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【R-15】鈴音編 第2章
第178話 待望の卒園!? その2
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「……そうですね。保育士試験は年2回しか有りませんからね」
「私の堪忍袋の緒は、来年の4月までですかね…」
「随分甘いね…。真理江さん」
「……俺だったら、今年中に成果が出なかったら、見限るがね!」
妹夫婦の男性はそう言いながら、ビールをあおる。
俺はその様子を静かに見ている。
(真理江さんの中では今回を含めて、3回チャンスを与えると言う事か…)
(今までその辺に関して、真理江さんは何も言わなかったが、真理江さんの考えを皮肉にも知る事が出来てしまった…)
「兄ちゃん。聞いて居たか!」
「真理江さんは随分、兄ちゃんを気に掛けて居るぞ!!」
「それほどまで、兄ちゃんは真理江さんに好かれているんだな」
「はい。見たいですね…」
(鈴音さんと稀子の卒園ホームパーティー何だから、余計な事を言うな!)
(鈴音さんも稀子も、微妙な顔をしているだろ!!)
鈴音さんも稀子も会話には入って来なかったが、聞き耳を立てる様に無言で食べて聞いていた。
ここで真理恵さん妹が、注意をする様に言う。
「お前さん…。もう、その辺にしといたら」
「今は…、その様な話をする時では無いだろ…」
「まぁ……そうだが、兄ちゃんが余りにも楽観的だったから…」
妹夫婦の男性が、そう言うと……
「比叡君は確かに楽観的だ!」
「でも、それが比叡君の良い所でも有るんだよ!」
稀子は独り言を言う様に言い出す!
「私は比叡君を見込んで波津音市に誘ったけど、色々な事が起きすぎてこう成ってしまった!」
「でも、今の比叡君は私から見ても頑張っていると思う!」
「鈴ちゃんも比叡君をサポートしているし、これだけの事をやっても試験に不合格に成ってしまったら、仕方ないかなと私は感じる」
「けど、比叡君!」
「試験に落ちた時の対策も考えて置くんだよ!」
「じゃないと、またあの悪夢がこの町で起きるかも知れないよ…」
稀子の言う悪夢。
俺が保育士養成学校の入学選考に落ちた(不合格)事によって、山本(孝明)さんは俺を見限り、当時孤立していた鈴音さんと俺は急激に距離を縮めた。
結果的に、俺は鈴音さんと関係を持つ事が出来て今が有るが、その分の代償も大きかった……
「おじさんも、比叡さんを余り責めないでください!」
「比叡さんは比叡さん成りに将来を考えて動いてる筈です!」
「例え望まぬ結果に成っても、その事は意識していると思います!!」
稀子と鈴音さんが、俺を擁護してくれる。
「……何か良く解らんが兄ちゃんは、真理江さん達に本当に好かれているんだな?」
「俺は兄ちゃんとは関係無いし、真理江さんの家の問題は真理江さん達の問題だ」
「まぁ、試験に頑張ってくれ……」
突如言葉を発した稀子、鈴音さんに押されて、妹夫婦の男性はたじろぐ……
やり場が無くなった男性は、コップに入っていた酒を一気に飲み干し、静かにコップに日本酒を新たに注いでいた。
(俺は本当に、真理江さん達に好かれているんだな)
(正直言って、3回のチャンスが有っても、3度目の正直で3回目に合格する保証は無い…)
(最悪……。1回目の時に将来の修正を考える必要も有るな…)
俺は心の中でそう思いながら残りの時間、卒園ホームパーティーをそれなりに楽しんだ。
……
その後は大きな問題も起きずに無事に、卒園ホームパーティーは終わりを迎える。
これで……真理江さん妹夫婦の家に行くのは、今年の年末の餅つきまでは無いだろう。
真理江さん達全員で、今日のお礼を言って真理江さんの家に戻る。
妹夫婦の家を出た直後、稀子が俺に話し掛けてくる。
「しかし、比叡君。チャンスが3回も有って良かったね!」
「山本さんだったら良くて2回。最悪は1回だったね♪」
稀子は笑いながら、そう言ってくる!?
全然、笑い話では無いだろう……
「けど、真理江さん妹のおじさんは、何であんな事を比叡君に言ったのだろう?」
「おじさんは関係無い筈だし…」
稀子が不思議そうに言っていると……
「あの人はあの人なりに、青柳さんを心配しているのですよ…」
真理江さんは静かに言う。
「けど、全く心配している素振りは無かったよ。おばさん!」
「あの人も口が悪いからね…。頼りに成る時は本当に頼りに成るけど…」
「だって! 比叡君!!」
「みんなに心配と言うか、期待されているよ♪」
稀子は俺に笑顔で言う。
けど……鈴音さんは何か、納得していない表情だった!
「ん~~。でも、お母様」
「私的にお母様の配慮は嬉しいのですが、やはり2回でよろしいのでは?」
鈴音さんは突然そんな事を真理江さんに言い出す!?
どうして、態々チャンスの幅を狭めるの!?
「それを言うには…、鈴音さんは何か正当な理由でも有るのかい?」
真理江さんは鈴音さんの問いに対し、低い口調で脅しかける様に言う!
「いえ、特に無いですけど……」
「他の人が見れば、青柳さんを甘やかしている様に見えるかも知れないが、それ位広い心で見ないと、行けない気がしてね…」
「……」
その言葉で、鈴音さんは無言に成ってしまう。
真理江さんの感じからして、山本(孝明)さん絡みなのは間違いなさそうだ。
「青柳さん…。私は来年の4月までと言いましたが、無理だと思った時点で諦める事も必要ですよ…」
(真理江さんも勘づいて居るのだな。俺が学科試験に合格するのが難しい事を…)
俺はみんなからの言葉を、どう受け止めて良いのか判らないまま家に戻った。
「私の堪忍袋の緒は、来年の4月までですかね…」
「随分甘いね…。真理江さん」
「……俺だったら、今年中に成果が出なかったら、見限るがね!」
妹夫婦の男性はそう言いながら、ビールをあおる。
俺はその様子を静かに見ている。
(真理江さんの中では今回を含めて、3回チャンスを与えると言う事か…)
(今までその辺に関して、真理江さんは何も言わなかったが、真理江さんの考えを皮肉にも知る事が出来てしまった…)
「兄ちゃん。聞いて居たか!」
「真理江さんは随分、兄ちゃんを気に掛けて居るぞ!!」
「それほどまで、兄ちゃんは真理江さんに好かれているんだな」
「はい。見たいですね…」
(鈴音さんと稀子の卒園ホームパーティー何だから、余計な事を言うな!)
(鈴音さんも稀子も、微妙な顔をしているだろ!!)
鈴音さんも稀子も会話には入って来なかったが、聞き耳を立てる様に無言で食べて聞いていた。
ここで真理恵さん妹が、注意をする様に言う。
「お前さん…。もう、その辺にしといたら」
「今は…、その様な話をする時では無いだろ…」
「まぁ……そうだが、兄ちゃんが余りにも楽観的だったから…」
妹夫婦の男性が、そう言うと……
「比叡君は確かに楽観的だ!」
「でも、それが比叡君の良い所でも有るんだよ!」
稀子は独り言を言う様に言い出す!
「私は比叡君を見込んで波津音市に誘ったけど、色々な事が起きすぎてこう成ってしまった!」
「でも、今の比叡君は私から見ても頑張っていると思う!」
「鈴ちゃんも比叡君をサポートしているし、これだけの事をやっても試験に不合格に成ってしまったら、仕方ないかなと私は感じる」
「けど、比叡君!」
「試験に落ちた時の対策も考えて置くんだよ!」
「じゃないと、またあの悪夢がこの町で起きるかも知れないよ…」
稀子の言う悪夢。
俺が保育士養成学校の入学選考に落ちた(不合格)事によって、山本(孝明)さんは俺を見限り、当時孤立していた鈴音さんと俺は急激に距離を縮めた。
結果的に、俺は鈴音さんと関係を持つ事が出来て今が有るが、その分の代償も大きかった……
「おじさんも、比叡さんを余り責めないでください!」
「比叡さんは比叡さん成りに将来を考えて動いてる筈です!」
「例え望まぬ結果に成っても、その事は意識していると思います!!」
稀子と鈴音さんが、俺を擁護してくれる。
「……何か良く解らんが兄ちゃんは、真理江さん達に本当に好かれているんだな?」
「俺は兄ちゃんとは関係無いし、真理江さんの家の問題は真理江さん達の問題だ」
「まぁ、試験に頑張ってくれ……」
突如言葉を発した稀子、鈴音さんに押されて、妹夫婦の男性はたじろぐ……
やり場が無くなった男性は、コップに入っていた酒を一気に飲み干し、静かにコップに日本酒を新たに注いでいた。
(俺は本当に、真理江さん達に好かれているんだな)
(正直言って、3回のチャンスが有っても、3度目の正直で3回目に合格する保証は無い…)
(最悪……。1回目の時に将来の修正を考える必要も有るな…)
俺は心の中でそう思いながら残りの時間、卒園ホームパーティーをそれなりに楽しんだ。
……
その後は大きな問題も起きずに無事に、卒園ホームパーティーは終わりを迎える。
これで……真理江さん妹夫婦の家に行くのは、今年の年末の餅つきまでは無いだろう。
真理江さん達全員で、今日のお礼を言って真理江さんの家に戻る。
妹夫婦の家を出た直後、稀子が俺に話し掛けてくる。
「しかし、比叡君。チャンスが3回も有って良かったね!」
「山本さんだったら良くて2回。最悪は1回だったね♪」
稀子は笑いながら、そう言ってくる!?
全然、笑い話では無いだろう……
「けど、真理江さん妹のおじさんは、何であんな事を比叡君に言ったのだろう?」
「おじさんは関係無い筈だし…」
稀子が不思議そうに言っていると……
「あの人はあの人なりに、青柳さんを心配しているのですよ…」
真理江さんは静かに言う。
「けど、全く心配している素振りは無かったよ。おばさん!」
「あの人も口が悪いからね…。頼りに成る時は本当に頼りに成るけど…」
「だって! 比叡君!!」
「みんなに心配と言うか、期待されているよ♪」
稀子は俺に笑顔で言う。
けど……鈴音さんは何か、納得していない表情だった!
「ん~~。でも、お母様」
「私的にお母様の配慮は嬉しいのですが、やはり2回でよろしいのでは?」
鈴音さんは突然そんな事を真理江さんに言い出す!?
どうして、態々チャンスの幅を狭めるの!?
「それを言うには…、鈴音さんは何か正当な理由でも有るのかい?」
真理江さんは鈴音さんの問いに対し、低い口調で脅しかける様に言う!
「いえ、特に無いですけど……」
「他の人が見れば、青柳さんを甘やかしている様に見えるかも知れないが、それ位広い心で見ないと、行けない気がしてね…」
「……」
その言葉で、鈴音さんは無言に成ってしまう。
真理江さんの感じからして、山本(孝明)さん絡みなのは間違いなさそうだ。
「青柳さん…。私は来年の4月までと言いましたが、無理だと思った時点で諦める事も必要ですよ…」
(真理江さんも勘づいて居るのだな。俺が学科試験に合格するのが難しい事を…)
俺はみんなからの言葉を、どう受け止めて良いのか判らないまま家に戻った。
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