偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第149話 旅行 その2

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(稀子は鈴音さんから、話を聞いてないのか?)
(まぁ……俺が言うのでは無く、鈴音さんが似た事を言うのだが…)

「稀子…。そんな事は、まだ言えないよ」
「保育士の学科試験だって、まだ、これからだし」

「でも、比叡君!」
りんちゃんのお母さんと仲良く成りに行くのだから、比叡君も鈴ちゃんとの将来を考えて居るのだよね!!」

「まぁ、俺も年齢だけで言えば、結婚適齢期だからね!」

「へぇ~~!」
「比叡君位の年齢で、適齢期なんだ~~」
「私、知らなかった~~!」

 俺の年齢は、20代前半だから適齢期で間違っては無い。
 鈴音さんの気持ちも……以前と変わらなければ、俺と結婚をしてくれる筈だろう。

「鈴ちゃんは、学園を卒園したら、直ぐ比叡君と結婚したい?」

 稀子は鈴音さんに話を振る。

「そうですね~~!」
「比叡さんはスケベだから……普通の結婚は、させてくれないでしょうね♪」

(鈴音さん!?)
(此処は電車内ですよ!!)
(これでは俺は、ロ○コンですよ!!)

「けど……大学の進学を考えてますから、結婚するのはせめて、大学卒業までは待って欲しいですね!」

「鈴ちゃん……やけに具体的だね!」

「稀子さん…。稀子さんも比叡さんの性格を知っていますよね」

「うん! 知っているよ!!」
「見掛けの割に凄くエッチで、他の事は消極的なのに、エッチだけは積極的に成る比叡君♪」

(稀子も頼むから……車内で言わないでくれ///)
(稀子は子ども体系だから、ますますロ○コン疑惑の目線が強くなるだろう!!)

 この辺で真理江さんが『びしっ!』と言ってくれれば良いのだが、真理江さんは温かい眼差しで俺達を見ているだけだった……
 真理江さんの中では、俺達を実の子どもの様に、見ているのかも知れない。

「そうです♪」
「稀子さんの言うとおりです!!」

「稀子さんの知っての通り、私の家は少々大変で有ります♪」
「比叡さんに甲斐性が無いのは私も知っていますから、私がせめてを付けなくては成りません!!」

 鈴音さんも母親に会える所為か、何時もより口が軽い感じがした。

(俺の扱いは散々だな…)
(鈴音さんも、俺の目の前でそんな発言をして……複雑な気持ちだ)

 俺が保育士資格取得の道を目指したからこそ、俺は鈴音さんと稀子と関係を深める事が出来た。
 あの時……その道を目指さなかったら、稀子との縁は切れているだろうし、鈴音さんとの関係も絶対に生まれなかった……

「比叡さん!」
「私は比叡さんを応援しています!」
「この先の関係が深まる事も…///」

「おや、おや。電車内だと言うのに愛の告白ですか! 鈴ちゃん!!」

「そう言ってくれると、嬉しいです!」
「鈴音さん///」

「でも……エッチの事は、まだまだです//////」
「幾ら避妊しても、―――」

「鈴音さん!///」
「公共の車内ですから、それ以上の発言は不味いです!!」

 鈴音さんも浮かれているのだろう。自宅に居る気分で話している。
 俺が鈴音さんと性行為をしても問題は無いが、モラルは求められる。
 そして、公共の場で、性に関する話はしない方が良い。

「あっ! そうですね///」
「不快に感じる方も、いらっしゃいますからね///」

「鈴ちゃん、比叡君!」
「この話は止めて、別の話をしよう♪」

 稀子がそう発言して、俺と鈴音さん絡みの話は、お終いとさせた。
 その後も……車内での会話を楽しんで、電車は目的地に向かっていった。

 ☆

 数時間後……

 電車は富橋とみはし駅に到着して、そこからバスに乗り換えて元、山本さん宅近くのバス停『中町なかまち』に到着する。
 俺はバスから降りて、地面に足を付けた時に“ふっ”と思い出す……

(初めて……波津音市はずねしに来た時もこのバス停で降りて、山本(孝明)さんに会ったのだよな…)
(あの人の話は一切聞かないが、この年末年始は、何処かの刑務所で過ごすのだよな?)

 真理江さん、鈴音さんは、山本さんの情報を得ている筈だが、みんなの前では絶対に言わないし、鈴音さんも話さない。
 俺も聞きたいとは思わなかったし、鈴音さんも話さないので、その辺に関して俺はスルーしている。

 久しぶりに見る、波津音市の中心部……
 今は和風イタリアンレストランに成っている、山本さんの家に向かった……
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