155 / 434
【R-15】鈴音編 第2章
第153話 鈴音さんの母親 その1
しおりを挟む
今日の宿泊施設で有る、ビジネスホテルの到着した俺は、チェックインの手続きを取って部屋に入りシャワーを浴びる。
このビジネスホテルにも大浴場が有るが、今晩はその様な気分では無かった。
シャワーを浴びた後は、自動販売機コーナーに行って、缶ビールと乾き物のおつまみもついで買う。
先ほどの晩餐会でもワインは出されたが、がぶ飲みをする訳には行かないので、そんなには飲んでない。
部屋に戻りベッドに腰掛けながら、缶ビールを開けて飲む。
「ふぅ~~」
「団体で動くと疲れるな…」
俺の親友は無に等しかったから、今までは一人での行動だった。
最近でこそ、鈴音さんと稀子との行動が中心に成ったが、真理江さんを含む4人での長時間行動は初めてだった。
「解放されて嬉しいが……今度は完全1人と成ると、それはそれで寂しいな」
真理江さんと鈴音さんは、共に親戚の家。
稀子は実家。波津音市に伝手が無い俺はビジネスホテル。
今晩と明日。このホテルにお世話に成る。
「今日は無事に終わったけど……山場は明日だろうな!」
明日は鈴音さんの母親。涼子さんとの会談と言うより面談が有る。
「涼子さんも物腰が柔らかい人だけど、大切な娘を不安定な人間に、素直に託すとは思えんよな……」
以前話した会話は日常会話程度だし、涼子さん自分自身も、自分の問題で精一杯で有り、娘の鈴音さんまで気が回らなかった筈だ。
今は生活も落ち着いて居る感じで有り、視野も広く成っているはずだ!!
「鈴音さんの援護射撃を期待するのは良いけど……俺の、この不安定の将来は変わらないからな」
考え事をしながらビールを飲んでいる。ロング缶を買ったのに、もう1缶開けてしまった!?
「あれ?」
「もう無い……。もう1缶買うかと言いたいが、二日酔いで涼子さんに会ったら、関係を深める所か、縁を切られそうだな…」
残ったおつまみは、明日の晩酌用とする事にして冷蔵庫に仕舞い、後は歯を磨いてから就寝する事とした……
……
翌日……
午前10時、5分前…。俺は約束の場所で有る、中町のバス停に到着すると、鈴音さんはもう到着をして居た。本当に几帳面な人だ!
「お早うございます。比叡さん!!」
俺が声を掛ける前に、鈴音さんが気付き、声を掛けてきた。
「お早うございます。鈴音さん!」
「比叡さん。昨夜はよく眠れましたか?」
鈴音さんは、今日も笑顔で聞いてきてくれる。
「はい! 枕が変わっても無事に眠れました!!」
「そうですか!!」
「それは良かったです!!」
「では、今から私のお母さんの家に案内します!」
鈴音さんはそう言うと、バス停から歩き始める!?
「えっ!?」
「鈴音さん…。バス停で待ち合わせだから、バスに乗るのでは無いの!?」
「バスには乗りません!!」
「バス停で待ち合わせにしたのは、比叡さんが判りやすいと思ったから、其処にしただけです!!」
「あっ! 成る程!!」
俺は残念ながら、波津音市の地理には詳しくは無い。
覚える前に……九尾に移動してしまったからだ!
波津音市の市街地を数分歩いて行くと……大きなマンションが近付いてきた。
ここが……涼子さんが住んでいるマンションだろうか?
俺と鈴音さんはマンションに入り、エントランスに有る操作盤を操作している。
このマンションは、オートロック式のマンションで有った。
(やっぱり……美作家は美作家か…)
婿(鈴音父)と離婚して、美作家は一気に衰退した筈だが、離婚時に財産分与は行われているし、それプラス、慰謝料と養育費も加算されているだろう。
鈴音さんの父親も、かなりあくどい事をしていたから、それだけの蓄えは有った筈だ。
『はい! こんにちは!!』
『鈴音。今、開けますから』
涼子さんが応答をして、オートロックを解除するのだろう。
「では、お母さん。今から向かいます♪」
鈴音さんも嬉しそうに返事をする。
鈴音さん……父親は嫌いだと思うが、母親は好きなんだろう……
「では、行きましょう。比叡さん♪」
遂に……、涼子さんとの面談が始まろうとしていた……
このビジネスホテルにも大浴場が有るが、今晩はその様な気分では無かった。
シャワーを浴びた後は、自動販売機コーナーに行って、缶ビールと乾き物のおつまみもついで買う。
先ほどの晩餐会でもワインは出されたが、がぶ飲みをする訳には行かないので、そんなには飲んでない。
部屋に戻りベッドに腰掛けながら、缶ビールを開けて飲む。
「ふぅ~~」
「団体で動くと疲れるな…」
俺の親友は無に等しかったから、今までは一人での行動だった。
最近でこそ、鈴音さんと稀子との行動が中心に成ったが、真理江さんを含む4人での長時間行動は初めてだった。
「解放されて嬉しいが……今度は完全1人と成ると、それはそれで寂しいな」
真理江さんと鈴音さんは、共に親戚の家。
稀子は実家。波津音市に伝手が無い俺はビジネスホテル。
今晩と明日。このホテルにお世話に成る。
「今日は無事に終わったけど……山場は明日だろうな!」
明日は鈴音さんの母親。涼子さんとの会談と言うより面談が有る。
「涼子さんも物腰が柔らかい人だけど、大切な娘を不安定な人間に、素直に託すとは思えんよな……」
以前話した会話は日常会話程度だし、涼子さん自分自身も、自分の問題で精一杯で有り、娘の鈴音さんまで気が回らなかった筈だ。
今は生活も落ち着いて居る感じで有り、視野も広く成っているはずだ!!
「鈴音さんの援護射撃を期待するのは良いけど……俺の、この不安定の将来は変わらないからな」
考え事をしながらビールを飲んでいる。ロング缶を買ったのに、もう1缶開けてしまった!?
「あれ?」
「もう無い……。もう1缶買うかと言いたいが、二日酔いで涼子さんに会ったら、関係を深める所か、縁を切られそうだな…」
残ったおつまみは、明日の晩酌用とする事にして冷蔵庫に仕舞い、後は歯を磨いてから就寝する事とした……
……
翌日……
午前10時、5分前…。俺は約束の場所で有る、中町のバス停に到着すると、鈴音さんはもう到着をして居た。本当に几帳面な人だ!
「お早うございます。比叡さん!!」
俺が声を掛ける前に、鈴音さんが気付き、声を掛けてきた。
「お早うございます。鈴音さん!」
「比叡さん。昨夜はよく眠れましたか?」
鈴音さんは、今日も笑顔で聞いてきてくれる。
「はい! 枕が変わっても無事に眠れました!!」
「そうですか!!」
「それは良かったです!!」
「では、今から私のお母さんの家に案内します!」
鈴音さんはそう言うと、バス停から歩き始める!?
「えっ!?」
「鈴音さん…。バス停で待ち合わせだから、バスに乗るのでは無いの!?」
「バスには乗りません!!」
「バス停で待ち合わせにしたのは、比叡さんが判りやすいと思ったから、其処にしただけです!!」
「あっ! 成る程!!」
俺は残念ながら、波津音市の地理には詳しくは無い。
覚える前に……九尾に移動してしまったからだ!
波津音市の市街地を数分歩いて行くと……大きなマンションが近付いてきた。
ここが……涼子さんが住んでいるマンションだろうか?
俺と鈴音さんはマンションに入り、エントランスに有る操作盤を操作している。
このマンションは、オートロック式のマンションで有った。
(やっぱり……美作家は美作家か…)
婿(鈴音父)と離婚して、美作家は一気に衰退した筈だが、離婚時に財産分与は行われているし、それプラス、慰謝料と養育費も加算されているだろう。
鈴音さんの父親も、かなりあくどい事をしていたから、それだけの蓄えは有った筈だ。
『はい! こんにちは!!』
『鈴音。今、開けますから』
涼子さんが応答をして、オートロックを解除するのだろう。
「では、お母さん。今から向かいます♪」
鈴音さんも嬉しそうに返事をする。
鈴音さん……父親は嫌いだと思うが、母親は好きなんだろう……
「では、行きましょう。比叡さん♪」
遂に……、涼子さんとの面談が始まろうとしていた……
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

【完】夫に売られて、売られた先の旦那様に溺愛されています。
112
恋愛
夫に売られた。他所に女を作り、売人から受け取った銀貨の入った小袋を懐に入れて、出ていった。呆気ない別れだった。
ローズ・クローは、元々公爵令嬢だった。夫、だった人物は男爵の三男。到底釣合うはずがなく、手に手を取って家を出た。いわゆる駆け落ち婚だった。
ローズは夫を信じ切っていた。金が尽き、宝石を差し出しても、夫は自分を愛していると信じて疑わなかった。
※完結しました。ありがとうございました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる