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【R-15】鈴音編
第108話 後始末 その1
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俺達は、事故状況を知りたかったので試しに、山本さんが事故を犯した所轄に在る、黒藤警察署に事実確認を行おうとしたが、俺達は親族では無いし、電話では答えられないと、対応された職員に呆気なく断わられる。更に面会も明日からしか出来ないと言われる。
山本さんが直ぐに事実を全て認めれば、事件も早く解決するだろうけど、山本さんが何を考えているかは分からないし、本当に俺と鈴音さんを捕まえる気だったら、工具類も持っている筈だから、更に罪は重くなる可能性は有る……
警察も余罪等を抜かりなく調べるから、直ぐに罪が決定に成る事は恐らく無いだろう…。本当の事実を知るには、時間が掛かりそうだった……
……
3時間位、俺は山本さんの家にお邪魔していたが、山本さんのお母さんは帰って来ないし、もしかしたら山本さんが釈放されて、家に戻って来る危険性が有るので、俺は一旦アパートに戻る。
当面の間、俺と鈴音さんとの直接連絡は控えて、稀子経由で行う事に成った。
稀子曰わく『今度はちゃんと、橋渡しするよ!』と言ってくれたが、本当だろうか?
数日間の時が流れて……
その間は全くと言って良い程、稀子からの連絡は無くて、業を煮やした俺は、こっそりと山本さんの家に行くが……、お店のカーテンは閉じられたままだし、人の気配がする感じでは無かった。
鈴音さんや稀子は学園に行っている筈だが、山本さんのお母さんは、相手先のお見舞いや、山本(孝明)さんの面会に行っているのだろうか?
明後日には俺の引っ越しだが、その辺の打ち合わせ等も停滞していた。
この辺に関する事も、山本さんのお母さんが全面的に支援してくれて居るが、この様な事が起きてしまったため、俺から身動きが出来ない状態で有った。
引っ越しの荷造りは大体終わっているが、冷蔵庫や洗濯機等は、1人で運び出す事は難しい。
今晩辺り危険を覚悟して、山本さんの家に赴いて見るかと思った時に、俺のスマートフォンから着信音が鳴る。ディスプレイを見ると固定電話からの着信だった。『山本さんのお母さん?』からかなと、俺は感じて電話に出る。
「もしもし、青柳です」
「青柳さん…、こんにちは。山本の母です」
「こんにちは!」
「急で申し訳ないけど、今から家に来て貰えないかな?」
「はい…。大丈夫ですけど……」
「それでは、お待ちしております…」
『ツー、ツー』
山本さんのお母さんは用件だけ言うと、直ぐに電話を切ってしまう……
(話の口調からして、いい話では無いな…)
(まさかとは思うけど……、支援の打ち切りか?)
お店も全然開けてないし、商品(ランドセル)を作る人も居ない。
そんな状態ではお店も開けられないし、信用商売に犯罪者を出してしまっては、商売も出来ない……。俺は覚悟を決めて、山本さんの家に向かった。
……
時刻は丁度、夕方の時間帯で有る。
山本さんの家の玄関は普通に開いており、声を掛けながら俺は玄関に入る。
廊下を歩き、リビングに入るとそこには、山本さんのお母さん。鈴音さん。稀子の3人は居たが、山本(孝明)さんの姿はまだ見えなかった……
(俺を家に呼んだのだから、てっきり居ると思ったが、まだ勾留中か…?)
「こんにちは…」
「こんにちは、比叡君!」
「こんにちは、比叡さん」
俺がリビングに入って挨拶をすると、稀子や鈴音さんが挨拶を返してくれる中、山本さんのお母さんがソファーから立ち上がり、声を掛けて来る。
「青柳さん。こんにちは」
「急に、ごめんなさいね///」
「いえ、大丈夫です」
「まぁ、お掛けに成って…」
ソファーに座る様に薦められるので、俺はソファーに座る。テーブルにはお茶の用意がされていた。
俺が座ると同時に、鈴音さんはお茶を淹れてくれる。
「はい! どうぞ、比叡さん!!」
「あっ、ありがとうございます」
お礼を言ってから、俺は鈴音さんの淹れてくれたお茶を一口飲むと……
「今回は孝明が、青柳さんにご迷惑を掛けて、本当にすいませんでした!」
山本さんのお母さんは急に謝りだす。
山本さんのお母さんに謝られても、どうしようもない……
「いえ、俺は大丈夫ですが……」
「えっと、おばさん…」
「相手さんの容体はどうですか…?」
「…相手の方は、今の現在でも意識は戻らず、非常に危険な状態だそうです」
「相手は男性の方で年代も若く、妻子持ちですので、不憫としか……」
「そうですか……。孝明さんの方は?」
俺がそう聞くと、山本さんのお母さんは急に険しい顔つきに変わり、感情剥き出しで話し出す。
「……あの、馬鹿息子が乗っていたバイクは、車検が切れていたのです!」
「えっ!?」
「それは、不味く有りませんか!?」
俺は車検切れと聞いて、びっくりする!
車検切れのバイクで事故を起こしたら、“しゃれにならんだろ”!!
「不味い所では有りません!」
「当然、自賠責保険も失効していましたので孝明は、自動車運転過失致死罪と自動車損害賠償保障法違反の容疑がかけられています…」
「幸い…、バイク保険の方は切れていませんでしたが、失効している自賠責保険、人身事故の賠償金額相当は、自己負担で支払わなければ成りません……」
「車検切れのバイクで信号無視をして、おまけに人まで撥ねて、信号無視をした理由も私情ですので……、弁護士の話によりますと、実刑は避けきれないと……」
「そのため孝明は……逮捕から勾留に成ってしまい、恐らくそのまま起訴されて、起訴後勾留の流れに成る可能性が高いです…」
「裁判で実刑判決が下ると…、最悪数年間、孝明は戻って来られないかも知れません…」
山本さんのお母さんは、涙ぐんで言う。
鈴音さんも稀子も、顔を俯かせて聞いている。
(うぁ……最悪の展開だ。相手は意識不明の重体でこの状況…)
(これって……もしかして、併合罪も有るのか!?)
併合罪とは、複数の罪を犯した時、併合罪と成る事のようだ。
今回の場合だと、自動車運転過失致死罪と自動車損害賠償保障法違反で有る。
この辺に関しては、検察の判断に成るので検察次第で有る。
もし、併合罪が適用されて起訴されてしまうと、山本さんに実刑判決が下る確率は非常に高くなる。
判決を決めるのは裁判長だが、罪状を決めて起訴・不起訴にするのは検察で有る。
交通事故だから目撃者も居るだろうし、実況見分もしている。山本さんが不起訴に成る確率は低いかも知れない……
みんなの顔が暗い表情の中、今後の話し合いが続く……
※これは、フィクションです。鵜呑みにしないで下さい。
事故は、その時その時の状況で、全く異なります。
一部専門用語を使っていますが、その通りでは無い可能性も有ります。
山本さんが直ぐに事実を全て認めれば、事件も早く解決するだろうけど、山本さんが何を考えているかは分からないし、本当に俺と鈴音さんを捕まえる気だったら、工具類も持っている筈だから、更に罪は重くなる可能性は有る……
警察も余罪等を抜かりなく調べるから、直ぐに罪が決定に成る事は恐らく無いだろう…。本当の事実を知るには、時間が掛かりそうだった……
……
3時間位、俺は山本さんの家にお邪魔していたが、山本さんのお母さんは帰って来ないし、もしかしたら山本さんが釈放されて、家に戻って来る危険性が有るので、俺は一旦アパートに戻る。
当面の間、俺と鈴音さんとの直接連絡は控えて、稀子経由で行う事に成った。
稀子曰わく『今度はちゃんと、橋渡しするよ!』と言ってくれたが、本当だろうか?
数日間の時が流れて……
その間は全くと言って良い程、稀子からの連絡は無くて、業を煮やした俺は、こっそりと山本さんの家に行くが……、お店のカーテンは閉じられたままだし、人の気配がする感じでは無かった。
鈴音さんや稀子は学園に行っている筈だが、山本さんのお母さんは、相手先のお見舞いや、山本(孝明)さんの面会に行っているのだろうか?
明後日には俺の引っ越しだが、その辺の打ち合わせ等も停滞していた。
この辺に関する事も、山本さんのお母さんが全面的に支援してくれて居るが、この様な事が起きてしまったため、俺から身動きが出来ない状態で有った。
引っ越しの荷造りは大体終わっているが、冷蔵庫や洗濯機等は、1人で運び出す事は難しい。
今晩辺り危険を覚悟して、山本さんの家に赴いて見るかと思った時に、俺のスマートフォンから着信音が鳴る。ディスプレイを見ると固定電話からの着信だった。『山本さんのお母さん?』からかなと、俺は感じて電話に出る。
「もしもし、青柳です」
「青柳さん…、こんにちは。山本の母です」
「こんにちは!」
「急で申し訳ないけど、今から家に来て貰えないかな?」
「はい…。大丈夫ですけど……」
「それでは、お待ちしております…」
『ツー、ツー』
山本さんのお母さんは用件だけ言うと、直ぐに電話を切ってしまう……
(話の口調からして、いい話では無いな…)
(まさかとは思うけど……、支援の打ち切りか?)
お店も全然開けてないし、商品(ランドセル)を作る人も居ない。
そんな状態ではお店も開けられないし、信用商売に犯罪者を出してしまっては、商売も出来ない……。俺は覚悟を決めて、山本さんの家に向かった。
……
時刻は丁度、夕方の時間帯で有る。
山本さんの家の玄関は普通に開いており、声を掛けながら俺は玄関に入る。
廊下を歩き、リビングに入るとそこには、山本さんのお母さん。鈴音さん。稀子の3人は居たが、山本(孝明)さんの姿はまだ見えなかった……
(俺を家に呼んだのだから、てっきり居ると思ったが、まだ勾留中か…?)
「こんにちは…」
「こんにちは、比叡君!」
「こんにちは、比叡さん」
俺がリビングに入って挨拶をすると、稀子や鈴音さんが挨拶を返してくれる中、山本さんのお母さんがソファーから立ち上がり、声を掛けて来る。
「青柳さん。こんにちは」
「急に、ごめんなさいね///」
「いえ、大丈夫です」
「まぁ、お掛けに成って…」
ソファーに座る様に薦められるので、俺はソファーに座る。テーブルにはお茶の用意がされていた。
俺が座ると同時に、鈴音さんはお茶を淹れてくれる。
「はい! どうぞ、比叡さん!!」
「あっ、ありがとうございます」
お礼を言ってから、俺は鈴音さんの淹れてくれたお茶を一口飲むと……
「今回は孝明が、青柳さんにご迷惑を掛けて、本当にすいませんでした!」
山本さんのお母さんは急に謝りだす。
山本さんのお母さんに謝られても、どうしようもない……
「いえ、俺は大丈夫ですが……」
「えっと、おばさん…」
「相手さんの容体はどうですか…?」
「…相手の方は、今の現在でも意識は戻らず、非常に危険な状態だそうです」
「相手は男性の方で年代も若く、妻子持ちですので、不憫としか……」
「そうですか……。孝明さんの方は?」
俺がそう聞くと、山本さんのお母さんは急に険しい顔つきに変わり、感情剥き出しで話し出す。
「……あの、馬鹿息子が乗っていたバイクは、車検が切れていたのです!」
「えっ!?」
「それは、不味く有りませんか!?」
俺は車検切れと聞いて、びっくりする!
車検切れのバイクで事故を起こしたら、“しゃれにならんだろ”!!
「不味い所では有りません!」
「当然、自賠責保険も失効していましたので孝明は、自動車運転過失致死罪と自動車損害賠償保障法違反の容疑がかけられています…」
「幸い…、バイク保険の方は切れていませんでしたが、失効している自賠責保険、人身事故の賠償金額相当は、自己負担で支払わなければ成りません……」
「車検切れのバイクで信号無視をして、おまけに人まで撥ねて、信号無視をした理由も私情ですので……、弁護士の話によりますと、実刑は避けきれないと……」
「そのため孝明は……逮捕から勾留に成ってしまい、恐らくそのまま起訴されて、起訴後勾留の流れに成る可能性が高いです…」
「裁判で実刑判決が下ると…、最悪数年間、孝明は戻って来られないかも知れません…」
山本さんのお母さんは、涙ぐんで言う。
鈴音さんも稀子も、顔を俯かせて聞いている。
(うぁ……最悪の展開だ。相手は意識不明の重体でこの状況…)
(これって……もしかして、併合罪も有るのか!?)
併合罪とは、複数の罪を犯した時、併合罪と成る事のようだ。
今回の場合だと、自動車運転過失致死罪と自動車損害賠償保障法違反で有る。
この辺に関しては、検察の判断に成るので検察次第で有る。
もし、併合罪が適用されて起訴されてしまうと、山本さんに実刑判決が下る確率は非常に高くなる。
判決を決めるのは裁判長だが、罪状を決めて起訴・不起訴にするのは検察で有る。
交通事故だから目撃者も居るだろうし、実況見分もしている。山本さんが不起訴に成る確率は低いかも知れない……
みんなの顔が暗い表情の中、今後の話し合いが続く……
※これは、フィクションです。鵜呑みにしないで下さい。
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