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【R-15】鈴音編
第114話 鈴音の本音 その2
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「鈴音さん……」
「俺の事を好き成った理由を、教えてくれますか……?」
俺が鈴音さんにそう言った直後……
「比叡さん…。私が答える前に、私の質問に答えてくれますか?」
「あっ……はい」
「比叡さんは、稀子さんと関係を持っていました」
「稀子さんが比叡さんを裏切って、孝明さんに近づき、関係を再度深めようとしました」
「何故? 比叡さんはそれを止めなかったのですか!?」
「比叡さんは稀子さんとは付き合っては無くても、それなりの関係でした。それなのに何故?」
鈴音さんは、真面目な表情で聞いてくる。
「……俺は稀子も好きでしたが、それよりもっと鈴音さんが好きに成りました!」
「可愛いし、優しい、包容力も有る。稀子と比べて、鈴音さんが全てを上回りました!!」
「あの時の稀子は、本当に俺を裏切るつもりでしたし、俺も稀子には愛想をつきかけていた」
「軽い気持ちで……鈴音さんと仲良くなれて、関係が深められたら良いと思っていたら、本当に実現してしまった……」
「それが、稀子を力尽くで止めなかった理由です……」
俺がそう言い終えると、静かに聞いて居た鈴音さんは口を開く。
「比叡さん……。私も比叡さんと似た様な感じです」
「あの時の孝明さんは、私を追い詰めようとしていました」
「稀子さんが本心で私との距離を開けたのか、孝明さんの命令で開けたのかは判りません」
「これに関しては孝明さんに聞くしか有りませんが……聞いても仕方無いですね。終わってしまった関係です…」
「私の中でも、孝明さんに対する不満は有りました」
「でも、決定打に成ったのは、比叡さんの支援を全面的に打ち切って、更に町から追い出そうとした事です!」
「私は……それが余りにも不憫に思い、比叡さんに近づき、関係が出来てしまいました…」
「結果は……最悪の展開と言うべきですが、私は孝明さんとの関係が解消しました」
「比叡さんの気持ちを受け入れたのは、孝明さんや稀子さんに対する、私からの“ささやかな”仕返しでは無いかと感じています……」
「……」
(ささやかな、仕返しか……)
(鈴音さんが俺を好きに成った理由は、行きずりの関係だった訳か…)
俺は本気で鈴音さんを愛しているが、鈴音さんは其処まで愛している感じでは無い。
敏行さんの前では山本さんとは縁を切って、俺とは恋人関係だと宣言はしたが、咄嗟に出た言葉の可能性も否定出来ない……
「比叡さん……。そろそろ、このお話は止めませんか?」
「お昼ご飯も作りたいし、それに……私の中では、まだ完全には解消していませんから……」
鈴音さんは、疲れた表情をしながら言う。
でも、後1つだけ、本当に聞きたい事が有った。
「鈴音さんは、本当に俺の事が好きなんですか?」
「それとも、同情で好きに成って、偶々恋人関係に発展したのですか?」
「ちなみに俺は、鈴音さんの事が本当に好きです!」
「稀子とは親友関係を復縁しましたが、俺が稀子を、再度好きに成る事は二度と有りません!!」
俺はテレビドラマの見せ場の様に格好良く『キリッ』とした表情で、鈴音さんを真正面に見据えて言う。
ドラマの世界なら、俺の事を本当に『好き』と言ってくれる筈だが……
「……」
鈴音さんは目を大きく見開いて、俺の事を無言で見ている。
これは、びっくりしているのか、呆れ返っている、どちらだろうか?
すると……鈴音さんは寂しい表情に成ってしまう!?
「……比叡さんの気持ちは嬉しいです…」
「きっと、愛情の気持ちが、孝明さんより大きいかも知れません…」
「私が比叡さんに対する愛情は……好きと言う気持ちより、助けて挙げなければの気持ちの方が大きいです…。ごめんなさい……」
鈴音さんはそう言って、申し訳なさそうに頭を下げる!!
もしかして俺、振られた!!?
「でも、比叡さん…。私は比叡さんが側に居て欲しいです」
「その方が稀子さんも喜びますし、男手の居ない今の状況では、不便な場面も多いです」
「それに……私は、比叡さんが保育士さんに成るのを、心の底から応援しています!」
「私を異性として見てくれるのは凄く嬉しいのですが……、比叡さんを異性の対象としては完全に見てはいません…」
「……」
(……稀子と良く状況が似ているな)
(保育士に成るのは応援するけど、異性の関係は持たない)
(稀子の時は稀子が離れて行ったが、鈴音さんの場合は一応、恋人関係だ!)
(鈴音さんの場合……本心では、好きでは無いと言う事か…?)
「そう言う事です…。比叡さん」
「では、台所をお借りして、昼食の準備を始めます」
鈴音さんは静かに立ち上がり、昼食の用意を始める。
昼食はパスタと、家から作って持って来たサラダだそうだ。
俺は台所で料理する、鈴音さんの後ろ姿を眺めている……
(俺って、やっぱり魅力が無いのかな…)
(有れば……とうの昔にあれを捨てているよな……)
(学園生の時も、好きな子と良い関係までは言ったが、結局振られてしまった……)
鈴音さんの可愛い後ろ姿を見ながら、俺はどうすれば、本当に人を振り向かせる事が出来るのかを考えた……
……
昼食後は、鈴音さんとお家デートを続けていたが突然、稀子が俺の家に遊びに来て、デートと鈴音さんの本音は、有耶無耶に成って終わってしまう……
3人で俺の家で遊んでから、山本さんの家に行って、晩ご飯を作って、食べて、俺がアパートに戻る時間に成る。鈴音さんが玄関まで見送りに来てくれる。
「鈴音さん…」
「はい」
「俺の気持ちは本気ですから……」
「はい…」
「私も何時かは、比叡さんの気持ちを受け止めます…」
……
これが、俺に対する鈴音さんの気持ちで有った。
時間を掛けて……恋を成就させるしか、道は無いのかも知れない……
「俺の事を好き成った理由を、教えてくれますか……?」
俺が鈴音さんにそう言った直後……
「比叡さん…。私が答える前に、私の質問に答えてくれますか?」
「あっ……はい」
「比叡さんは、稀子さんと関係を持っていました」
「稀子さんが比叡さんを裏切って、孝明さんに近づき、関係を再度深めようとしました」
「何故? 比叡さんはそれを止めなかったのですか!?」
「比叡さんは稀子さんとは付き合っては無くても、それなりの関係でした。それなのに何故?」
鈴音さんは、真面目な表情で聞いてくる。
「……俺は稀子も好きでしたが、それよりもっと鈴音さんが好きに成りました!」
「可愛いし、優しい、包容力も有る。稀子と比べて、鈴音さんが全てを上回りました!!」
「あの時の稀子は、本当に俺を裏切るつもりでしたし、俺も稀子には愛想をつきかけていた」
「軽い気持ちで……鈴音さんと仲良くなれて、関係が深められたら良いと思っていたら、本当に実現してしまった……」
「それが、稀子を力尽くで止めなかった理由です……」
俺がそう言い終えると、静かに聞いて居た鈴音さんは口を開く。
「比叡さん……。私も比叡さんと似た様な感じです」
「あの時の孝明さんは、私を追い詰めようとしていました」
「稀子さんが本心で私との距離を開けたのか、孝明さんの命令で開けたのかは判りません」
「これに関しては孝明さんに聞くしか有りませんが……聞いても仕方無いですね。終わってしまった関係です…」
「私の中でも、孝明さんに対する不満は有りました」
「でも、決定打に成ったのは、比叡さんの支援を全面的に打ち切って、更に町から追い出そうとした事です!」
「私は……それが余りにも不憫に思い、比叡さんに近づき、関係が出来てしまいました…」
「結果は……最悪の展開と言うべきですが、私は孝明さんとの関係が解消しました」
「比叡さんの気持ちを受け入れたのは、孝明さんや稀子さんに対する、私からの“ささやかな”仕返しでは無いかと感じています……」
「……」
(ささやかな、仕返しか……)
(鈴音さんが俺を好きに成った理由は、行きずりの関係だった訳か…)
俺は本気で鈴音さんを愛しているが、鈴音さんは其処まで愛している感じでは無い。
敏行さんの前では山本さんとは縁を切って、俺とは恋人関係だと宣言はしたが、咄嗟に出た言葉の可能性も否定出来ない……
「比叡さん……。そろそろ、このお話は止めませんか?」
「お昼ご飯も作りたいし、それに……私の中では、まだ完全には解消していませんから……」
鈴音さんは、疲れた表情をしながら言う。
でも、後1つだけ、本当に聞きたい事が有った。
「鈴音さんは、本当に俺の事が好きなんですか?」
「それとも、同情で好きに成って、偶々恋人関係に発展したのですか?」
「ちなみに俺は、鈴音さんの事が本当に好きです!」
「稀子とは親友関係を復縁しましたが、俺が稀子を、再度好きに成る事は二度と有りません!!」
俺はテレビドラマの見せ場の様に格好良く『キリッ』とした表情で、鈴音さんを真正面に見据えて言う。
ドラマの世界なら、俺の事を本当に『好き』と言ってくれる筈だが……
「……」
鈴音さんは目を大きく見開いて、俺の事を無言で見ている。
これは、びっくりしているのか、呆れ返っている、どちらだろうか?
すると……鈴音さんは寂しい表情に成ってしまう!?
「……比叡さんの気持ちは嬉しいです…」
「きっと、愛情の気持ちが、孝明さんより大きいかも知れません…」
「私が比叡さんに対する愛情は……好きと言う気持ちより、助けて挙げなければの気持ちの方が大きいです…。ごめんなさい……」
鈴音さんはそう言って、申し訳なさそうに頭を下げる!!
もしかして俺、振られた!!?
「でも、比叡さん…。私は比叡さんが側に居て欲しいです」
「その方が稀子さんも喜びますし、男手の居ない今の状況では、不便な場面も多いです」
「それに……私は、比叡さんが保育士さんに成るのを、心の底から応援しています!」
「私を異性として見てくれるのは凄く嬉しいのですが……、比叡さんを異性の対象としては完全に見てはいません…」
「……」
(……稀子と良く状況が似ているな)
(保育士に成るのは応援するけど、異性の関係は持たない)
(稀子の時は稀子が離れて行ったが、鈴音さんの場合は一応、恋人関係だ!)
(鈴音さんの場合……本心では、好きでは無いと言う事か…?)
「そう言う事です…。比叡さん」
「では、台所をお借りして、昼食の準備を始めます」
鈴音さんは静かに立ち上がり、昼食の用意を始める。
昼食はパスタと、家から作って持って来たサラダだそうだ。
俺は台所で料理する、鈴音さんの後ろ姿を眺めている……
(俺って、やっぱり魅力が無いのかな…)
(有れば……とうの昔にあれを捨てているよな……)
(学園生の時も、好きな子と良い関係までは言ったが、結局振られてしまった……)
鈴音さんの可愛い後ろ姿を見ながら、俺はどうすれば、本当に人を振り向かせる事が出来るのかを考えた……
……
昼食後は、鈴音さんとお家デートを続けていたが突然、稀子が俺の家に遊びに来て、デートと鈴音さんの本音は、有耶無耶に成って終わってしまう……
3人で俺の家で遊んでから、山本さんの家に行って、晩ご飯を作って、食べて、俺がアパートに戻る時間に成る。鈴音さんが玄関まで見送りに来てくれる。
「鈴音さん…」
「はい」
「俺の気持ちは本気ですから……」
「はい…」
「私も何時かは、比叡さんの気持ちを受け止めます…」
……
これが、俺に対する鈴音さんの気持ちで有った。
時間を掛けて……恋を成就させるしか、道は無いのかも知れない……
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