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【R-15】鈴音編 第2章
第156話 面談の行方…… その2
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「お母さん!」
「比叡さんを責めないでください!!」
俺が返答に困っていた所に、鈴音さんが応戦をしてくれる。
「比叡さんは……自分の力で、道を切り開こうとしているのです!」
「まずは……其処だけでも認めてください。お母さん!!」
「……鈴音が青柳さんを好きな気持ちが、とても良く解る言葉だわ!」
「けどね、鈴音。私はさっき言ったように、鈴音を大学までしか支援は出来ない」
「青柳さんが人生の路頭に迷っても、私は疎か、鈴音に当る祖父や祖母だって支援はしてくれないと思うよ」
「鈴音が技術者や高度な資格を取得して、その道に進むなら、最悪青柳さんは主夫に成って貰う手が有るけど……、鈴音は其処まで人生を考えてないでしょ?」
「お母さん……」
「普通のOLや一般事務の公務員に鈴音が成って、それで青柳さんと共に生活をするのは厳しいからこそ、母親として厳しく言うの!」
「今は……結婚前提の付き合い何て考えずに、普通の関係を続けなさい」
「結婚と言う縛りをお互いが持ってしまうと、青柳さんにとってもプレッシャーに成るし、鈴音だって絶対に将来を焦るわ!」
「私としても、これ以上の平行線は避けたいから、今の関係を続けなさい。二人共……」
「……」
鈴音さんは反論が出来ず、無言に成る。
鈴音さんの思惑通りには成らなかった……
「青柳さん!」
「はっ、はい……」
「青柳さんが、私の娘で有る鈴音を、本当に幸せに出来ますか?」
「気持ちだけで無いです。経済的や包容力。全ての意味を込めてです!!」
凉子さんは、俺にも厳しい質問をしてきた。
「……経済力は今の所厳しいですが、それ以外の項目に関しては、自己基準ですがクリアをしていると感じます」
「経済力以外か……」
「青柳さん。結婚して家庭を作るには、其処が一番大事ですけどね…」
「青柳さんの気持ちも分りました…。本来は私も何かしらの支援をするべきですが、力を失ってしまったので……」
凉子さんも申し訳なそうに言う。
「いえ、涼子さん。その辺は大丈夫です!」
「山本さんからの支援も貰っていますし、保育士試験の学科試験に合格さえ出来れば、楽器のレンタルや周辺の学童保育所に行って、絵本の読み聞かせ等をする、手はずも考えていますから…」
「あら、そうなんですか?」
「初耳ですわ!!」
凉子さんは、俺に期待を持ってくれそうな表情をする。
「余り期待をさせてしまうのも、如何な物かと感じましたので……」
今現在、九尾市で居候させて貰っている、真理江さんの家は地方だけ有って、部屋数は有る。
本気でやろうと思えば、オルガンをレンタルして練習をする事だって出来るし、これは真理江さん妹からの紹介に成るが、学童保育所での絵本の読み聞かせも、出来ないことは無い。
只、これに関しては、資格取得の現実味が帯びてからで無いと、紹介はしにくいと言われた。
学科試験にさえ合格出来れば、荒れくれた道も多少はマシに成って来る筈だ。
「分りました…。青柳さん成りに手はずは、考えて居る感じですね……」
「鈴音との関係も大事ですが、青柳さん。将来の職業に、一番重点を置いてください!!」
「私としても、夢を追い掛ける人は好きですし、夢を叶える人はもっと好きです!」
「鈴音を……裏切らないでくださいね」
「涼子さん……」
結構、きつめの攻撃が続いたが、最後は慈愛する様な微笑みを、涼子さんは返してくれた。
少なくとも……俺は、涼子さんには嫌われてはないだろう。
「鈴音も理解出来た?」
「今は結婚を考えるよりも、お互いの基礎をしっかりと築き上げなさい!!」
「基礎が出来ないうちに、結婚という家を建てても、家が崩れるだけだよ///」
「分りました。お母さん//////」
「私は、少し焦りすぎてしまったのかも知れません//////」
「…鈴音。青柳さんの居る手前で敢えて言うけど、孝明さんの事。後悔しているでしょう?」
「お母さん!//////」
「……やっぱりね!」
「私も何で、こんな事を言い出すかと思っていたけど、鈴音なりに“けじめ”を本当に付けたかったのよね?」
「……//////」
(事態が“どんどん”思わない方向に転換していくぞ!?)
(俺だって、ずっと疑問に思っていた…)
分家同士で有る、美作家と山本家。
その両家が婚姻関係を結んでも、問題無いくらい血が離れている。
山本さんの身勝手が原因だが、俺と関係を深くしていく鈴音さんに、疑問を全く感じない訳は無かった……
鈴音さんの“けじめ”とは何だろうか?
「比叡さんを責めないでください!!」
俺が返答に困っていた所に、鈴音さんが応戦をしてくれる。
「比叡さんは……自分の力で、道を切り開こうとしているのです!」
「まずは……其処だけでも認めてください。お母さん!!」
「……鈴音が青柳さんを好きな気持ちが、とても良く解る言葉だわ!」
「けどね、鈴音。私はさっき言ったように、鈴音を大学までしか支援は出来ない」
「青柳さんが人生の路頭に迷っても、私は疎か、鈴音に当る祖父や祖母だって支援はしてくれないと思うよ」
「鈴音が技術者や高度な資格を取得して、その道に進むなら、最悪青柳さんは主夫に成って貰う手が有るけど……、鈴音は其処まで人生を考えてないでしょ?」
「お母さん……」
「普通のOLや一般事務の公務員に鈴音が成って、それで青柳さんと共に生活をするのは厳しいからこそ、母親として厳しく言うの!」
「今は……結婚前提の付き合い何て考えずに、普通の関係を続けなさい」
「結婚と言う縛りをお互いが持ってしまうと、青柳さんにとってもプレッシャーに成るし、鈴音だって絶対に将来を焦るわ!」
「私としても、これ以上の平行線は避けたいから、今の関係を続けなさい。二人共……」
「……」
鈴音さんは反論が出来ず、無言に成る。
鈴音さんの思惑通りには成らなかった……
「青柳さん!」
「はっ、はい……」
「青柳さんが、私の娘で有る鈴音を、本当に幸せに出来ますか?」
「気持ちだけで無いです。経済的や包容力。全ての意味を込めてです!!」
凉子さんは、俺にも厳しい質問をしてきた。
「……経済力は今の所厳しいですが、それ以外の項目に関しては、自己基準ですがクリアをしていると感じます」
「経済力以外か……」
「青柳さん。結婚して家庭を作るには、其処が一番大事ですけどね…」
「青柳さんの気持ちも分りました…。本来は私も何かしらの支援をするべきですが、力を失ってしまったので……」
凉子さんも申し訳なそうに言う。
「いえ、涼子さん。その辺は大丈夫です!」
「山本さんからの支援も貰っていますし、保育士試験の学科試験に合格さえ出来れば、楽器のレンタルや周辺の学童保育所に行って、絵本の読み聞かせ等をする、手はずも考えていますから…」
「あら、そうなんですか?」
「初耳ですわ!!」
凉子さんは、俺に期待を持ってくれそうな表情をする。
「余り期待をさせてしまうのも、如何な物かと感じましたので……」
今現在、九尾市で居候させて貰っている、真理江さんの家は地方だけ有って、部屋数は有る。
本気でやろうと思えば、オルガンをレンタルして練習をする事だって出来るし、これは真理江さん妹からの紹介に成るが、学童保育所での絵本の読み聞かせも、出来ないことは無い。
只、これに関しては、資格取得の現実味が帯びてからで無いと、紹介はしにくいと言われた。
学科試験にさえ合格出来れば、荒れくれた道も多少はマシに成って来る筈だ。
「分りました…。青柳さん成りに手はずは、考えて居る感じですね……」
「鈴音との関係も大事ですが、青柳さん。将来の職業に、一番重点を置いてください!!」
「私としても、夢を追い掛ける人は好きですし、夢を叶える人はもっと好きです!」
「鈴音を……裏切らないでくださいね」
「涼子さん……」
結構、きつめの攻撃が続いたが、最後は慈愛する様な微笑みを、涼子さんは返してくれた。
少なくとも……俺は、涼子さんには嫌われてはないだろう。
「鈴音も理解出来た?」
「今は結婚を考えるよりも、お互いの基礎をしっかりと築き上げなさい!!」
「基礎が出来ないうちに、結婚という家を建てても、家が崩れるだけだよ///」
「分りました。お母さん//////」
「私は、少し焦りすぎてしまったのかも知れません//////」
「…鈴音。青柳さんの居る手前で敢えて言うけど、孝明さんの事。後悔しているでしょう?」
「お母さん!//////」
「……やっぱりね!」
「私も何で、こんな事を言い出すかと思っていたけど、鈴音なりに“けじめ”を本当に付けたかったのよね?」
「……//////」
(事態が“どんどん”思わない方向に転換していくぞ!?)
(俺だって、ずっと疑問に思っていた…)
分家同士で有る、美作家と山本家。
その両家が婚姻関係を結んでも、問題無いくらい血が離れている。
山本さんの身勝手が原因だが、俺と関係を深くしていく鈴音さんに、疑問を全く感じない訳は無かった……
鈴音さんの“けじめ”とは何だろうか?
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