。
 このまま、ストーカーが諦めてくれれば良いが……

 稀子のストーカー問題は、一時棚上げに成りそうだ……
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界なのに思ってたのとちがう?

イコ
恋愛
貞操逆転世界に憧れる主人公が転生を果たしたが、自分の理想と現実の違いに思っていたのと違うと感じる話。

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜

月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。 呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。 泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。 ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。 おっさん若返り異世界ファンタジーです。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです

新条 カイ
恋愛
 ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。  それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?  将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!? 婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。  ■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…) ■■

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

処理中です...