偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第162話 お正月の準備! その1

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 波津音市はずねしから旅行に戻って来た、真理江さんご一行様だが、のんびりと休息を取る暇も無く、翌日からは年末年始の準備をしている。

 真理江さんと鈴音さんは、お正月料理の定番で有る、おせち料理を作っており、俺と稀子は大掃除をしている。
 真理江さんは市販品を殆ど使わず、黒豆や昆布巻き等を手作りしている。
 デパート等で買えば、そんな手間も要らないのに……

 大掃除と言っても部屋全体の床掃除や、窓拭きが中心で有った。
 普段から、真理江さんが家の掃除をしてくれているので、普段掃除をしない場所が中心と成る。

 今日は大掃除が中心と成る日だが、明日は真理江さん妹宅で、餅つきが行われるそうだ。
 俺達が、お正月に食べるお餅を別けて貰うのと、そのお手伝いに俺と鈴音さんと稀子は行く。
 真理江さんは引き続き、おせち料理の準備をするそうだ。

 俺は餅をつく場面をテレビ等では見た事が有るが、実物を見るのは恐らく初めてだろう……
 俺は餅つきを、少し楽しみにしていた……

 翌日……

 風は比較的有るが、天気は良くて、餅つき日和で有った。
 指定された時間に俺と鈴音さん、稀子と共に餅つき会場で有る、真理江さんの妹宅に向かう。
 真理江さんの話では、餅米を8升ついて、その内、約3升分は真理江さん達の分らしい。
 お昼の分も含めて、4回(8升)餅米をつくことに成りそうだ。

「いや~~。この町に来て、つきたてのお餅と、そのお餅でお雑煮が食べられるとは思って無かったよ~~♪」

 稀子はやけに嬉しそうに言う。そんなに“ついた餅”が旨いのか?

「ねぇ。比叡君は、餅つきしたこと有る?」

「俺?」
「俺は、一度も無いな……」

「あ~~、今時の子だね!」

 稀子はそう言うが、稀子だって今時の子だろ!?

りんちゃんは、当たり前だけど……無いよね!」

「はい!」
「お餅は、お米屋さんで買っていましたから!!」

(鈴音さんの所は、餅を米屋で買うのか!)
(俺の家での餅と言えば、スーパーで売っている、袋に入った切り餅なのに……)

「…そう言う稀子は、餅をついたこと有るの!?」
「稀子は、女の子なのに…?」

 稀子に少し小馬鹿にされたので、俺は思わず言ってしまう。
 どうせ……ついたこと何て、無いだろうと思っていたら……

「比叡君! 有るよ!!」
「私の家、年末に成ると、お餅をつくんだよ!!」
「お父さんが中心だけど、私も少しはきねでつくよ♪」
「知らなかった? 比叡君!!♪」

「あっ……そうなんだ。知らなかった」

(稀子は餅つきまで経験者か…)

「今年の餅つきは、私が家に戻った時には終わっていたけど、そのお餅で作ったお雑煮が美味しかったこと~~♪」
「何だかんだで、6個も食べちゃった!!///」

 稀子は本当に嬉しそうに言う。餅が大好きか!!
 稀子と話をしている間に、真理江さん妹宅に到着する。
 家の敷地に入り、庭の方に目を向けると、餅をつく準備をしている、真理江さん妹夫婦が其処にはいた。

「お早うございます」

 俺と鈴音さん、稀子は、準備している妹夫婦に挨拶をする。
 挨拶をすると、男性側が声を掛けてきた。山本さん見たいに、張りの有る声で言ってくる。

「おぉ~~、おはよう!」
「鈴音ちゃんとが、真理江さんと同居している子達か!!」

「餅をつくのは俺が中心だが、もしかしたら、手伝って貰うからな!!」
「その時は頼むよ!!」

 男性はそう言う。
 俺と稀子は、真理江さん妹夫婦に合うのは初めてで有った。

「おばさま」
「何か、手伝えることは有りますか?」

 妹夫婦と面識が有る鈴音さんは、早速手伝いを申し出ている。

「今は……大丈夫だよ。鈴音ちゃん」

 妹夫婦は、鈴音さんを“ちゃん”付けで呼んでいる。
 庭には石臼いしうすと杵。そして、小型のプロパンガスのボンベとコンロも有って、コンロの上では餅米が蒸されている感じで有った。
 後、長机も幾つか有って、餅を伸ばす作業台や、昼食の会場も兼ねている様で有った。

(本格的だな…。やはり地方だから、こう言う行事を大事にするのかな?)

「さて、ギャラリーも揃ったし、そろそろ始めるか!」
「母ちゃん!!」

「やりますか! お前さん!!」

 真理江さん妹宅で、餅つきが行われようとしていた……
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