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【R-15】鈴音編 第2章
第168話 新年を迎える その3
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俺と鈴音さんとの関係が、少し気まずく成ってしまったが、稀子はそれを心配しようとはせずに、暢気な声で俺達に向けて言ってくる。
「鈴ちゃん、比叡君!」
「出店も沢山出ているし、何か食べようよ♪」
先ほどの朝食から、まだ2時間も経ってないのに、稀子はもうお腹が空いたのか?
普段の食事と違い、時間をかけて食べているから、消化のスピードが速いのも有るだろうが……
「俺はまだ大丈夫けど、稀子は何を食べるの……!」
俺は何も考えずに、稀子と会話を続けようとした!?
(不味い!)
(さっき、鈴音さんに言われたばかりなのに、もう忘れている!!)
「鈴音さん…。稀子が『あぁ』言ってますが、鈴音さんのお腹具合はどうですか?」
「私はさほど、お腹は空いていませんが、稀子さんが食べたいのなら、そうすれば良いと思います」
鈴音さんは冷静な口調で言うが、何時もと雰囲気が違う気がする。
「え~~、二人共食べないの!?」
「美味しそうなお店が、沢山出ているのに~~!」
「俺と鈴音さんは、まだお腹が空いていないんだよ」
「悪いけど、稀子だけで食べて……」
俺が稀子に向かって、そう言っていると……
「青柳さん……」
真理江さんが、俺に話し掛けてきた。
「折角、初詣に来たのですから、少し休んでから帰りましょう」
「はっ、はい……」
「稀子さん。私達は彼処のおでん屋台で休んでいますので、稀子さんは買いたい物を買って来てください」
「分かった~~。おばさん!」
稀子は真理江さんに返事をすると、出店が立ち並んで居る場所に向かって行った。
「鈴音さん、青柳さん。私達は先に屋台で休憩していましょう」
「……そうですね」
「……はい」
俺と鈴音さんは素直に返事はせずに、真理江さんの後を付いて行く。
境内の一部分に大きなテントを張って、即席のおでん屋さんと言うより、居酒屋と言った方が良いだろう。
真理江さんが先におでん屋さんに入って行くと、近くに居た屋台の男性スタッフから声を掛けられる。
「いらっしゃい! 何人?」
「後から1人来るので、4人」
「はい! 4人ね~~」
「じゃあ、あそこの席へどうぞ~~」
男性スタッフに連れられて、真理江さん達は席に案内される。
席と言っても、会議で使う様な長机に、ビニール製のテーブルクロスが掛けられていて、椅子は安っぽい丸椅子で有る。
一応店風に成っているので、風よけのビニールシートも張られていて、その場所の所々に、おでん屋のメニューも書かれていた。
席に座ると、スタッフは直ぐに注文を聞いてくる。
「何に、しましょう?」
真理江さんは迷う事無く、注文を伝え始める。
「おでんと焼き鳥盛り合わせを各二人前と、ワンカップとジュースを各二つずつください」
「はいよ!」
「少々、お待ち!!」
男性スタッフは仕事に慣れているのか、復唱はせずに席に離れて行く。
各テーブルの上には、筒に入った割り箸の束と調味料が置かれている。
直ぐに、ワンカップとジュースは用意される。
「鈴音さん、青柳さん。先に頂きましょう」
真理江さんはそう言うと、ワンカップの蓋を開けて、日本酒に口を付ける。
(真理江さん……普段は飲まないから、飲めないと思っていたけど、結構飲めるんだな)
真理江さんが飲酒をするシーンを目にするのは、回数で言えば3回目で有る。
1回目は波津音市に行った時、イタリアンレストランでの飲酒と今朝の飲酒。そして、今で有る。
「真理江さん。いただきます…」
俺は真理江さんに声を掛けてから、ワンカップの蓋を開けて、俺も日本酒に口を付ける。
俺は昼間から酒を飲む事は、正月でも殆ど無い。朝も日本酒を飲んだが、量で言うと約1合位で有る。
鈴音さんも真理江さんが飲んでいるので、言葉は出さなかったが、少し軽蔑する眼差しで有った!?
「鈴音さん……」
「はいっ!?」
真理江さんが珍しく、見据える様に鈴音さんを見ている。
普段の温厚の真理江さんでは無いぞ!?
「鈴音さん……。先ほどの事に関して、私は言葉を出しませんでしたが、今は丁度、稀子さんが席を離れています」
「私から……少し、宜しいでしょうか?」
「……」
鈴音さんは真理江さんの言葉で驚いているが、鈴音さんの中でも言い分が有るのだろう。無言で頷くだけで有った。
新年早々、アクシデントが多発する俺達家族(?)だった……
「鈴ちゃん、比叡君!」
「出店も沢山出ているし、何か食べようよ♪」
先ほどの朝食から、まだ2時間も経ってないのに、稀子はもうお腹が空いたのか?
普段の食事と違い、時間をかけて食べているから、消化のスピードが速いのも有るだろうが……
「俺はまだ大丈夫けど、稀子は何を食べるの……!」
俺は何も考えずに、稀子と会話を続けようとした!?
(不味い!)
(さっき、鈴音さんに言われたばかりなのに、もう忘れている!!)
「鈴音さん…。稀子が『あぁ』言ってますが、鈴音さんのお腹具合はどうですか?」
「私はさほど、お腹は空いていませんが、稀子さんが食べたいのなら、そうすれば良いと思います」
鈴音さんは冷静な口調で言うが、何時もと雰囲気が違う気がする。
「え~~、二人共食べないの!?」
「美味しそうなお店が、沢山出ているのに~~!」
「俺と鈴音さんは、まだお腹が空いていないんだよ」
「悪いけど、稀子だけで食べて……」
俺が稀子に向かって、そう言っていると……
「青柳さん……」
真理江さんが、俺に話し掛けてきた。
「折角、初詣に来たのですから、少し休んでから帰りましょう」
「はっ、はい……」
「稀子さん。私達は彼処のおでん屋台で休んでいますので、稀子さんは買いたい物を買って来てください」
「分かった~~。おばさん!」
稀子は真理江さんに返事をすると、出店が立ち並んで居る場所に向かって行った。
「鈴音さん、青柳さん。私達は先に屋台で休憩していましょう」
「……そうですね」
「……はい」
俺と鈴音さんは素直に返事はせずに、真理江さんの後を付いて行く。
境内の一部分に大きなテントを張って、即席のおでん屋さんと言うより、居酒屋と言った方が良いだろう。
真理江さんが先におでん屋さんに入って行くと、近くに居た屋台の男性スタッフから声を掛けられる。
「いらっしゃい! 何人?」
「後から1人来るので、4人」
「はい! 4人ね~~」
「じゃあ、あそこの席へどうぞ~~」
男性スタッフに連れられて、真理江さん達は席に案内される。
席と言っても、会議で使う様な長机に、ビニール製のテーブルクロスが掛けられていて、椅子は安っぽい丸椅子で有る。
一応店風に成っているので、風よけのビニールシートも張られていて、その場所の所々に、おでん屋のメニューも書かれていた。
席に座ると、スタッフは直ぐに注文を聞いてくる。
「何に、しましょう?」
真理江さんは迷う事無く、注文を伝え始める。
「おでんと焼き鳥盛り合わせを各二人前と、ワンカップとジュースを各二つずつください」
「はいよ!」
「少々、お待ち!!」
男性スタッフは仕事に慣れているのか、復唱はせずに席に離れて行く。
各テーブルの上には、筒に入った割り箸の束と調味料が置かれている。
直ぐに、ワンカップとジュースは用意される。
「鈴音さん、青柳さん。先に頂きましょう」
真理江さんはそう言うと、ワンカップの蓋を開けて、日本酒に口を付ける。
(真理江さん……普段は飲まないから、飲めないと思っていたけど、結構飲めるんだな)
真理江さんが飲酒をするシーンを目にするのは、回数で言えば3回目で有る。
1回目は波津音市に行った時、イタリアンレストランでの飲酒と今朝の飲酒。そして、今で有る。
「真理江さん。いただきます…」
俺は真理江さんに声を掛けてから、ワンカップの蓋を開けて、俺も日本酒に口を付ける。
俺は昼間から酒を飲む事は、正月でも殆ど無い。朝も日本酒を飲んだが、量で言うと約1合位で有る。
鈴音さんも真理江さんが飲んでいるので、言葉は出さなかったが、少し軽蔑する眼差しで有った!?
「鈴音さん……」
「はいっ!?」
真理江さんが珍しく、見据える様に鈴音さんを見ている。
普段の温厚の真理江さんでは無いぞ!?
「鈴音さん……。先ほどの事に関して、私は言葉を出しませんでしたが、今は丁度、稀子さんが席を離れています」
「私から……少し、宜しいでしょうか?」
「……」
鈴音さんは真理江さんの言葉で驚いているが、鈴音さんの中でも言い分が有るのだろう。無言で頷くだけで有った。
新年早々、アクシデントが多発する俺達家族(?)だった……
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