165 / 434
【R-15】鈴音編 第2章
第163話 お正月の準備! その2
しおりを挟む
俺と鈴音さん、稀子が見ている中で、真理江さん妹夫婦で餅つきが行われている。
「そりゃぁ!」
『パン!』
「ほいっ!」
「そりゃぁ!」
『パン!』
「ほぃっ!」
……
夫婦のかけ声の中、餅がつかれていく。
(これ……息が合わないと、杵で相手側の手を潰しそうだな!?)
俺は餅をついたことが無いから分からないが、一歩間違えば、大怪我しそうな感じもする。
「お餅をつく場面を久しぶりに見ましたが、やっぱり年末の風物詩ですね!」
「良い物ですね!!」
鈴音さんも興味津々で、餅つきを見ている。
「やっぱり、夫婦だね!」
「息がぴったりだよ♪」
「私も、将来ああやって、お餅をつきたいな♪」
稀子もそう言いながら、妹夫婦の餅つきを見ていた……
……
1回目の餅もつき上がり、妹夫婦の男性が切り餅にするために、餅を伸ばして、のし餅にしている。
その間に女性も、餅米の蒸し具合を見たり、次の準備を進めている。
鈴音さんも稀子も何時の間にか、手伝いの輪に入っている!?
俺はそれを呆然と見ていた……
男性が餅を伸ばし終えて、それを邪魔に成らない場所に移動させて、次の餅をつく準備を進めていると、妹夫婦の女性から、俺に声を掛けられる。
「青柳君だっけ!」
「見ていても暇でしょう!!」
「お昼のからみ餅にする、大根をおろしてくれないかな!!」
女性はそう言って、大根1本と大きいおろし金、ボウルを渡してくる。
「大根をおろす場所は、彼処の台を使っても良いから」
「お願いね!」
女性はそう言い残して、次のお餅の準備に行った。
俺は大根の入ったボウルを持って、特設会場で大根をおろし始める……
(大根するのは、久しぶりだな…)
(それにしても、1本丸々か…。からみ餅は昔食べた事が有って、美味しいけど、この大根をおろすのが大変なんだよな…)
今の時代なら、フードプロセッサーで簡単に出来るだろうが、この家には絶対に無いし、真理江さんの家にも無い。
昼食の時間までは、まだたっぷりの時間が有るし、多少時間が掛かっても、ゆっくりやれば良いと思った……
……
時間は30分位経っただろうか。
大根は3分の2位おろせたが、右腕がほぼ限界で有った……
(これはキツいな…。こんな事していないから腕が限界だ!)
俺の横では、妹夫婦の男性が、2回目と成る餅を伸ばしていた。
男性は手を休めている俺を見て、こう言ってくる。
「兄ちゃん!」
「ゆっくりやるのは良いが、今度ついた餅で昼食とするから、それまでには間に合わせてくれよ!!」
「俺は、からみ餅が大の好物だからな!!」
「旨い餅が有るのに、からみ餅が無いのはあかんからな!!」
「頑張れよ!!」
男性は俺に、プレッシャーを掛けてきた……
(この人……悪気は無いのだろうけど、余り仲良くしたい人では無いな)
それでも、昼食に俺の不手際でからみ餅が無ければ、俺はその男性に杵でつかれるかも知れない!?
限界の右腕で大根をおろすのは諦めて、不慣れだが左腕で大根をおろす事にする。
時間的に言えば、後1時間位で、昼食の時間に成るかも知れない……
俺は己の限界に立ち向かうために、大根と対峙した!?
☆
何とか……大根を全部すり終えた頃。俺の横では、鈴音さんと稀子が昼食の準備を始めていた。
からみ餅以外にきなこ餅、小豆餅、納豆餅が作られるようだ。
俺がすり終えたのを見て、鈴音さん、稀子が声を掛けて来る。
「比叡さん! 大根おろしお疲れ様です♪」
鈴音さんは、天使の微笑みを掛けてくれる。
疲れ切った時に、鈴音さんの笑顔!?
腕は疲れているが、俺の物は一気に元気に成る!?
「けっこう、時間掛かっていたね、比叡君!」
「その感じだと、普段から全然、大根はおろしてないな!?」
鈴音さんは天使なのに、稀子は悪魔のように嫌みを言ってきた。
「まぁ、でも、間に合って良かったよ。比叡君!」
「私も、からみ餅好きだし!!」
「比叡君。味付けしてくるから、ボウルとついでおろし金も頂戴!!」
「あっ、うん……」
俺は稀子にボウルとおろし金を渡すと、稀子は、真理江さん妹宅の中に入っていった。
鈴音さんも、それに付いて行く様に行った。
(稀子も…、慣れた感じで動いているな…)
けど、大根がおろせた事に依って、からみ餅が用意出来る。
大根で汚れた手を庭に有る水道で洗って、俺は一息ついた……
「そりゃぁ!」
『パン!』
「ほいっ!」
「そりゃぁ!」
『パン!』
「ほぃっ!」
……
夫婦のかけ声の中、餅がつかれていく。
(これ……息が合わないと、杵で相手側の手を潰しそうだな!?)
俺は餅をついたことが無いから分からないが、一歩間違えば、大怪我しそうな感じもする。
「お餅をつく場面を久しぶりに見ましたが、やっぱり年末の風物詩ですね!」
「良い物ですね!!」
鈴音さんも興味津々で、餅つきを見ている。
「やっぱり、夫婦だね!」
「息がぴったりだよ♪」
「私も、将来ああやって、お餅をつきたいな♪」
稀子もそう言いながら、妹夫婦の餅つきを見ていた……
……
1回目の餅もつき上がり、妹夫婦の男性が切り餅にするために、餅を伸ばして、のし餅にしている。
その間に女性も、餅米の蒸し具合を見たり、次の準備を進めている。
鈴音さんも稀子も何時の間にか、手伝いの輪に入っている!?
俺はそれを呆然と見ていた……
男性が餅を伸ばし終えて、それを邪魔に成らない場所に移動させて、次の餅をつく準備を進めていると、妹夫婦の女性から、俺に声を掛けられる。
「青柳君だっけ!」
「見ていても暇でしょう!!」
「お昼のからみ餅にする、大根をおろしてくれないかな!!」
女性はそう言って、大根1本と大きいおろし金、ボウルを渡してくる。
「大根をおろす場所は、彼処の台を使っても良いから」
「お願いね!」
女性はそう言い残して、次のお餅の準備に行った。
俺は大根の入ったボウルを持って、特設会場で大根をおろし始める……
(大根するのは、久しぶりだな…)
(それにしても、1本丸々か…。からみ餅は昔食べた事が有って、美味しいけど、この大根をおろすのが大変なんだよな…)
今の時代なら、フードプロセッサーで簡単に出来るだろうが、この家には絶対に無いし、真理江さんの家にも無い。
昼食の時間までは、まだたっぷりの時間が有るし、多少時間が掛かっても、ゆっくりやれば良いと思った……
……
時間は30分位経っただろうか。
大根は3分の2位おろせたが、右腕がほぼ限界で有った……
(これはキツいな…。こんな事していないから腕が限界だ!)
俺の横では、妹夫婦の男性が、2回目と成る餅を伸ばしていた。
男性は手を休めている俺を見て、こう言ってくる。
「兄ちゃん!」
「ゆっくりやるのは良いが、今度ついた餅で昼食とするから、それまでには間に合わせてくれよ!!」
「俺は、からみ餅が大の好物だからな!!」
「旨い餅が有るのに、からみ餅が無いのはあかんからな!!」
「頑張れよ!!」
男性は俺に、プレッシャーを掛けてきた……
(この人……悪気は無いのだろうけど、余り仲良くしたい人では無いな)
それでも、昼食に俺の不手際でからみ餅が無ければ、俺はその男性に杵でつかれるかも知れない!?
限界の右腕で大根をおろすのは諦めて、不慣れだが左腕で大根をおろす事にする。
時間的に言えば、後1時間位で、昼食の時間に成るかも知れない……
俺は己の限界に立ち向かうために、大根と対峙した!?
☆
何とか……大根を全部すり終えた頃。俺の横では、鈴音さんと稀子が昼食の準備を始めていた。
からみ餅以外にきなこ餅、小豆餅、納豆餅が作られるようだ。
俺がすり終えたのを見て、鈴音さん、稀子が声を掛けて来る。
「比叡さん! 大根おろしお疲れ様です♪」
鈴音さんは、天使の微笑みを掛けてくれる。
疲れ切った時に、鈴音さんの笑顔!?
腕は疲れているが、俺の物は一気に元気に成る!?
「けっこう、時間掛かっていたね、比叡君!」
「その感じだと、普段から全然、大根はおろしてないな!?」
鈴音さんは天使なのに、稀子は悪魔のように嫌みを言ってきた。
「まぁ、でも、間に合って良かったよ。比叡君!」
「私も、からみ餅好きだし!!」
「比叡君。味付けしてくるから、ボウルとついでおろし金も頂戴!!」
「あっ、うん……」
俺は稀子にボウルとおろし金を渡すと、稀子は、真理江さん妹宅の中に入っていった。
鈴音さんも、それに付いて行く様に行った。
(稀子も…、慣れた感じで動いているな…)
けど、大根がおろせた事に依って、からみ餅が用意出来る。
大根で汚れた手を庭に有る水道で洗って、俺は一息ついた……
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる