偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第144話 クリスマスプレゼント その2

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「……鈴音さん」
「今。聞こえましたよね?」

「はい…。あれは……稀子さんの“くしゃみ”ですね…」

「鈴音さん。どうします……?」

「これは……難しいですね。稀子さんの気持ちも判りますから…!」

 俺と鈴音さんが静かに話して居るが、ドアから逃げて行く足音は聞こえないし、犯人は稀子と、“くしゃみ”の音で分かり切っている。
 これが真理江さんと共にだったら、びっくり仰天だが!?

「稀子~~」
「そこに居るんだろ!」
「大人しく…、返事をしなさい!!」

 俺はドア向こうに居る稀子に、刑事ドラマ見たいに応答を呼びかける。

「……はい///」

 稀子はバツが悪そうに、返事をしてきた。

「鈴音さん…。稀子を部屋に入れても良いですか?」
「事情聴取をしたいし…」

「……理由は聞かなくても判りますけど、稀子さんに入って貰いましょう…」

「稀子!」
「こっち来て!!」
「少し、理由わけを聞きたい」

 俺がドア向こうの稀子に声を掛けると、静かに扉が開いて、桃色系の“もこもこ”パジャマ姿の稀子が、恥ずかしそうに部屋に入ってきた。

「えへへ♪」
「バレちゃった~~♪」

「今晩は寒いね!///」

 稀子は悪そびれなく、困った笑顔で入って来た。
 稀子のクッションは用意してないので、稀子は畳にそのまま座って貰う。
 俺の部屋は和室で有る。稀子をどう叱るべきか?

「さて……どうしますか。鈴音さん…?」

「そうですね…。宜しい行為では無いですよね…?」

 俺と鈴音さんは、稀子をどう叱ろうかと相談している。
 稀子の方も俺達が真剣に相談し始めたので、落ち込んだ表情に成ってしまった!
 俺は本気で怒るつもりは無かったが……鈴音さんは、静かな口調で言い始める。

「稀子さん…」
「稀子さんも私と同じ年頃の子ですから…、異性に興味を持つのは当たり前ですけど、聞き耳を立てる行為だけは、ご遠慮願いたいと…」

 鈴音さんが稀子に軽いお説教を始め出すと、……稀子はやはり弁解を始める!

「私だって、最初はそんな気無かったよ!」
「誰かが、静かに階段を上ってくる音に気付いて、少しドアを開けて様子を覗っていたら、りんちゃんが“こっそり”と比叡君の部屋に入って行ったから、それで、何をしているのかと見ていたら、“あれれ”の現象が起きてそれで……」

「ふぅ~」

 鈴音さんは、諦めた感じのため息をする。

「比叡さん……。稀子さんをこれ以上は責めるのは止めましょう!」
「この年頃子達は、性に興味を持つのが当然ですから!!」

 鈴音さんは仕方が無いと汲み取ったのだろう。

「俺は最初から、怒る気は無いよ…」
「稀子とは恋人関係まで発展しかけた時期が有るし、親友の鈴音さんを思いやる、気持ちだって有るだろうから……」

 俺がそう言うと稀子は……

「でしょ!」
「私は2人を実は心配していたんだよ!!」
「クリスマス・イブだからと言って、羽目を外さないか!?」

(稀子……それは今、咄嗟に付けた理由だろ?)
(けど、此処で稀子が“へま”してくれたから、良かったと言うべきか?)

 稀子の覗き見は別にして、あの時“くしゃみ”をしなければ、俺と鈴音さんの体の関係はかなり進展したと思う。
 俺はそれでも良かったが、お子ちゃまの稀子には刺激が強すぎるはずだ。

 俺のを出して、鈴音さんに触って貰う等をしていたら、稀子は鼻血ブーに成るか、ドア向こうで自慰を始めるかも知れなかった!?
 そう成ってくると、流石に真理江さんも異変に気付き始めるし、幾ら恋人関係とは言え、鈴音さんが学園生で有る以上、性行為が本当に適した年齢とは言いにくいからだ。

「稀子…。怒りはしないが、聞き耳や覗きだけは勘弁してくれ!」
「人の行為が気に成るのは、俺も理解は出来るが、1人の人として……」

「あはは……。そうだね///」
「私なりにも2人の展開は気に成っていたけど、比叡君、鈴ちゃん。ごめんね///」

 稀子は俺と鈴音さんに謝る。
 今回はこれで俺は許すが、次回も同じ事をしたら、お仕置きが必要かも知れない?

「稀子さんも……1人の女性なんですね」
「でも……聞き耳を立てるのは宜しく無いです///」

 鈴音さんも、これで許すそうだ。
 鈴音さんとのラブラブタイムを邪魔されたには違いないが、俺も少し焦りすぎかと思った……
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