173 / 434
【R-15】鈴音編 第2章
第171話 大雪が降った有る日…… その1
しおりを挟む
この地域は雪が降る地域では有るが、根雪に成る程、雪が降る地域では無い。
しかし、冬の時期に何回かは、大型寒波が来襲するので、その時には纏まった雪が降る。
大雪に成る前日……
全員での晩ご飯後。冬の時期だけ有って寒いので、晩ご飯後でも全員が、居間で夜の時間を過ごす。
テレビ画面には天気予報が流れている。
明日の天気は一日中、俺達の地域天気は雪マークが付いていて、かなりの降雪が予想されていた。
「今年、初めての大雪に成りそうだね~~♪」
「実家を思い出すよ~~♪」
明日は大雪に成る恐れが有るのに、陽気な声で言う稀子!
『実家』のキーワードから、稀子にとって雪は“へっちゃら”なんだろう。
「雪か……明日もアルバイトが有るけど、サボる訳には行かないしな…」
俺のアルバイト先は、公共交通機関(バス)で行っている。
バスが運休に成る程の大雪が降れば別だが、運休に成る程大雪が降ったら大事で有る。
それにバスが運休に成ると、鈴音さん達も学園に通えなくなる。
「おばさんの家は庭も有るし、久しぶりに雪だるまでも作ろうかな♪」
稀子は大雪を期待して、雪が降った後のプランを考えている。
「稀子…。気が早いぞ。ねぇ、鈴音さん!」
「はい…。雪が降って喜ぶのは小学生までです…」
鈴音さんも辛口の言葉を言う。
お正月の時に鈴音さんは、俺と稀子に不信感を抱いて、少し拗ねた事が有った。
真理江さんの言葉で、その場は落ち着いたが、それ以来……鈴音さんは稀子と距離を少し開ける様に成ってしまった。
稀子はその事に気づいて無いのか、普段通りの接し方をしている。
それとも、気付いていて、その様な態度を敢えて取っているのか?
「比叡君も、鈴ちゃんも、子ども心を忘れてはダメだよ!!」
「そんなのだと、つまらない大人に成ってしまうぞ!!」
稀子は少し、興奮気味で反論する。
(稀子が、子ども過ぎるのだと思うが……)
その日の夜は、そんな感じで過ぎていった……
俺も雪を喜んだのは、中学生までだった……
☆
翌日の夕方ごろ……
アルバイトをしている途中から、雪が本格的に降り始めたのは知っていたが、アルバイト先を出た時に改めて見たら、アルバイト先の駐車場には5cm位の雪が積もっていて、更に積もりそうだった。
俺は長靴ではなく、普通の運動靴で有ったため、これ位の雪の量に成ってくると、靴に雪が染み始める。
俺は車の轍部分を歩いて、少しでも靴を濡れさせない様に歩く。
少し歩くと幹線道路で有る、国道に出るが交通量が有る所為か、道路上の雪は殆どが溶けていて、シャーベット状に成っていた。
(この状態なら、大きな遅延も無いだろう…)
バスは何時もの時間より、5分位遅く来たが、この天気の中なら十分に速い方で有る。
この日は問題無く、家に帰る事が出来そうだ。
無事に家前のバス停に着き、俺は真理江さんの家に戻る。
玄関を開けると、今日は雪の影響も有るだろか、家の中が凄く暖かく感じる。
(今日の食事当番は、鈴音さんだったよな…。何が出るんだろ?)
鈴音さんの得意料理は、クリームシチュー等の煮込み料理系で有る。
そう考えると……シチュー系かなと思いながら、台所に入ると良い意味で、期待を裏切られた!
「あっ、比叡君が帰って来た!」
台所に入ると、鈴音さんと稀子が居た。
最初に声を掛けてきたのは稀子だった。鈴音さんはシンクに居て、野菜等を切っている。
稀子は鈴音さんの手伝いをしているかと思ったが、そうでも無さそうだ。
「比叡君! 寒かったでしょ!!」
「温かいお茶でも、淹れて上げようか♪」
稀子は笑顔で言う。
此処は稀子の好意に甘えたいが、鈴音さんがまた拗ねると厄介なので、此処は適当な理由を付けて断わる。
「さっき……自販機で缶コーヒー飲んだから大丈夫!」
「そう…!」
鈴音さんが拗ねない内に、俺は声を掛ける。
「ただいま。鈴音さん!」
「お帰りなさい。比叡さん!!」
俺は鈴音さんに声を掛けながら、晩ご飯のおかずを見てみると……それは、鍋だった!!
「今日は、鍋?」
「はい! そうです!!」
「比叡さんの事ですから、シチューだと思っていたでしょうが、雪が降る夜はお鍋も良いです!!」
鈴音さんは無邪気な笑顔で言う。
久しぶりに見る、無邪気な姿の鈴音さん。
普段から、こればっかりだったら、もっと嬉しいのだが……
俺は稀子がなぜ、手伝いもしないのに台所に居るのが不思議に思った。
俺は稀子に理由を聞いて見る事にする……
しかし、冬の時期に何回かは、大型寒波が来襲するので、その時には纏まった雪が降る。
大雪に成る前日……
全員での晩ご飯後。冬の時期だけ有って寒いので、晩ご飯後でも全員が、居間で夜の時間を過ごす。
テレビ画面には天気予報が流れている。
明日の天気は一日中、俺達の地域天気は雪マークが付いていて、かなりの降雪が予想されていた。
「今年、初めての大雪に成りそうだね~~♪」
「実家を思い出すよ~~♪」
明日は大雪に成る恐れが有るのに、陽気な声で言う稀子!
『実家』のキーワードから、稀子にとって雪は“へっちゃら”なんだろう。
「雪か……明日もアルバイトが有るけど、サボる訳には行かないしな…」
俺のアルバイト先は、公共交通機関(バス)で行っている。
バスが運休に成る程の大雪が降れば別だが、運休に成る程大雪が降ったら大事で有る。
それにバスが運休に成ると、鈴音さん達も学園に通えなくなる。
「おばさんの家は庭も有るし、久しぶりに雪だるまでも作ろうかな♪」
稀子は大雪を期待して、雪が降った後のプランを考えている。
「稀子…。気が早いぞ。ねぇ、鈴音さん!」
「はい…。雪が降って喜ぶのは小学生までです…」
鈴音さんも辛口の言葉を言う。
お正月の時に鈴音さんは、俺と稀子に不信感を抱いて、少し拗ねた事が有った。
真理江さんの言葉で、その場は落ち着いたが、それ以来……鈴音さんは稀子と距離を少し開ける様に成ってしまった。
稀子はその事に気づいて無いのか、普段通りの接し方をしている。
それとも、気付いていて、その様な態度を敢えて取っているのか?
「比叡君も、鈴ちゃんも、子ども心を忘れてはダメだよ!!」
「そんなのだと、つまらない大人に成ってしまうぞ!!」
稀子は少し、興奮気味で反論する。
(稀子が、子ども過ぎるのだと思うが……)
その日の夜は、そんな感じで過ぎていった……
俺も雪を喜んだのは、中学生までだった……
☆
翌日の夕方ごろ……
アルバイトをしている途中から、雪が本格的に降り始めたのは知っていたが、アルバイト先を出た時に改めて見たら、アルバイト先の駐車場には5cm位の雪が積もっていて、更に積もりそうだった。
俺は長靴ではなく、普通の運動靴で有ったため、これ位の雪の量に成ってくると、靴に雪が染み始める。
俺は車の轍部分を歩いて、少しでも靴を濡れさせない様に歩く。
少し歩くと幹線道路で有る、国道に出るが交通量が有る所為か、道路上の雪は殆どが溶けていて、シャーベット状に成っていた。
(この状態なら、大きな遅延も無いだろう…)
バスは何時もの時間より、5分位遅く来たが、この天気の中なら十分に速い方で有る。
この日は問題無く、家に帰る事が出来そうだ。
無事に家前のバス停に着き、俺は真理江さんの家に戻る。
玄関を開けると、今日は雪の影響も有るだろか、家の中が凄く暖かく感じる。
(今日の食事当番は、鈴音さんだったよな…。何が出るんだろ?)
鈴音さんの得意料理は、クリームシチュー等の煮込み料理系で有る。
そう考えると……シチュー系かなと思いながら、台所に入ると良い意味で、期待を裏切られた!
「あっ、比叡君が帰って来た!」
台所に入ると、鈴音さんと稀子が居た。
最初に声を掛けてきたのは稀子だった。鈴音さんはシンクに居て、野菜等を切っている。
稀子は鈴音さんの手伝いをしているかと思ったが、そうでも無さそうだ。
「比叡君! 寒かったでしょ!!」
「温かいお茶でも、淹れて上げようか♪」
稀子は笑顔で言う。
此処は稀子の好意に甘えたいが、鈴音さんがまた拗ねると厄介なので、此処は適当な理由を付けて断わる。
「さっき……自販機で缶コーヒー飲んだから大丈夫!」
「そう…!」
鈴音さんが拗ねない内に、俺は声を掛ける。
「ただいま。鈴音さん!」
「お帰りなさい。比叡さん!!」
俺は鈴音さんに声を掛けながら、晩ご飯のおかずを見てみると……それは、鍋だった!!
「今日は、鍋?」
「はい! そうです!!」
「比叡さんの事ですから、シチューだと思っていたでしょうが、雪が降る夜はお鍋も良いです!!」
鈴音さんは無邪気な笑顔で言う。
久しぶりに見る、無邪気な姿の鈴音さん。
普段から、こればっかりだったら、もっと嬉しいのだが……
俺は稀子がなぜ、手伝いもしないのに台所に居るのが不思議に思った。
俺は稀子に理由を聞いて見る事にする……
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる