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【R-15】鈴音編 第2章
第179話 待望の卒園!? その3
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真理江さんの家に戻った後は順番にお風呂に入っていき、鈴音さん達は居間で団らんの時間を過ごす中、俺はその後を自室で過ごす。
季節も3月に入ったので、雪が降った時の様に無理をして、全員で居間に居る必要も無いと俺は感じた。
本当は学科試験対策の勉強をしなくては成らないが、俺はどうもやる気が出なかった……
今回の学科試験では絶対に合格は出来ないし、先ほどの真理江さんの言葉や妹夫婦男性の言葉も有る。
(明日もアルバイトが有るし、今日は早めに寝るか…)
俺はそう思い、布団を敷いていると……
『コン、コン♪』
誰かが部屋のドアをノックする。
(この音は鈴音さんだな……)
「鈴音さんですよね。どうぞ!」
俺がドア向こうに声を掛けると、ドアが開いて鈴音さんが入ってきた。
表情も普通に戻っていた。
「……今晩は、もうお休みする所でしたか?」
鈴音さんは布団を見ながら言う。
「はい。今日は色々有って、早めに寝ようかなと思いまして…」
「そうですか…」
「比叡さん。寝る前に少しお話よろしいですか?」
「はい。大丈夫です」
俺は敷いていた布団を半分に折りたたんで場所を作る。
押し入れからクッションを取り出して、鈴音さんの座る場所を用意する。
「では……失礼します」
鈴音さんは俺が用意したクッションに座ると……
「比叡さん……」
「先ほどの事ですが、比叡さんは万が一の事を本当に考えていますか?」
(やっぱり、気になるよな。結婚を意識した恋人関係だし…)
「それは、試験不合格時の事ですよね」
「はい。そうです」
「一応、考えていますが……」
俺は口ではそう言うが、実際は全く考えてなかった。
「それはどの様な事ですか?」
「分かる範囲で良いので、教えてください」
(面接官の様な質問をするな。涼子さんの時を思い出すよ…)
「えっと……それは、普通の会社員として働く事です」
「俺は学が無いし、若い内にサラリーマンに戻った方が得策と考えています」
俺はそう答えると……鈴音さんは落ち込んでしまった!!
「……やはり、厳しそうですか。保育士さんの道へは…?」
「はい……鈴音さんの前だから正直に言いますけど、独学では厳しいです」
「ふぅ…」
「お母様の言う通り諦めるのは、早めの方が良いかも知れませんね…」
鈴音さんは、本当に残念そうに言う。
俺は鈴音さんの期待を裏切ってしまった……
「もし、そう成りましたら、私のお母さんには何て言いましょう…?」
「お母さんの比叡さんに対する、信頼は完全に失うでしょうし困りましたね……」
鈴音さんも、俺が夢を諦めた時の道を模索している様だ。
まさか、別れるとは言わないよね!?
「でも……比叡さん。ベストは尽くしてください!」
「私は比叡さんを信じて此処まで来たのです。私を“がっかり”させる事だけはしないでください!!」
鈴音さんは俺を見て、真剣な表情で言う。
「ベストは尽くします! 鈴音さん!!」
「……その言葉、信じています」
「では……」
鈴音さんは言葉を終えると静かに立ち上がり、ドアの方へ向かい出す。
これが良いムードだったら、鈴音さんとラブラブタイムが発生する訳だが、今晩はそんな気分では無かった……
「……今日は、求めて来ないのですね」
鈴音さんが、ドアノブに手を掛けながら言う。
「本当は鈴音さんを抱きしめたいです!」
「もう、学園を卒園したのだから、鈴音さんと肉体的に結ばれたいですが……」
「はぁ~~」
今日一番のため息をつく鈴音さん!?
「比叡さん……。3月31日までは、私は卒園しても学園生です!」
「確かに卒園をしたら、比叡さんとの性行為も考えていましたが、こんな不安の状態で比叡さんと交わりたいとは思いませんし、これで新しい生命が誕生したら私達だけで無く、お母様や稀子さんも巻き込んでしまいます!!」
「比叡さんも……少しは、理性が成長したようですね」
「嬉しい事ですが、夢を叶える人としても私は望んでいました」
「……お休みなさい」
「あっ、鈴音さん。おやすみ―――」
『パタン!』
鈴音さんは俺が声を掛ける前に、部屋から出て行ってしまった。
嘘でも良いから『まず、合格できます!』と言えば良かっただろうか?
どこかの政治家や、人を平気で騙せる人は本当に凄いと感じる。
けど、そんな事言っても鈴音さんは信用しないだろう。あの人は疑り深い人だ。
稀子の様に心が“お子ちゃま”では無い。
(やはり鈴音さんは、俺が保育士を目指す姿に惚れ込んでいた様だ)
(それがほぼ無くなった今。鈴音さんは今後も俺の事を意識してくれるのだろうか?)
俺は布団を敷き直し、部屋の照明を消して布団に潜り込む。
今晩は素直に、寝られそうな夜には成らないだろう……
俺はそう思いつつも目を閉じた……
季節も3月に入ったので、雪が降った時の様に無理をして、全員で居間に居る必要も無いと俺は感じた。
本当は学科試験対策の勉強をしなくては成らないが、俺はどうもやる気が出なかった……
今回の学科試験では絶対に合格は出来ないし、先ほどの真理江さんの言葉や妹夫婦男性の言葉も有る。
(明日もアルバイトが有るし、今日は早めに寝るか…)
俺はそう思い、布団を敷いていると……
『コン、コン♪』
誰かが部屋のドアをノックする。
(この音は鈴音さんだな……)
「鈴音さんですよね。どうぞ!」
俺がドア向こうに声を掛けると、ドアが開いて鈴音さんが入ってきた。
表情も普通に戻っていた。
「……今晩は、もうお休みする所でしたか?」
鈴音さんは布団を見ながら言う。
「はい。今日は色々有って、早めに寝ようかなと思いまして…」
「そうですか…」
「比叡さん。寝る前に少しお話よろしいですか?」
「はい。大丈夫です」
俺は敷いていた布団を半分に折りたたんで場所を作る。
押し入れからクッションを取り出して、鈴音さんの座る場所を用意する。
「では……失礼します」
鈴音さんは俺が用意したクッションに座ると……
「比叡さん……」
「先ほどの事ですが、比叡さんは万が一の事を本当に考えていますか?」
(やっぱり、気になるよな。結婚を意識した恋人関係だし…)
「それは、試験不合格時の事ですよね」
「はい。そうです」
「一応、考えていますが……」
俺は口ではそう言うが、実際は全く考えてなかった。
「それはどの様な事ですか?」
「分かる範囲で良いので、教えてください」
(面接官の様な質問をするな。涼子さんの時を思い出すよ…)
「えっと……それは、普通の会社員として働く事です」
「俺は学が無いし、若い内にサラリーマンに戻った方が得策と考えています」
俺はそう答えると……鈴音さんは落ち込んでしまった!!
「……やはり、厳しそうですか。保育士さんの道へは…?」
「はい……鈴音さんの前だから正直に言いますけど、独学では厳しいです」
「ふぅ…」
「お母様の言う通り諦めるのは、早めの方が良いかも知れませんね…」
鈴音さんは、本当に残念そうに言う。
俺は鈴音さんの期待を裏切ってしまった……
「もし、そう成りましたら、私のお母さんには何て言いましょう…?」
「お母さんの比叡さんに対する、信頼は完全に失うでしょうし困りましたね……」
鈴音さんも、俺が夢を諦めた時の道を模索している様だ。
まさか、別れるとは言わないよね!?
「でも……比叡さん。ベストは尽くしてください!」
「私は比叡さんを信じて此処まで来たのです。私を“がっかり”させる事だけはしないでください!!」
鈴音さんは俺を見て、真剣な表情で言う。
「ベストは尽くします! 鈴音さん!!」
「……その言葉、信じています」
「では……」
鈴音さんは言葉を終えると静かに立ち上がり、ドアの方へ向かい出す。
これが良いムードだったら、鈴音さんとラブラブタイムが発生する訳だが、今晩はそんな気分では無かった……
「……今日は、求めて来ないのですね」
鈴音さんが、ドアノブに手を掛けながら言う。
「本当は鈴音さんを抱きしめたいです!」
「もう、学園を卒園したのだから、鈴音さんと肉体的に結ばれたいですが……」
「はぁ~~」
今日一番のため息をつく鈴音さん!?
「比叡さん……。3月31日までは、私は卒園しても学園生です!」
「確かに卒園をしたら、比叡さんとの性行為も考えていましたが、こんな不安の状態で比叡さんと交わりたいとは思いませんし、これで新しい生命が誕生したら私達だけで無く、お母様や稀子さんも巻き込んでしまいます!!」
「比叡さんも……少しは、理性が成長したようですね」
「嬉しい事ですが、夢を叶える人としても私は望んでいました」
「……お休みなさい」
「あっ、鈴音さん。おやすみ―――」
『パタン!』
鈴音さんは俺が声を掛ける前に、部屋から出て行ってしまった。
嘘でも良いから『まず、合格できます!』と言えば良かっただろうか?
どこかの政治家や、人を平気で騙せる人は本当に凄いと感じる。
けど、そんな事言っても鈴音さんは信用しないだろう。あの人は疑り深い人だ。
稀子の様に心が“お子ちゃま”では無い。
(やはり鈴音さんは、俺が保育士を目指す姿に惚れ込んでいた様だ)
(それがほぼ無くなった今。鈴音さんは今後も俺の事を意識してくれるのだろうか?)
俺は布団を敷き直し、部屋の照明を消して布団に潜り込む。
今晩は素直に、寝られそうな夜には成らないだろう……
俺はそう思いつつも目を閉じた……
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