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【R-15】鈴音編 第2章
第186話 人生の転機!? その1
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翌日……
当たり前だが、鈴音さんの機嫌は直ってなかった。
今朝の朝食担当が稀子だったから良かったが、これが鈴音さんなら食事に意地悪をされていたかも知れない!?
空気の悪い朝食後。
俺は無言でお茶を飲んでいる鈴音さんに、昨夜の事を謝るが……
「……もう、良いです」
「比叡さんの、私に対する気持ちが理解出来ました」
「私の事など気にはせずに、新しい人生を歩んでください」
「あっ、鈴音さん…」
俺は鈴音さんを呼び止めようとするが、お茶が残っているのに席を立って、台所から出て行ってしまった。
「本当に怒っているね~~。鈴ちゃん…」
「期待の代償は余りにも、大きかったようですね。青柳さん」
稀子、真理江さんはそれぞれが呟く。
やはり鈴音さんは、俺が発言した卑猥の言葉を稀子には言っていなかった。
言っていたら、流石の稀子でも怒るはずだ。
「おばさん…。どうしようね?」
「以前怒った時よりも酷い感じがする…」
稀子は真理江さんに相談するが……
「どうするも有りませんよ。青柳さんは自分の限界を感じて夢を諦めた」
「鈴音さんは、青柳さんが限界まで夢を追いかけると思っていた。それだけですよ…」
「鈴ちゃんは比叡君が、普通の会社員に成るのが嫌なのかな?」
「そうかもしれませんね。稀子さん」
「鈴音さん自身……ランドセル職人に憧れていましたからね」
(山本(孝明)さんと鈴音さんの関係が、一気に崩れたのは其処からだったな)
本来の予定では鈴音さんは、山本さんと山本鞄店を盛り上げるつもりで有った。
鈴音さんは山本鞄店の看板娘でも有って、周りの人からも愛されていた。
鈴音さんが工場の手伝いをしたいと山本さんに相談した時、山本さんはそれを拒否では無く拒絶した。
それが原因で、2人の仲に一気に亀裂が入って、その隙に俺と稀子が入り込んで、破局と悪夢を向かえた……
「鈴ちゃんは、職人さんとかが好きなのかな?」
「そうかも知れませんね」
「平凡な人生が……一番安泰なのに」
「私はそう感じますがね」
真理江さん稀子はそんな事を言いながら、お茶を飲んでいた。
……
俺はアルバイトに行くが、仕事に全然集中出来ず、上司に怒られてばかりだった。
このアルバイトの給料だけでは、とてもじゃないが自立は出来ない。
それにこのアルバイトも、する必要はもう無い。
急に辞める訳には行けないので、しばらく働かなければ成らないが、その事も有って、更にこの仕事に対する熱意は冷めていった……
今日はとてもじゃないが仕事に成らないと感じた俺は『体調不良』と、アルバイトの上司に言って、仕事は午前中までにする。
午前中でアルバイトを終えて、アルバイト先を出るが……
(午後からは、どうしようかな?)
(早い時間に家に帰ると真理江さんを心配させるし……もしかしたら、鈴音さんや稀子が講義の関係で、家に戻って来ているかも知れない)
俺が午後から家に居る場面を鈴音さんに見られたら、鈴音さんは本当に俺を見限るだろう……
(繁華街に出ても特に欲しい物は無いし、一人何処か遊びに行っても、どうしようもないし…)
昼食はコンビニで買った弁当類を持参していたので、バス停に在るベンチで座って取る。
その間にバスが1本来たが、俺はベンチから立たなかったため、バスは停車したが直ぐに発車して行く。
昼食も食べ終わり、ペットボトルのお茶を飲み干すと……
(どうせ……職を探さなければ成らないから、ハローワークでも行ってみるか)
この地域は九尾市にハローワークが有る様だ。
俺はハローワークの場所を調べて、午後からはハローワークに向かう事にした。
……
九尾のハローワークに到着して、俺は早速求人検索を行うが……
(想像通りだ…。全くと言って良いほど、この地域に工場系の仕事は無い)
この地域で正社員を募集している職種は、土木関係と介護関係位しか無かった。
パートやアルバイトに成ると、小売店スタッフの仕事が出て来るが、メインは男性より女性を意識している感じで有った。
俺がこの地域から引っ越す覚悟が有れば、他の都市部に大手企業の契約社員等が有るが、潤沢とは言えない預貯金で、新たな住処を用意するのは難しい感じで有った。
(特に行きたい企業も無いし、今のアルバイトを続けたいとは思わないし、どうすれば良いのだ!?)
求人検索画面を無意味にスクロールさせながら、俺はパソコンの画面を眺めた。
収穫はゼロの状態でハローワークを出て、少し早いが真理江さんの家に戻る事にした。
時間的に何時もの時間より1時間ほど早いが、仕事が無くて早上がりする事も有るので、怪しまれる事は無いだろう……
真理江さんの家に戻り、居間に居る真理江さんに帰宅の挨拶をする。
居間には、真理江さんだけで有った。
「ただいまです。真理江さん」
「あら?」
「今日は早上がり…?」
「はい…」
「思っていたより、仕事が無くて…」
「そう……」
俺は帰宅の挨拶を終えたので、居間から出ようとすると……
「青柳さん…」
「少しお茶でも……飲んでいかないか?」
普段はこんな事を言わない真理江さんだが、俺と話がしたいのだろう。
俺は素直に返事をした……
当たり前だが、鈴音さんの機嫌は直ってなかった。
今朝の朝食担当が稀子だったから良かったが、これが鈴音さんなら食事に意地悪をされていたかも知れない!?
空気の悪い朝食後。
俺は無言でお茶を飲んでいる鈴音さんに、昨夜の事を謝るが……
「……もう、良いです」
「比叡さんの、私に対する気持ちが理解出来ました」
「私の事など気にはせずに、新しい人生を歩んでください」
「あっ、鈴音さん…」
俺は鈴音さんを呼び止めようとするが、お茶が残っているのに席を立って、台所から出て行ってしまった。
「本当に怒っているね~~。鈴ちゃん…」
「期待の代償は余りにも、大きかったようですね。青柳さん」
稀子、真理江さんはそれぞれが呟く。
やはり鈴音さんは、俺が発言した卑猥の言葉を稀子には言っていなかった。
言っていたら、流石の稀子でも怒るはずだ。
「おばさん…。どうしようね?」
「以前怒った時よりも酷い感じがする…」
稀子は真理江さんに相談するが……
「どうするも有りませんよ。青柳さんは自分の限界を感じて夢を諦めた」
「鈴音さんは、青柳さんが限界まで夢を追いかけると思っていた。それだけですよ…」
「鈴ちゃんは比叡君が、普通の会社員に成るのが嫌なのかな?」
「そうかもしれませんね。稀子さん」
「鈴音さん自身……ランドセル職人に憧れていましたからね」
(山本(孝明)さんと鈴音さんの関係が、一気に崩れたのは其処からだったな)
本来の予定では鈴音さんは、山本さんと山本鞄店を盛り上げるつもりで有った。
鈴音さんは山本鞄店の看板娘でも有って、周りの人からも愛されていた。
鈴音さんが工場の手伝いをしたいと山本さんに相談した時、山本さんはそれを拒否では無く拒絶した。
それが原因で、2人の仲に一気に亀裂が入って、その隙に俺と稀子が入り込んで、破局と悪夢を向かえた……
「鈴ちゃんは、職人さんとかが好きなのかな?」
「そうかも知れませんね」
「平凡な人生が……一番安泰なのに」
「私はそう感じますがね」
真理江さん稀子はそんな事を言いながら、お茶を飲んでいた。
……
俺はアルバイトに行くが、仕事に全然集中出来ず、上司に怒られてばかりだった。
このアルバイトの給料だけでは、とてもじゃないが自立は出来ない。
それにこのアルバイトも、する必要はもう無い。
急に辞める訳には行けないので、しばらく働かなければ成らないが、その事も有って、更にこの仕事に対する熱意は冷めていった……
今日はとてもじゃないが仕事に成らないと感じた俺は『体調不良』と、アルバイトの上司に言って、仕事は午前中までにする。
午前中でアルバイトを終えて、アルバイト先を出るが……
(午後からは、どうしようかな?)
(早い時間に家に帰ると真理江さんを心配させるし……もしかしたら、鈴音さんや稀子が講義の関係で、家に戻って来ているかも知れない)
俺が午後から家に居る場面を鈴音さんに見られたら、鈴音さんは本当に俺を見限るだろう……
(繁華街に出ても特に欲しい物は無いし、一人何処か遊びに行っても、どうしようもないし…)
昼食はコンビニで買った弁当類を持参していたので、バス停に在るベンチで座って取る。
その間にバスが1本来たが、俺はベンチから立たなかったため、バスは停車したが直ぐに発車して行く。
昼食も食べ終わり、ペットボトルのお茶を飲み干すと……
(どうせ……職を探さなければ成らないから、ハローワークでも行ってみるか)
この地域は九尾市にハローワークが有る様だ。
俺はハローワークの場所を調べて、午後からはハローワークに向かう事にした。
……
九尾のハローワークに到着して、俺は早速求人検索を行うが……
(想像通りだ…。全くと言って良いほど、この地域に工場系の仕事は無い)
この地域で正社員を募集している職種は、土木関係と介護関係位しか無かった。
パートやアルバイトに成ると、小売店スタッフの仕事が出て来るが、メインは男性より女性を意識している感じで有った。
俺がこの地域から引っ越す覚悟が有れば、他の都市部に大手企業の契約社員等が有るが、潤沢とは言えない預貯金で、新たな住処を用意するのは難しい感じで有った。
(特に行きたい企業も無いし、今のアルバイトを続けたいとは思わないし、どうすれば良いのだ!?)
求人検索画面を無意味にスクロールさせながら、俺はパソコンの画面を眺めた。
収穫はゼロの状態でハローワークを出て、少し早いが真理江さんの家に戻る事にした。
時間的に何時もの時間より1時間ほど早いが、仕事が無くて早上がりする事も有るので、怪しまれる事は無いだろう……
真理江さんの家に戻り、居間に居る真理江さんに帰宅の挨拶をする。
居間には、真理江さんだけで有った。
「ただいまです。真理江さん」
「あら?」
「今日は早上がり…?」
「はい…」
「思っていたより、仕事が無くて…」
「そう……」
俺は帰宅の挨拶を終えたので、居間から出ようとすると……
「青柳さん…」
「少しお茶でも……飲んでいかないか?」
普段はこんな事を言わない真理江さんだが、俺と話がしたいのだろう。
俺は素直に返事をした……
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