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【R-15】鈴音編 第2章

第131話 両手に花!? その2

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(稀子にも早く、彼氏が出来れば良いのだが、あのタイプは相手をお互い選ぶからな)

 稀子の様な性格だと有る意味、大きな子どもで有った。
 体型もグラマーでは無いし…、一緒にいれば楽しい子では有るが……

(今、身近な異性は俺しか居ないし、それに稀子は元カノだったな…)

 すっかり記憶から抜けていたが、稀子とは一応、恋人関係が有った事を思い出す。

(稀子とはキスをして、俺が服の上から稀子の体を擦り付けて、それだけで終わってしまったな…)

 きっとあの時から稀子は、山本さん(孝明)が忘れられなかったのだろう。
 あの後……直ぐに、俺を裏切る行為に走り出したし……

(そんな事、思いだしても仕方無いか…。俺は稀子を許してしまったし、稀子も山本さんを諦めた)

(稀子は俺を親友として見て居ると言うが、本当なのかは分からない)
(けど……今度同じ様に、稀子が俺に“ちょっかい”を掛けてきたら、鈴音さんは稀子を絶対に許さないだろう!?)

「比叡君まだ~~~」
りんちゃんも準備終わって、比叡君の部屋の前に居るよ~~?」

(おっと……ちょっと考え事をしていたら、手が止まっていた!!)

「今行くよ~~」

 俺はドア向こうに居る、鈴音さんと稀子に返事をして、急いで準備を済ませた……

 ……

 天気も良くて、絶好の行楽日和で有る。
 もう冬は間近だが、今日は日差しも有って暖かい日に成るそうだ。
 今から向かう水族館は家から車だったら、30分も掛からない場所に有るが、俺は車を持ってないし、レンタカー屋さんも近くに無い。
 家から水族館に向かうには、家近くのバス停からバスに乗って、九尾きゅうお駅に向かい、九尾駅から水族館に直通しているバスに乗り換える。
 文面で書くとこう成る訳だが、実際は大回りをして俺達は行く事に成る。

 普段から三人で動いて居るから、特に会話が盛り上がる事も無く、俺達は水族館に到着する。
 ちなみに、水族館のチケット料金や飲食費は各自で有る。
 鈴音さんは元々割勘派だし、稀子は親友だからと言って驕る必要は無い。
 各自チケットを買って水族館内に入る。

「なんか……比叡君と、みなと水族館に来た時を思い出したよ♪」
「あの時も、楽しかったね♪」

 館内に入った直後、稀子が嬉しそうに声を掛けてきた。

「あ~、有ったね!」
「懐かしいね!!」

「あの時…。比叡君とは水族館に行って、その後は遊園地で遊んだんだよね♪」
「あの時食べた、ハンバーグ。本当に美味しかった~~~😋」

 稀子は俺と、みなと水族館デートをした時の事を、楽しそうに思い出している。

(…稀子の表情はあの頃から、“ちっとも”変わってないよな…)
(あの時俺は……観覧車内で稀子とキスをするつもりだったが、稀子の子ども見たいな性格に驚いて、あの時は出来なかったな…)

 俺は稀子との、みなと水族館デートを思い出していると……、鈴音さんが不満げに声を掛けてきた!

「比叡さん!」
「稀子さんとの楽しい思い出も有るかも知れませんが、私達はこの水族館に来たのです!!」
「早く、行きましょう!!」

 鈴音さんは、俺と稀子の思い出話に、水を差してきた!?

(鈴音さん……“やきもち”焼いている!?)

「あっ、うん。ごめん。鈴ちゃん!」
「比叡君、今は鈴ちゃんの者だからね///」

「私も、うっかりさんだよ//////」

 稀子は困った笑顔をして、鈴音さんに謝っている。

「けど……稀子さんが見せてくれた、ハンバーグは食べてみたかったです…」

 鈴音さんは何故か、ここでハンバーグを言い出す!?
 その言葉聞いた稀子は、鈴音さんをフォローする。

「そうだ! 比叡君!!」
「お昼はハンバーグ食べようよ!!」
「ここも、レストラン有るでしょ!!」

 稀子は此処での昼食に、ハンバーグを提案するが……

「……俺も、それを何気なく考えていて、色々事前に調べたのだけど、此処のレストランは特にハンバーグを名物にしている感じは無いのだよね…」
「それに此処は、レストラン以外にもフードコートが有るから、期待通りの物が出て来るとは限らないよ…」

「あ~~、そっか~~」
「それは残念だね……」

 稀子がその言葉を聞いて、しょんぼりすると……

「稀子さん!」
「私は大丈夫ですから、館内を見て回りましょう!!」

「それにハンバーグは、稀子さんが作る方が、美味しいに決まっています♪」

「鈴ちゃん//////」

(何だかんだで、仲が良いのだな。この二人……)

 俺は素直にそう思った!
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