偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
161 / 434
【R-15】鈴音編 第2章

第159話 彼女のけじめ その3

しおりを挟む
「青柳さん。理解して貰えたかしら!」
「鈴音の“けじめ”を……」

 涼子さんは問いかけてくる。

「はい…。理解出来ました……」

「母親としては、本気で好きな人が出来たのだから、祝福はして上げたいけど……後は青柳さん次第ですよ…」

「あっ、あはは//////」

 俺は作り笑顔をするしか無かった。

「親としては、今の交際は引き続き認めるけど、結婚前提の付き合いは、まだ認めません」
「それで良いかな。青柳さん、鈴音…」

「……俺としても、まだ自分の将来が確定していない状態で、結婚前提の付き合いを始めても、お互いが苦労すると思っています」

「あっ……比叡さんが裏切りました!」

 鈴音さんが高い声を上げる!

「すっ、鈴音さん//////」
「鈴音さんの、俺を思いやる気持ちは凄く嬉しいです!」
「けど……俺はスケベです。本当に“できちゃった婚”に成ってしまいますよ」

「比叡さん!?///」
「お母さんの前で、そんな発言を幾ら何でもしないでください!!//////」

「こんな馬鹿な人、初めて見ました!?///」
「私の選択は、大間違いでしたか!?///」

「けど……そうでも言わないと、鈴音さんが納得してくれないかなと……」

 俺と鈴音さんの仲が、少し悪くなった所……

「はい。はい!」
「二人は、本当に仲が良いわね♪」

 俺と鈴音さんのやり取りを見ていた、涼子さんが仲裁に入る。

「あなた達。言い夫婦にきっと成れるわよ!!」
「私より、幸せに成れるかもね!!」

「!」

「!!」

 俺と鈴音さんは、涼子さんの言葉を聞いてお互いが『やり過ぎた…』と感じる。
 涼子さんは、元夫からのDVで離婚をしている。

 それに、凉子さん夫婦仲が元から良い話は、鈴音さんから聞いた事は無い。
 鈴音さんから聞いたのは『私は溺愛されていました』だけだからで有る。
 子どもは好きだけど、夫婦仲が悪いパターンも、結構耳にする。
 涼子さんと元夫が結婚した理由が純愛では無く、階段目的で結婚したのでは無いかと、真理江さんが疑った発言を以前していた。

(考えたくは無いが…、鈴音さんの元父親が、鈴音さんを溺愛したのは娘が可愛いよりも、政略結婚の道具として、初めから育てて来たのかも知れない!?)

「……このお話は、この辺で終わりにしましょうか!」
「私としては、二人の本音が聞けて嬉しかったわ!!」
「それで、良いかしら♪」

「はい」
「俺は、それで大丈夫です!」

「……私も」

 ……

 凄く、長い面談が終わった……
 部屋に有る壁時計を見れば、お昼の時間はとうに過ぎていた。

「大分遅く成ってしまったけど、昼食を食べに行きましょうか?」
「最近、お気に入りのファミレスが近くに有るのよ♪」
「青柳さんに、昼食をご馳走しますわ!」

「あっ、これはご丁寧に。ありがとうございます!」

(涼子さん…。ファミレスにも行くんだ!?)
(そう見ると……涼子さんも普通の女性に変化したと言いたいが、美作家全盛期の涼子さんを俺は知らない…)

「まぁ…、これで良かったかもです!」
「気楽の関係の方が、比叡さんのプレッシャーに、成らないのかも知れません…」

 鈴音さんは独り言を呟いているが、何処か納得していた表情をしていた。
 気楽の関係の方が良いに決まっている。特に鈴音さんは、まだ二十歳前だ。
 自分で自分を追い込む必要性は無い!
 その後は、三人で近所のファミレスに行って、昼食を取りながら雑談をして、遅い昼食も終わると俺は、凉子さん・鈴音さんと別れる。

「涼子さん。では、これで失礼します」
「鈴音さんも、ゆっくり過ごしてね!」

「今日は、お疲れ様でした!」
「……青柳さんは、鈴音の事を呼び捨てしないのですね?」

「はい…///」
「俺より、心が遙かに大人の人ですから、呼び捨てなんて出来ません」

「もぅ、比叡さんたらっ!//////」

「私としても青柳さんが、鈴音の相手なら安心出来るわ!」
「では、気を付けて!」

「比叡さん!」
「また、明日会いましょう♪」

「はい。ありがとうございます!!」

 涼子さん、鈴音さんは自宅に戻り、俺も特にやる事が無いので、ビジネスホテルに戻った……
 涼子さんとの面談は成功なのか、失敗なのかは解らない。
 鈴音さんから見れば失敗だろうが、俺から見えれば、涼子さんの言う通りだからだ。

(俺も……山本さんの人生を台無しにした以上、鈴音さんを経済的な面も加味して、幸せにさせないとな……)
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界なのに思ってたのとちがう?

イコ
恋愛
貞操逆転世界に憧れる主人公が転生を果たしたが、自分の理想と現実の違いに思っていたのと違うと感じる話。

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜

月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。 呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。 泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。 ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。 おっさん若返り異世界ファンタジーです。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです

新条 カイ
恋愛
 ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。  それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?  将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!? 婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。  ■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…) ■■

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

処理中です...