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【R-15】鈴音編
第112話 副総長 敏行 その2
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「鈴音さん!」
「先ほどは、すいませんでした!!」
敏行は、鈴音さんに頭を下げて謝り出す!?
「私は良いですけど……殴られた比叡さんにも謝って下さい!」
鈴音さんは、語気を強めて言う。
顔も姿も可愛らしいのに……今の鈴音さんは、レディースの頭に見えてしまう!?
鈴音さんを本気で怒らせると、こう成ってしまうのか?
鈴音さんに言われた敏行は、俺の元に来る。
「あんた悪ぃな……。そんな事情とは知らずに急に殴って…」
俺に対しての謝り方が軽い気がするが、話を聞きたいからそのまま流す。
「副総長さん…。俺と鈴音さんが逃げた事で、元チームが俺達を探していた事は本当なんですか?」
俺がそう敏行に聞くと、敏行は開き直った態度で言う。
「あぁ、そうだ!」
「総長命令で、君達を探した!!」
「どうして、其処までの大事にしたんですか!?」
「あなた達は、俺達より年上では無いですか?」
「……そんなの、俺が総長に聞きたいよ!」
「鈴音さんが其処まで魅力だったのか…、只単に、鈴音さんを奪ったお前さんを許せなかったか、その辺は総長聞かないと分らん!」
「まぁ……幸いと言うべきか、総長だけがドジを踏んでくれた御陰で、他の仲間には何も迷惑は掛かってない」
「もし……本当に総長がお仕置きを行っていたら、かなりの人数が、今後の人生に影響を及ぼしていた……」
「……」
俺が黙って聞いていると、鈴音さんが敏行に質問をする。
「敏行さんは何故、孝明さんの言う事を聞いたのですか?」
「チームは解散しているから、断わる事も出来たのでは?」
すると敏行は『言わせんなよ!』の顔をする。
「俺達の世界は、上下関係の世界だからだよ!」
「チームが解散しても上下関係だけは残る。これが良いという奴も居れば、嫌がる奴も多い。腐れ縁って奴で、一生続くからな!」
「しかし、俺は総長を男としてみていた!」
「だからこそ、俺は総長の言う事を聞いてしまった!!」
「カラスが白いと総長が言ったら、黒いカラスでもカラスは白に成る!」
「まぁ…、これは暴走族の世界だけで無く、権力者の世界では当たり前だがな!」
「俺は元チームメンバーに、お前らを探すために声を掛けたが、昔の仲間達からも非協力的な発言が相次いだ!」
「俺だって……そんな馬鹿をやっては行けないとは感じたが、昔を思い出したのかも知れない……」
「敏行さん……」
稀子は何も言わずに、俺達の状況を見ている。
山本さんのお母さんも、外に出て来るかと思ったが、出ては来ない。
「……今回の事は、協力してくれた仲間達や昔の仲間達に全て伝えるよ」
「同時に…、今後お前らを見つけても、手も口も出さない事も命令する!」
「何がしたかったのだろうな、総長は……」
「まぁ、これで、朱海蝲蛄は本当に完全解散だ!」
「俺も、この場で副総長はお終いだ!!」
「元総長が今後、元チームの仲間に声を掛けても、総長命令で動く奴は居ないだろう。俺も同じだ!!」
「じゃあな、お前ら!!」
そして、敏行さんは夜道に姿を消した……
それを確認した稀子が、急ぎ足で俺と鈴音さんの元に駆け寄って来る。
「大丈夫! 鈴ちゃん!!」
「えぇ……私は大丈夫ですか、比叡さんが……」
「比叡君……うぁ!!」
稀子は、頬を抑えている俺を見る。
殴られたのは1発だけだが…、やはりと言うか喧嘩のプロが殴る奴だから、1発だけでもかなりダメージは大きい……。これが数発殴られていたらズタボロにされただろう。
「比叡君!!」
「取り敢えず、殴られた所を冷やした方が良いよ!!」
稀子はそう言って、俺の腕を引っ張る。
「比叡さん……家に戻って治療をしましょう!」
俺は鈴音さんと稀子に連れられて、山本さんの家に戻った……
……
幸い……口の中は少し切れたが、歯が折れる事やぐらついている感じも無く、頬に湿布が貼られる。
数日もすれば腫れは引くはずだが、明日のこの格好でアルバイトに行くのも恥ずかしな。
敏行さんから暴行を受けたのだから、警察に通報すれば良かったのだが、鈴音さんに止められた。
『これ以上、事を大きくしないで下さい…』と言われてしまう。
山本さんにも新たな罪が増えるし、山本さんのお母さんにも影響が必ず出る。これ以上事が大きくなると、鈴音さんや稀子にも良い状況が生まれないからだ。
アルバイト先にこの怪我を聞かれたら、彼女と喧嘩して平手打ちを喰らったとでも言っておこう……鈴音さんには悪いけど。
怪我の治療をした後は、お茶を頂いたが、怪我をしたばかりなので良く染みる。
お茶を頂いた後、俺はアパートに戻る。
アパートに戻った俺は、やる気が起きなかったので、直ぐに布団を敷いて寝転がる。
そして、考える……
(俺と鈴音さんの関係は、どんな関係だろうか?)
(鈴音さんの彼氏で有る事は間違い無いが、本当の彼氏・彼女とは言えない)
(鈴音さんが山本さんと付き合っていたが、鈴音さんが山本さんの何処に惚れたかは教えて貰っていない……)
「一度、この関係をはっきりさせないとな…」
俺としてはこのまま、鈴音さんと結婚をして、家庭を築きたいと思っているが、鈴音さんが其処までの事を考えて居るかは不明だ。
1年半後には山本さんが出所してくる。
その間に俺と鈴音さんの関係を完全に作り上げないと、優しい鈴音さんだから、山本さんに寝返る可能性も否定出来ない!!
この数ヶ月が勝負だと、俺は感じてその日は眠りに就いた……
「先ほどは、すいませんでした!!」
敏行は、鈴音さんに頭を下げて謝り出す!?
「私は良いですけど……殴られた比叡さんにも謝って下さい!」
鈴音さんは、語気を強めて言う。
顔も姿も可愛らしいのに……今の鈴音さんは、レディースの頭に見えてしまう!?
鈴音さんを本気で怒らせると、こう成ってしまうのか?
鈴音さんに言われた敏行は、俺の元に来る。
「あんた悪ぃな……。そんな事情とは知らずに急に殴って…」
俺に対しての謝り方が軽い気がするが、話を聞きたいからそのまま流す。
「副総長さん…。俺と鈴音さんが逃げた事で、元チームが俺達を探していた事は本当なんですか?」
俺がそう敏行に聞くと、敏行は開き直った態度で言う。
「あぁ、そうだ!」
「総長命令で、君達を探した!!」
「どうして、其処までの大事にしたんですか!?」
「あなた達は、俺達より年上では無いですか?」
「……そんなの、俺が総長に聞きたいよ!」
「鈴音さんが其処まで魅力だったのか…、只単に、鈴音さんを奪ったお前さんを許せなかったか、その辺は総長聞かないと分らん!」
「まぁ……幸いと言うべきか、総長だけがドジを踏んでくれた御陰で、他の仲間には何も迷惑は掛かってない」
「もし……本当に総長がお仕置きを行っていたら、かなりの人数が、今後の人生に影響を及ぼしていた……」
「……」
俺が黙って聞いていると、鈴音さんが敏行に質問をする。
「敏行さんは何故、孝明さんの言う事を聞いたのですか?」
「チームは解散しているから、断わる事も出来たのでは?」
すると敏行は『言わせんなよ!』の顔をする。
「俺達の世界は、上下関係の世界だからだよ!」
「チームが解散しても上下関係だけは残る。これが良いという奴も居れば、嫌がる奴も多い。腐れ縁って奴で、一生続くからな!」
「しかし、俺は総長を男としてみていた!」
「だからこそ、俺は総長の言う事を聞いてしまった!!」
「カラスが白いと総長が言ったら、黒いカラスでもカラスは白に成る!」
「まぁ…、これは暴走族の世界だけで無く、権力者の世界では当たり前だがな!」
「俺は元チームメンバーに、お前らを探すために声を掛けたが、昔の仲間達からも非協力的な発言が相次いだ!」
「俺だって……そんな馬鹿をやっては行けないとは感じたが、昔を思い出したのかも知れない……」
「敏行さん……」
稀子は何も言わずに、俺達の状況を見ている。
山本さんのお母さんも、外に出て来るかと思ったが、出ては来ない。
「……今回の事は、協力してくれた仲間達や昔の仲間達に全て伝えるよ」
「同時に…、今後お前らを見つけても、手も口も出さない事も命令する!」
「何がしたかったのだろうな、総長は……」
「まぁ、これで、朱海蝲蛄は本当に完全解散だ!」
「俺も、この場で副総長はお終いだ!!」
「元総長が今後、元チームの仲間に声を掛けても、総長命令で動く奴は居ないだろう。俺も同じだ!!」
「じゃあな、お前ら!!」
そして、敏行さんは夜道に姿を消した……
それを確認した稀子が、急ぎ足で俺と鈴音さんの元に駆け寄って来る。
「大丈夫! 鈴ちゃん!!」
「えぇ……私は大丈夫ですか、比叡さんが……」
「比叡君……うぁ!!」
稀子は、頬を抑えている俺を見る。
殴られたのは1発だけだが…、やはりと言うか喧嘩のプロが殴る奴だから、1発だけでもかなりダメージは大きい……。これが数発殴られていたらズタボロにされただろう。
「比叡君!!」
「取り敢えず、殴られた所を冷やした方が良いよ!!」
稀子はそう言って、俺の腕を引っ張る。
「比叡さん……家に戻って治療をしましょう!」
俺は鈴音さんと稀子に連れられて、山本さんの家に戻った……
……
幸い……口の中は少し切れたが、歯が折れる事やぐらついている感じも無く、頬に湿布が貼られる。
数日もすれば腫れは引くはずだが、明日のこの格好でアルバイトに行くのも恥ずかしな。
敏行さんから暴行を受けたのだから、警察に通報すれば良かったのだが、鈴音さんに止められた。
『これ以上、事を大きくしないで下さい…』と言われてしまう。
山本さんにも新たな罪が増えるし、山本さんのお母さんにも影響が必ず出る。これ以上事が大きくなると、鈴音さんや稀子にも良い状況が生まれないからだ。
アルバイト先にこの怪我を聞かれたら、彼女と喧嘩して平手打ちを喰らったとでも言っておこう……鈴音さんには悪いけど。
怪我の治療をした後は、お茶を頂いたが、怪我をしたばかりなので良く染みる。
お茶を頂いた後、俺はアパートに戻る。
アパートに戻った俺は、やる気が起きなかったので、直ぐに布団を敷いて寝転がる。
そして、考える……
(俺と鈴音さんの関係は、どんな関係だろうか?)
(鈴音さんの彼氏で有る事は間違い無いが、本当の彼氏・彼女とは言えない)
(鈴音さんが山本さんと付き合っていたが、鈴音さんが山本さんの何処に惚れたかは教えて貰っていない……)
「一度、この関係をはっきりさせないとな…」
俺としてはこのまま、鈴音さんと結婚をして、家庭を築きたいと思っているが、鈴音さんが其処までの事を考えて居るかは不明だ。
1年半後には山本さんが出所してくる。
その間に俺と鈴音さんの関係を完全に作り上げないと、優しい鈴音さんだから、山本さんに寝返る可能性も否定出来ない!!
この数ヶ月が勝負だと、俺は感じてその日は眠りに就いた……
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