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【R-15】鈴音編
第117話 離散!? その3
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『渡りに船』とはこう言った事か!?
学園の姉妹校なら、転校・編入試験もスムーズに行ける筈だし、生活に関しては俺も鈴音さんも都会派では無い。俺はどちらかと言うとインドア派だ。
鈴音さんも、頻繁に都市部に遊びに行く感じでは無いし、流行にも興味はない。
俺にとっても、鈴音さんにとっても悪くない話で有る。俺は素直に返事をするべきだと考えていると……
「ねぇ?」
「山本さんのおばさん!」
「どうしたの…?」
「稀子さん」
稀子が山本さんのお母さんに聞く。
「比叡君と鈴ちゃんが、おばさんの妹が住んで居る町に行くなら、私も付いて行きたい!!」
稀子が山本さんのお母さんに、いきなり交渉を始める!?
「えっ……!?」
「稀子さん…。本気で言っているの!?」
「妹の住んでいる町は……この町と比べれば、遙かに不便な町ですよ!?」
山本さんのお母さんは稀子にその様言って、諦めさせようとするが……
「そんなの全然、平気だよ。おばさん!」
「だって、私は鈴ちゃんとは大親友だし、比叡君も親友!」
「私はこの町が特別に好きでは無いし、どちらかと言うと、私の実家が有る様な田舎景色が好き!」
「それに今の時代は、通信販売で大体の物は買えるから、不便さは私の中では感じ無いよ♪」
「ねぇ? おばさん!!」
「こう成ったら、山本さんのおばさんも一緒に行こうよ♪」
「そう成ったら、鈴ちゃんのお父さんも納得するのでは無いかな!!」
稀子は“とんでもない”発言と言いたいが、その方が理に適っているかも知れない……
今。鈴音さんの父親が一番恐れている事は、俺と鈴音さんの関係が深まる事だ。
だから……今回の機会で、鈴音さんを実家に連れ戻そうとした。
俺との関係が深まると、企業の御曹司と鈴音さんを結婚させる策略も崩れる……
山本さんのお母さん。鈴音さん。稀子の3人は、事件や吹聴から逃れて、静かな環境で暮らしたいと言う理由を作れば、鈴音さんの父親も納得するかも知れない?
移転先の町に学園の姉妹校が有る御陰で、不可能な事も可能な事に変わるはずだ。
後は……鈴音さんの気持ち次第だけど……
「お母様。比叡さん。稀子さん……」
ここで鈴音さんが口を開くが、落ち込んだ口調で言い始める。
「お母様の案や、稀子さんの閃きは、とても素晴らしいと思います…」
「でも……そんな案件、私の父が許す訳有りません!」
「それを許す位でしたら、最初から父自らが、そう言った場所を用意して、私と稀子さんを住まわせます!!」
「私は今まで甘やかされて来ましたが、今回、父の意思は非常に固いです!!」
「私が、美作家の運命を握るかも知れない状態で、私を地方の町への引っ越しを許す訳有りません!!」
鈴音さんは、涙を“にじませながら”力強く言う。冷静に考えれば、それはそうだ。
本当に、鈴音さん父親の事業が危ういのなら、そんな事は絶対にさせない!
仮にそれを許すと言う事は、俺との正式な交際や、鈴音さんが他の異性との接触を認める様な行為と変わらないからだ!!
鈴音さんは、感情を抑えるために両手の拳を握りしめていると……
「……鈴音さん」
「鈴音さんはあなたの人生とお家、どちらが大事?」
山本さんのお母さんは、鈴音さんに質問をする。
鈴音さんは即答する!
「そんなの、私の人生に決まっています!!」
「私は今まで、両親に甘やかされながらも、大切に育てられてきましたが、政略結婚の道具にされるために、成長したのでは有りません!!」
「私の意思・行動で動き、自由に生活をして恋愛をして、結婚・家族・老後と過ごして行きたいです!!」
『パチ、パチ、パチ』
拍手をいきなりし出す、山本さんのお母さん!?
「鈴音さんの考えは、本当に素晴らしいわ!」
「孝明が馬鹿な事をしなければこの山本鞄店も、夫が生きていた時以上に、発展したのかも知れないの……本当に残念だわ…」
山本さんのお母さんも、この場で涙を流し始める!?
もう、何がどう成っているのだ!?
「おっ、おばさん……大丈夫ですか?」
俺は思わず、山本さんのお母さんに声を掛ける。
「えぇ……大丈夫です」
「青柳さん…」
「はっ、はい……?」
「鈴音さんの意思を汲み取って、私も妹の住んでいる町に、引っ越しをする決意をしました!」
「……青柳さんは、どうされますか?」
「私達に付いて行きますか?」
「それとも……この町に留まりますか……?」
「おばさん……俺も付いて行って、本当に大丈夫ですか?」
山本さんお母さんは、微笑んで言ってくれる。
「男手は居ないより、居た方が嬉しいです!」
「それにその方が、鈴音さんや稀子さんが喜ぶはずです!!」
「おばさん……」
俺も何故か……目に涙が溜まって来る!!
あれ? 感動しているのか!?
「皆さんが宜しければ、俺もお供させて貰います…」
俺がみんなの前でそう言うと……
「良かったね~~。鈴ちゃん!」
「比叡君も一緒だよ~~」
「キャッ!」
稀子は鈴音さんに急に抱きつく!!
「もぁ~~、稀子さん。急に抱きつかないで下さい!!」
「びっくりします///」
「そんな事言っているけど何故か、顔は嬉しそうだよ鈴ちゃん!!」
「//////」
「そっ、そんな事言う稀子さんだって、私以上に喜んで居るでは無いですか!!」
「比叡さんは、絶対に渡しませんからね///」
「!!!」
鈴音さんは稀子の前で、俺に好意が有る事を伝える!?
この人の本当の気持ちは、どれが本当だろうか???
山本さんお母さんの妹が住んでいる町に、俺を含めて引っ越す事が決まりそうだった。
後は鈴音さんの両親が……この行為をどう判断するのだろうか?
学園の姉妹校なら、転校・編入試験もスムーズに行ける筈だし、生活に関しては俺も鈴音さんも都会派では無い。俺はどちらかと言うとインドア派だ。
鈴音さんも、頻繁に都市部に遊びに行く感じでは無いし、流行にも興味はない。
俺にとっても、鈴音さんにとっても悪くない話で有る。俺は素直に返事をするべきだと考えていると……
「ねぇ?」
「山本さんのおばさん!」
「どうしたの…?」
「稀子さん」
稀子が山本さんのお母さんに聞く。
「比叡君と鈴ちゃんが、おばさんの妹が住んで居る町に行くなら、私も付いて行きたい!!」
稀子が山本さんのお母さんに、いきなり交渉を始める!?
「えっ……!?」
「稀子さん…。本気で言っているの!?」
「妹の住んでいる町は……この町と比べれば、遙かに不便な町ですよ!?」
山本さんのお母さんは稀子にその様言って、諦めさせようとするが……
「そんなの全然、平気だよ。おばさん!」
「だって、私は鈴ちゃんとは大親友だし、比叡君も親友!」
「私はこの町が特別に好きでは無いし、どちらかと言うと、私の実家が有る様な田舎景色が好き!」
「それに今の時代は、通信販売で大体の物は買えるから、不便さは私の中では感じ無いよ♪」
「ねぇ? おばさん!!」
「こう成ったら、山本さんのおばさんも一緒に行こうよ♪」
「そう成ったら、鈴ちゃんのお父さんも納得するのでは無いかな!!」
稀子は“とんでもない”発言と言いたいが、その方が理に適っているかも知れない……
今。鈴音さんの父親が一番恐れている事は、俺と鈴音さんの関係が深まる事だ。
だから……今回の機会で、鈴音さんを実家に連れ戻そうとした。
俺との関係が深まると、企業の御曹司と鈴音さんを結婚させる策略も崩れる……
山本さんのお母さん。鈴音さん。稀子の3人は、事件や吹聴から逃れて、静かな環境で暮らしたいと言う理由を作れば、鈴音さんの父親も納得するかも知れない?
移転先の町に学園の姉妹校が有る御陰で、不可能な事も可能な事に変わるはずだ。
後は……鈴音さんの気持ち次第だけど……
「お母様。比叡さん。稀子さん……」
ここで鈴音さんが口を開くが、落ち込んだ口調で言い始める。
「お母様の案や、稀子さんの閃きは、とても素晴らしいと思います…」
「でも……そんな案件、私の父が許す訳有りません!」
「それを許す位でしたら、最初から父自らが、そう言った場所を用意して、私と稀子さんを住まわせます!!」
「私は今まで甘やかされて来ましたが、今回、父の意思は非常に固いです!!」
「私が、美作家の運命を握るかも知れない状態で、私を地方の町への引っ越しを許す訳有りません!!」
鈴音さんは、涙を“にじませながら”力強く言う。冷静に考えれば、それはそうだ。
本当に、鈴音さん父親の事業が危ういのなら、そんな事は絶対にさせない!
仮にそれを許すと言う事は、俺との正式な交際や、鈴音さんが他の異性との接触を認める様な行為と変わらないからだ!!
鈴音さんは、感情を抑えるために両手の拳を握りしめていると……
「……鈴音さん」
「鈴音さんはあなたの人生とお家、どちらが大事?」
山本さんのお母さんは、鈴音さんに質問をする。
鈴音さんは即答する!
「そんなの、私の人生に決まっています!!」
「私は今まで、両親に甘やかされながらも、大切に育てられてきましたが、政略結婚の道具にされるために、成長したのでは有りません!!」
「私の意思・行動で動き、自由に生活をして恋愛をして、結婚・家族・老後と過ごして行きたいです!!」
『パチ、パチ、パチ』
拍手をいきなりし出す、山本さんのお母さん!?
「鈴音さんの考えは、本当に素晴らしいわ!」
「孝明が馬鹿な事をしなければこの山本鞄店も、夫が生きていた時以上に、発展したのかも知れないの……本当に残念だわ…」
山本さんのお母さんも、この場で涙を流し始める!?
もう、何がどう成っているのだ!?
「おっ、おばさん……大丈夫ですか?」
俺は思わず、山本さんのお母さんに声を掛ける。
「えぇ……大丈夫です」
「青柳さん…」
「はっ、はい……?」
「鈴音さんの意思を汲み取って、私も妹の住んでいる町に、引っ越しをする決意をしました!」
「……青柳さんは、どうされますか?」
「私達に付いて行きますか?」
「それとも……この町に留まりますか……?」
「おばさん……俺も付いて行って、本当に大丈夫ですか?」
山本さんお母さんは、微笑んで言ってくれる。
「男手は居ないより、居た方が嬉しいです!」
「それにその方が、鈴音さんや稀子さんが喜ぶはずです!!」
「おばさん……」
俺も何故か……目に涙が溜まって来る!!
あれ? 感動しているのか!?
「皆さんが宜しければ、俺もお供させて貰います…」
俺がみんなの前でそう言うと……
「良かったね~~。鈴ちゃん!」
「比叡君も一緒だよ~~」
「キャッ!」
稀子は鈴音さんに急に抱きつく!!
「もぁ~~、稀子さん。急に抱きつかないで下さい!!」
「びっくりします///」
「そんな事言っているけど何故か、顔は嬉しそうだよ鈴ちゃん!!」
「//////」
「そっ、そんな事言う稀子さんだって、私以上に喜んで居るでは無いですか!!」
「比叡さんは、絶対に渡しませんからね///」
「!!!」
鈴音さんは稀子の前で、俺に好意が有る事を伝える!?
この人の本当の気持ちは、どれが本当だろうか???
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