偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

文字の大きさ
上 下
143 / 434
【R-15】鈴音編 第2章

第141話 クリスマス・イブと言えば…… その1

しおりを挟む
 季節も12月に入って、あっという間に時が過ぎていく……
 気付けば、明日はもうクリスマス・イブで有った。
 鈴音さんや稀子は、明日の午後から冬休みに入る。

 鈴音さんや稀子は本来、受験生に成るのだから、冬休みなんて有っても無い様な物だが、鈴音さん達は推薦を貰っているし、学園系列の大学だから、ややこしい試験等をしなくても良いらしい。この辺が私立学園の良い所で有る。

(しまったな……すっかり、忘れていたな…)

 俺は明日が、クリスマス・イブだと言うのに、鈴音さんへのクリスマスプレゼントの準備を全くしていなかった。
 鈴音さんは俺に物をねだってくる人でもないし、鈴音さんに特別な趣味が有る訳でも無い。

(釣りもあれ以来は、していないからな…)

 先月の終わり頃…。海釣り公園で釣りデビューをした鈴音さんだったが、それ以降は余り関心を示さなかった。
 時期も冬の時期に入って、この近海は海釣り公園でも波は荒いらしいし、幾ら貸し竿が有っても、軽装で釣りを楽しむ時期では無い。

(けど……何も、渡さないのも不味いよな!)

 俺は今日。偶々アルバイトを休暇にしたので時間は有る。

(鈴音さん、稀子が学園の間にプレゼントを買いに行くか!)

 俺は急遽、鈴音さんのクリスマスプレゼントを買うために、市街地に向かう事にした。

 ……

 本当の地方都市だが、運が良いのか悪いのかは判らないが、駅周辺に女性向けのアクセサリーショップが有ったので、俺は其処に入ってペンダントを買う。
 買ったペンダントは、雪の結晶をモチーフにしたシルバーペンダントだった。
 時期も冬だし、不思議と鈴音さんのイメージと重なったのでこれにした。

 俺はアルバイトの身分だし、金銭的にも余裕は無いので、福沢さんが数枚で済む、このペンダントを買ってプレゼント用に包装して貰う。
 鈴音さんがペンダントや装飾類を、積極的に付けて居る場面を余り見ないが、その辺を深く考えずに買ってしまった…!

(鈴音さんの性格からして、拒否される事は無いと思うが、喜んで貰えるかな…?)

 元々、言葉遣いや仕草からして、お嬢様の雰囲気は感じては居たが、その容姿は見掛けでは全く出ていなかった。
 本当にゲームや漫画に出て来る様な、質素な美少女で有った。
 服装も高そうな感じのする服は無さそうだし、今有る物を工夫して、暮らす人にも見える。

(何も、渡さないよりかはマシだ!)

 俺はそう思い、用事も済んだ事から、家に戻った……

 ☆

 今日は、クリスマス・イブ。
 真理江さん、鈴音さんや稀子、俺の四人で今夜はパーティーが行われる。
 何時もより少し早めにアルバイトが終わって、俺は家に帰ってくると学園から戻って来た、鈴音さん稀子が、今夜の準備を進めていた。

 今夜のメニューは事前に決まっていて、鈴音さんがクリームシチュー、玉子サラダを担当して、稀子がフライドチキン代わりに、鶏の唐揚げとフライドポテトを担当らしいが、その前に……二人共同でクリスマスケーキを作っていた!
 それを見た俺は二人に声を掛ける。

「凄いね…。クリスマスケーキまで自分らで作るんだ!」

「比叡君!」
「作ると言っても、市販のスポンジケーキをデコレーションするだけだよ♪」

 稀子は生クリームを泡立て器で掻き混ぜていた。
 稀子はそう言うが、生クリームや苺などのフルーツ。サンタさん類の飾りを用意するだけも結構大変だろう……

「比叡君は知らないだろうけど、私はね生クリーム。控えめな甘さが好きなの♪」
「最近のケーキも甘さ控えめだけど、私好みで調整出来るのが良いね♪」

 稀子はそう言って、ホィップしたばかりの生クリームをスプーンですくって、味見か摘まみ食いをしている!?

「うん、この味だ!!」
「ミルクの風味と甘さのバランスが絶妙~~♪」

 稀子がそう言う中、鈴音さんは台所で、ケーキに挟んだり乗せたりするフルーツを用意していた。

「鈴音さん、稀子!」
「俺にも手伝える事は無いかな?」

りんちゃん!」
「比叡君に手伝って貰う事有る?」

「……今のところは大丈夫ですね!」
「時間もまだ、余裕が有りますし」

「比叡君がどうしても手伝いたければ、手伝っても良いよ♪」

 稀子はそう言うが俺は美的センスが無いし、無理して手伝わなくても良いかと俺は感じる。

「じゃあ、俺は一旦部屋に戻るね」
「何か有ったら呼んでね!」

「うん、分かった~~♪」

「はい! 比叡さん!!」
「手伝って欲しい事が有りましたら、連絡します」

 俺はそう言って部屋に戻る。
 今夜はクリスマスパーティーだから、夜の勉強は多分出来ない。
 今の内に少しでも勉強を進めておこうと思い、俺は机に向かった……
しおりを挟む
感想 5

あなたにおすすめの小説

貞操逆転世界なのに思ってたのとちがう?

イコ
恋愛
貞操逆転世界に憧れる主人公が転生を果たしたが、自分の理想と現実の違いに思っていたのと違うと感じる話。

【完結】蓬莱の鏡〜若返ったおっさんが異世界転移して狐人に救われてから色々とありまして〜

月城 亜希人
ファンタジー
二〇二一年初夏六月末早朝。 蝉の声で目覚めたカガミ・ユーゴは加齢で衰えた体の痛みに苦しみながら瞼を上げる。待っていたのは虚構のような現実。 呼吸をする度にコポコポとまるで水中にいるかのような泡が生じ、天井へと向かっていく。 泡を追って視線を上げた先には水面らしきものがあった。 ユーゴは逡巡しながらも水面に手を伸ばすのだが――。 おっさん若返り異世界ファンタジーです。

俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜

ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。 そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、 理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。 しかも理樹には婚約者がいたのである。 全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。 二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。

桜庭かなめ
恋愛
 高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。  4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。  総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。  いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。  デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!  ※特別編3が完結しました!(2024.8.29)  ※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。  ※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです

新条 カイ
恋愛
 ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。  それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?  将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!? 婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。  ■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…) ■■

極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~

恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」 そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。 私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。 葵は私のことを本当はどう思ってるの? 私は葵のことをどう思ってるの? 意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。 こうなったら確かめなくちゃ! 葵の気持ちも、自分の気持ちも! だけど甘い誘惑が多すぎて―― ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。

偽装夫婦

詩織
恋愛
付き合って5年になる彼は後輩に横取りされた。 会社も一緒だし行く気がない。 けど、横取りされたからって会社辞めるってアホすぎません?

社長室の蜜月

ゆる
恋愛
内容紹介: 若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。 一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。 仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。

処理中です...