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【R-15】鈴音編 第2章
第187話 人生の転機!? その2
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俺は定位置に腰を下ろすと、真理江さんは湯飲みにお茶を注いでくれる。
俺と真理江さん以外の物音は聞こえないから、鈴音さんや稀子はまだ大学なのかも知れない。
「はい。どうぞ…」
この時期だと、冷たいお茶が良い時期だが、真理江さんが注いでくれたお茶は熱いお茶で有った。
俺はその熱いお茶に、息を吹きかけながら飲む。
「ふぅ~~」
俺がお茶を飲んで、一息を付くと……
「少しは、この先の事を考えましたか?」
真理江さんは、そう聞いてくる。
「考えていますが……この地域で有望な職種は有りませんね」
「この付近は静かな町ですからね…」
「青柳さんが望む仕事は、無いかも知れませんね」
真理江さんはそう言いながら、お茶を飲む。
「青柳さん……」
真理江さんは真面目な表情で俺に言う。
「はい…」
「差し出がましいようですが……農業に興味は有りますか?」
「……農業ですか?」
「はい。そうです…」
(農業って……米とか野菜を作ることだろ?)
(真理江さん妹夫婦が農業をしている感じだから、俺に農作業でもさせるつもりか!?)
(けど……あの妹夫婦の男性の下で働くのは嫌だな)
「農業は…、お気に召しませんか?」
「いや、そんな事は無いのですけど、急にの事でしたので///」
「少し説明不足だった様ですね…。私も青柳さんの将来が心配です…」
「青柳さんは今の今まで、保育士を目指して頑張って来ました」
「自分の力に限界を感じて、保育士に成る事を諦めた事に関しては、私からは何も言いませんが、今の状態で普通のサラリーマンに成っても、長続きはしないと私は感じるのです」
(希望の職種で入るなら別だけど、適当に入った企業で長続きするのは、あり得ないからな)
「私も近所の人や妹に、この地域に有る職業を少し相談して見ました」
「この地域は、農業が盛んなのは見ても分かりますよね」
「はい…。自然豊かな場所ですからね」
(やっぱり……妹夫婦の下で働けと言うのか!)
「この地域で農業法人をしている企業を、私に紹介してくれた人が居ました」
「その農業法人さんは、青柳さん位の若手を欲しがっているそうです」
「……」
(妹夫婦の場所では無く、農業法人か…)
(最近、色々と耳にする機会が多いけど、農業法人なんてブ○ックの感じしかしない)
「私は青柳さんに黙って、その農業法人さんに連絡を取ってみました」
「すると、相手の方も興味を感じて相談に乗ってくれました!」
真理江さんは、少し嬉しそうに言う。
(余計な事をするなとは言えないし……其処に務めろと言うのか…)
(農業なんて、全くやった事無いぞ!!)
(それでも、○隷が欲しいから『ぜひ、来てくれ!』と言われたか!!)
「それで、どうなりましたか?」
「『面接に来てくれ』と、言われましたか?」
俺はこれ以上迷惑を掛けられないし、真理江さんも俺の事を思って動いていてくれる。
農業なんて本当の未経験だが、やりたい仕事も無いし、農業も視野に入れなければ成らないかと考え始めた時……
「やはりと言いますか『未経験の人を育てる余裕は無い』と、相手側から言われてしまいました…」
(そりゃあ、そうだわな)
(ずぶの素人なんて、職人の分野では要らんよな)
「けど……話には続きが有りまして、農業の職業訓練が有る事を紹介されました」
「職業訓練…?」
「今の時代……農業まで、職業訓練が出来るのですか!?」
「……その感じですね。青柳さん」
「この国は、新規就農者が年々減っています。また、限界集落や耕作放棄も問題に成っています」
「良く、テレビ等で話題に成りますよね」
「この県の職業訓練に、農業の職業訓練が有るそうです」
「期間も丁度、再来月の上旬からの、6ヶ月間のコースらしいです」
「どうですか? 青柳さん?」
「サラリーマンの道も悪くは無いですが、青柳さんの年代なら十分に、農業の世界に挑戦出来ます!」
真理江さんは力強く言ってきた。
俺の中で……転機が訪れたで良いのだろうか?
俺と真理江さん以外の物音は聞こえないから、鈴音さんや稀子はまだ大学なのかも知れない。
「はい。どうぞ…」
この時期だと、冷たいお茶が良い時期だが、真理江さんが注いでくれたお茶は熱いお茶で有った。
俺はその熱いお茶に、息を吹きかけながら飲む。
「ふぅ~~」
俺がお茶を飲んで、一息を付くと……
「少しは、この先の事を考えましたか?」
真理江さんは、そう聞いてくる。
「考えていますが……この地域で有望な職種は有りませんね」
「この付近は静かな町ですからね…」
「青柳さんが望む仕事は、無いかも知れませんね」
真理江さんはそう言いながら、お茶を飲む。
「青柳さん……」
真理江さんは真面目な表情で俺に言う。
「はい…」
「差し出がましいようですが……農業に興味は有りますか?」
「……農業ですか?」
「はい。そうです…」
(農業って……米とか野菜を作ることだろ?)
(真理江さん妹夫婦が農業をしている感じだから、俺に農作業でもさせるつもりか!?)
(けど……あの妹夫婦の男性の下で働くのは嫌だな)
「農業は…、お気に召しませんか?」
「いや、そんな事は無いのですけど、急にの事でしたので///」
「少し説明不足だった様ですね…。私も青柳さんの将来が心配です…」
「青柳さんは今の今まで、保育士を目指して頑張って来ました」
「自分の力に限界を感じて、保育士に成る事を諦めた事に関しては、私からは何も言いませんが、今の状態で普通のサラリーマンに成っても、長続きはしないと私は感じるのです」
(希望の職種で入るなら別だけど、適当に入った企業で長続きするのは、あり得ないからな)
「私も近所の人や妹に、この地域に有る職業を少し相談して見ました」
「この地域は、農業が盛んなのは見ても分かりますよね」
「はい…。自然豊かな場所ですからね」
(やっぱり……妹夫婦の下で働けと言うのか!)
「この地域で農業法人をしている企業を、私に紹介してくれた人が居ました」
「その農業法人さんは、青柳さん位の若手を欲しがっているそうです」
「……」
(妹夫婦の場所では無く、農業法人か…)
(最近、色々と耳にする機会が多いけど、農業法人なんてブ○ックの感じしかしない)
「私は青柳さんに黙って、その農業法人さんに連絡を取ってみました」
「すると、相手の方も興味を感じて相談に乗ってくれました!」
真理江さんは、少し嬉しそうに言う。
(余計な事をするなとは言えないし……其処に務めろと言うのか…)
(農業なんて、全くやった事無いぞ!!)
(それでも、○隷が欲しいから『ぜひ、来てくれ!』と言われたか!!)
「それで、どうなりましたか?」
「『面接に来てくれ』と、言われましたか?」
俺はこれ以上迷惑を掛けられないし、真理江さんも俺の事を思って動いていてくれる。
農業なんて本当の未経験だが、やりたい仕事も無いし、農業も視野に入れなければ成らないかと考え始めた時……
「やはりと言いますか『未経験の人を育てる余裕は無い』と、相手側から言われてしまいました…」
(そりゃあ、そうだわな)
(ずぶの素人なんて、職人の分野では要らんよな)
「けど……話には続きが有りまして、農業の職業訓練が有る事を紹介されました」
「職業訓練…?」
「今の時代……農業まで、職業訓練が出来るのですか!?」
「……その感じですね。青柳さん」
「この国は、新規就農者が年々減っています。また、限界集落や耕作放棄も問題に成っています」
「良く、テレビ等で話題に成りますよね」
「この県の職業訓練に、農業の職業訓練が有るそうです」
「期間も丁度、再来月の上旬からの、6ヶ月間のコースらしいです」
「どうですか? 青柳さん?」
「サラリーマンの道も悪くは無いですが、青柳さんの年代なら十分に、農業の世界に挑戦出来ます!」
真理江さんは力強く言ってきた。
俺の中で……転機が訪れたで良いのだろうか?
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