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【R-15】鈴音編
第109話 後始末 その2
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「青柳さん…」
「今日……鈴音さんと、孝明の面会に行ってきました」
「そうですか…」
何を話したかどうかを聞いても、俺には意味は無さそうだし、そのまま聞き流そうとするが……
「青柳さん…。率直に言います…」
「鈴音さんは……、あなたの手で幸せにして下さい」
「えっ!?」
山本さんのお母さんがそう言うと、鈴音さんも話に加わる。
「比叡さん…」
「今日……。孝明さんと面会して、正式に私と孝明さんは別れました…」
「これで堂々と、比叡さんとはお付き合い出来ます!」
鈴音さんは暗い表情で話すが、声は弾んでいる様にも感じた。
山本さんのお母さんの居る手前か?
「鈴音さん…。それは凄く嬉しいですけど……山本さんは反論しなかったのですか?」
「……全くしませんでした。あれまで、執拗に探して居た割りには……」
「今回事故を起こして……やっと、自分が行っていた行為に、異変を感じたのかも知れません…」
「孝明さんが最後に、私に言った言葉は『好きにしろ…』だけでした…」
「私と孝明さんの関係は…、こんな形で終わってしまいましたが、これでお終いです…」
「俺は……鈴音さんと関係を深められて嬉しいのですが、“おばさん”はそれでよろしいのでしょうか?」
俺は、山本さんのお母さんに話を振る。
山本さんのお母さんは、寂しそうな表情で言い始める。
「それは親としては、良くはないですよ……。鈴音さん見たいな素晴らしい人を諦めなければ成らないのですから…」
「けど……孝明があの時に、鈴音さんに工場の仕事を手伝わせれば良かったのです!」
「孝明と鈴音さんが喧嘩をした日。私は工場に行って、孝明を説得しました!」
「『鈴音さんの熱意に応えてやれ』と私は言いましたが、孝明は最後まで『怪我をする恐れの有る仕事を、鈴音にやらせる訳にはいかん!!』と言い切り、首を縦に振りませんでした…」
「それに……山本鞄店は、近いうちに閉店する事に成るでしょう」
「えっ!?」
俺は一瞬驚くが、直ぐに自分で納得が出来てしまう。
確定ではないが、前科者が作ったランドセルを喜んで買う親は殆ど居ない筈だし、近所の人達にも、何を言われるかは分らない……
「もし…、被害者の方が死亡や後遺傷害が残ってしまいましたら、失効している自賠責保険、人身事故の賠償金額相当は、家屋と土地を売ってでも、被害者に支払わなければ成りません」
「そうで無くても、この町でお店は続ける事は…、難しいと私は感じています!」
俺は思わず鈴音さんの方に顔を向けるが、鈴音さんは何も言わずに黙った聞いて居る。
山本鞄店が閉店の危機なのにそれで良いの!? 鈴音さん…?
「それと、青柳さん…」
「この様な状況に成ってしまいましたので、青柳さんの引っ越しは中止に成ります。相手の方に、入居を断わられてしまいました」
「理由は察しての通りです…。予約した引っ越し業者にもキャンセル料を、こちらから支払って中止とします」
「はぁ……」
(やっぱり、そう成ったか……)
「でも、安心して下さい……。青柳さんに退去が迫られている部屋は、私が大家さんと交渉しまして…、来月から1万円の値上がりに成りますが、その条件で良ければ、今のアパートに住み続ける事は可能だそうです…」
(無職の俺が賃貸なんて借りられないし、月々1万円の追加出費は痛いが、住めるだけマシか)
「俺はその条件で大丈夫です。おばさん、ありがとうございます」
俺は山本さんのお母さんに頭を下げるが、同時に疑問も生まれる。
(店を畳むのは仕方無いにしても、鈴音さんや稀子はどうするのだ?)
(山本さんに実刑判決が本当に下ったら、犯罪者の家に住む子に認定されて、碌な目に遭わないはずだ!!)
「鈴音さんと稀子ちゃん!」
「はい、何でしょうか比叡さん!」
「どうしたの、比叡君?」
「君達は、今後どうするの?」
「言いたくないけど、犯罪者の家から通園すると成ると、色々と陰口が叩かれそうな気がするけど……」
俺がそう言うと、稀子は力強く言い出す!
「比叡君!」
「まだ決まった訳じゃ、ないでしょ~~!」
稀子はそう言い、鈴音さんも……
「私も…、孝明さんの判決が決まるまでは、この家でお世話に成るつもりです!」
「お母様を1人にする訳に行けませんし、私の親友にそんな非道い事を言う親友は居ません!」
「そうだぞ、比叡君!」
「鈴ちゃんを者に出来たからと言って、山本さんを悪人扱いするのは早すぎるぞ!!」
稀子は少し怒り口調で言う。
この状況下でも、稀子は本当に山本さんが好き何だと感じてしまう……
「それと、比叡さん…」
「今日からまた、一緒にご飯を食べませんか?」
「お母様からも、了解を貰っています!」
「えっ、良いのですか?」
「おばさん……」
俺は了承したいが一応、山本さんのお母さんにも確認を取る。
「私は、青柳さんが保育士養成学校の選考に落ちてしまっても、今までと変わらない待遇をするつもりでした」
「孝明が勝手に暴走して、青柳さんを追い詰めたのです!」
「それに今、家には男手が居ません。青柳さんがご迷惑で無ければ是非、ご一緒してくれると……」
「はっ、はい。俺なんかで良ければ!!」
(やった!!)
(また今日から、みんなと一緒に晩ご飯が食べられる!)
(これからの数日間の間は、会話も弾まないと思うけど、少しずつ日常が戻って来るはずだ!!)
「じゃあ、比叡さん!」
「今晩から、よろしくお願いします!」
鈴音さんは“ぺこり”と頭を下げる。
どんな時でも、礼儀正しい子だ!!
「比叡さん!」
「丁度時間ですし早速、晩ご飯を作りましょう♪」
普段はしない腕まくりをして、やけに張り切る鈴音さん!!
「二人共、羨ましね~~」
「ヒュ~、ヒュ~!」
稀子も、俺と鈴音さんの関係を認めてくれる……
住処の問題も何とか解決が出来て、後は山本さん次第だが……俺には日常が戻りつつ有った!!
「今日……鈴音さんと、孝明の面会に行ってきました」
「そうですか…」
何を話したかどうかを聞いても、俺には意味は無さそうだし、そのまま聞き流そうとするが……
「青柳さん…。率直に言います…」
「鈴音さんは……、あなたの手で幸せにして下さい」
「えっ!?」
山本さんのお母さんがそう言うと、鈴音さんも話に加わる。
「比叡さん…」
「今日……。孝明さんと面会して、正式に私と孝明さんは別れました…」
「これで堂々と、比叡さんとはお付き合い出来ます!」
鈴音さんは暗い表情で話すが、声は弾んでいる様にも感じた。
山本さんのお母さんの居る手前か?
「鈴音さん…。それは凄く嬉しいですけど……山本さんは反論しなかったのですか?」
「……全くしませんでした。あれまで、執拗に探して居た割りには……」
「今回事故を起こして……やっと、自分が行っていた行為に、異変を感じたのかも知れません…」
「孝明さんが最後に、私に言った言葉は『好きにしろ…』だけでした…」
「私と孝明さんの関係は…、こんな形で終わってしまいましたが、これでお終いです…」
「俺は……鈴音さんと関係を深められて嬉しいのですが、“おばさん”はそれでよろしいのでしょうか?」
俺は、山本さんのお母さんに話を振る。
山本さんのお母さんは、寂しそうな表情で言い始める。
「それは親としては、良くはないですよ……。鈴音さん見たいな素晴らしい人を諦めなければ成らないのですから…」
「けど……孝明があの時に、鈴音さんに工場の仕事を手伝わせれば良かったのです!」
「孝明と鈴音さんが喧嘩をした日。私は工場に行って、孝明を説得しました!」
「『鈴音さんの熱意に応えてやれ』と私は言いましたが、孝明は最後まで『怪我をする恐れの有る仕事を、鈴音にやらせる訳にはいかん!!』と言い切り、首を縦に振りませんでした…」
「それに……山本鞄店は、近いうちに閉店する事に成るでしょう」
「えっ!?」
俺は一瞬驚くが、直ぐに自分で納得が出来てしまう。
確定ではないが、前科者が作ったランドセルを喜んで買う親は殆ど居ない筈だし、近所の人達にも、何を言われるかは分らない……
「もし…、被害者の方が死亡や後遺傷害が残ってしまいましたら、失効している自賠責保険、人身事故の賠償金額相当は、家屋と土地を売ってでも、被害者に支払わなければ成りません」
「そうで無くても、この町でお店は続ける事は…、難しいと私は感じています!」
俺は思わず鈴音さんの方に顔を向けるが、鈴音さんは何も言わずに黙った聞いて居る。
山本鞄店が閉店の危機なのにそれで良いの!? 鈴音さん…?
「それと、青柳さん…」
「この様な状況に成ってしまいましたので、青柳さんの引っ越しは中止に成ります。相手の方に、入居を断わられてしまいました」
「理由は察しての通りです…。予約した引っ越し業者にもキャンセル料を、こちらから支払って中止とします」
「はぁ……」
(やっぱり、そう成ったか……)
「でも、安心して下さい……。青柳さんに退去が迫られている部屋は、私が大家さんと交渉しまして…、来月から1万円の値上がりに成りますが、その条件で良ければ、今のアパートに住み続ける事は可能だそうです…」
(無職の俺が賃貸なんて借りられないし、月々1万円の追加出費は痛いが、住めるだけマシか)
「俺はその条件で大丈夫です。おばさん、ありがとうございます」
俺は山本さんのお母さんに頭を下げるが、同時に疑問も生まれる。
(店を畳むのは仕方無いにしても、鈴音さんや稀子はどうするのだ?)
(山本さんに実刑判決が本当に下ったら、犯罪者の家に住む子に認定されて、碌な目に遭わないはずだ!!)
「鈴音さんと稀子ちゃん!」
「はい、何でしょうか比叡さん!」
「どうしたの、比叡君?」
「君達は、今後どうするの?」
「言いたくないけど、犯罪者の家から通園すると成ると、色々と陰口が叩かれそうな気がするけど……」
俺がそう言うと、稀子は力強く言い出す!
「比叡君!」
「まだ決まった訳じゃ、ないでしょ~~!」
稀子はそう言い、鈴音さんも……
「私も…、孝明さんの判決が決まるまでは、この家でお世話に成るつもりです!」
「お母様を1人にする訳に行けませんし、私の親友にそんな非道い事を言う親友は居ません!」
「そうだぞ、比叡君!」
「鈴ちゃんを者に出来たからと言って、山本さんを悪人扱いするのは早すぎるぞ!!」
稀子は少し怒り口調で言う。
この状況下でも、稀子は本当に山本さんが好き何だと感じてしまう……
「それと、比叡さん…」
「今日からまた、一緒にご飯を食べませんか?」
「お母様からも、了解を貰っています!」
「えっ、良いのですか?」
「おばさん……」
俺は了承したいが一応、山本さんのお母さんにも確認を取る。
「私は、青柳さんが保育士養成学校の選考に落ちてしまっても、今までと変わらない待遇をするつもりでした」
「孝明が勝手に暴走して、青柳さんを追い詰めたのです!」
「それに今、家には男手が居ません。青柳さんがご迷惑で無ければ是非、ご一緒してくれると……」
「はっ、はい。俺なんかで良ければ!!」
(やった!!)
(また今日から、みんなと一緒に晩ご飯が食べられる!)
(これからの数日間の間は、会話も弾まないと思うけど、少しずつ日常が戻って来るはずだ!!)
「じゃあ、比叡さん!」
「今晩から、よろしくお願いします!」
鈴音さんは“ぺこり”と頭を下げる。
どんな時でも、礼儀正しい子だ!!
「比叡さん!」
「丁度時間ですし早速、晩ご飯を作りましょう♪」
普段はしない腕まくりをして、やけに張り切る鈴音さん!!
「二人共、羨ましね~~」
「ヒュ~、ヒュ~!」
稀子も、俺と鈴音さんの関係を認めてくれる……
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