偶然出会った少女にお願い事をされたから、受け入れる事にしたら人生が変わった!

小春かぜね

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【R-15】鈴音編 第2章

第135話 海釣り公園 その1

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 水族館から出た後、俺達は水族館周辺を散策する事にした。

「やっぱり、お休みだけ有って、人は多いね~~♪」

 稀子は、周りの人達を見ながらそう言う。
 天気も良いのも有るから、人手も多い。

「比叡さん。この後は、どうするのですか?」

「……どうしようね?」

 本来の予定は水族館で1日を過ごして、その後は、少し周辺散策をして終わるつもりで有った。
 しかし、それは二人のプランで有って、稀子の事は考慮していない。

 急遽、稀子と共に行動しているから、鈴音さんもそれに歩調を合わせ、少し早めのペースで回ったと、俺にだけ愚痴をこぼしてくれた。

 俺達は今、海釣り公園付近を歩いている。
 其処には、家族連れや男性達が釣りを楽しんでいるが、俺は釣りを数える程しか、した事が無い。

「ねぇ! 比叡君!!」
「まだ、時間は有るのでしょ?」

 海釣り公園に来た途端、稀子が俺に聞いてくる。

「有る事は有るけど……、何かしたい事が有るの?」

「比叡君!」
「お天気も良いし、釣りをやっていこうよ!!」
「もしかしたら、晩ご飯が豪勢に成るかもよ~♪」

「えっ、釣り?」
「けど……俺は釣りの経験なんて数える程しか無いし、そもそも釣竿も何も無いよ!」

 稀子は釣りをしたいらしいが、稀子は釣りをやった事が有るのか?
 その前に、釣竿や餌等が無ければ釣りは出来ない。

「稀子さんは何時も、突発的ですね……」

 鈴音さんも、“やれやれ”の表情をしている。稀子の発言に呆れている感じだ。

「もぅ!」
「比叡君も、りんちゃんも、私の説明を最後まで聞いてよ!!」

「此処の海釣り公園は、釣竿の貸し出しもしているんだよ!」
「だから、手ぶらでも釣りは出来るのだよ!!」
「私、事前に調べたから!!!」

「あっ、そうなの、稀子?」
「そんな感じには見えないけど……」

 俺は海釣り公園の方を見るが……、そんな感じで有る様には見えなかった。

「その前に、稀子は釣りの経験は有るの?」

「うん!」
「有るよ!!」

 稀子は笑顔で言う。

「私の実家近くに綺麗な川が有って、学園に入園する前までは、良く渓流釣りをしていた!」
「後、月に1回位は、お父さんと一緒に海釣りもしていたよ♪」

 なんと、稀子は渓流釣りの経験者で有った。更に海釣りの経験まで有る!?
 稀子に、そんな趣味が有ったなんて!!

「私も……初めて聞きました。稀子さんとの親友関係も大分重ねているのに…」

 鈴音さんがそう言うと、稀子は少しトーンを落としながら話し始める。

「……本当はね、鈴ちゃんと出会った当時に、釣りに誘おうとはしたんだ!」
「だけどね……私の両親が、絶対に駄目と言われた…」

「渓流釣りは事故のリスクがどうしても有るし、あの頃の鈴ちゃんは、美作家の鈴ちゃんだからね…」
「私の両親は、鈴ちゃんを怪我させた時の事を考えて、そう言ったと思う…」

(稀子も……鈴音さんが、お嬢様だった事は知っていたのか?)
(まぁ……当たり前だわな。田舎の公立中学校だから、直ぐに情報が伝達する)

(それにしても、良く稀子を友達にする事を、あの鈴音さんの父親が許したな?)

「だからね。鈴ちゃんの釣り竿には、餌は私が付けて上げるし、鈴ちゃんも釣りデビューしようよ!」

「……///」
「そうだったんですか…」

「稀子さんは、私に釣りを教えたかったのですけど、御両親に反対されていたのですか…?」
「それは、すいません…」

 鈴音さんは、稀子に向かって頭を下げる。

「私は気にしてないから平気だよ!」
「じゃあ、鈴ちゃん。釣りしよう!!」

「大きな魚を一杯釣って、今日はお刺身パーティーだ!!」

(この前向きな性格は、俺も見習わないと行けないな…)

「比叡さん…。それでよろしいですか?」

「俺はそれで良いよ!」

「では、私の初体験で有る、釣りをしましょう!」

 鈴音さんは嬉しく言って、俺達は海釣り公園で釣りをする事に成った!
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