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【R-15】鈴音編
第105話 意外な展開 その4
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ホテルのチェックアウトを済ました俺と鈴音さんは、事前に呼んで置いたタクシーに乗り込んで、騒丘駅に向かう。1分でも早く戻りたいからだ。
騒丘駅に着いて、富橋方面の電車に乗り込む。
ダイヤの関係上、直通電車では無いが、乗り継ぎは出来る様なので乗り込んだ。
ホテルのチェックアウトから電車に乗り込むまで、お互いほぼ無言で有った。
鈴音さんは完全に意気消沈しているし、俺も今後の事を思うと『本当にどうすれば良いの?』状態で有った……
(山本鞄店。鈴音さんや稀子の今後の事……)
(山本さんが犯罪者に成ってしまったら、俺が保育士に成るための支援も絶望的だろう…)
山本さんの大きな人脈も、今回の事件で失われるはずだ。
山本さんに関わりたく無い人が、更に赤の他人の俺を支援してくれる訳が無い!
それに、犯罪者と関わってしまうと、関わった人も同じ目線で見られる恐れが有るからだ!
(山本さんが逮捕されても、俺と鈴音さんの関係は解決していない!!)
(八方塞がりだ!!)
電車に揺られながら丁度、中間地点まで来た時、鈴音さんのスマートフォンから着信音が鳴る。
鈴音さんは暗い表情で電話に出る。
「はい……」
「―――」
「―――」
「稀子さん……。そう言う事です…」
「―――」
「―――」
「稀子さんの気持ちも察します……」
「―――」
「稀子さん…。車内なので、これ以上のお話は出来ません…」
「―――」
「―――」
『ピッ』
鈴音さんは稀子が喋っているのに、無表情で通話を切って、更に電源も落としてしまう!?
そして、ゆっくりと俺の方に振り向く。
「比叡さん…。稀子さんも先ほど、孝明さんの事を知った様です…」
「電話向こうで、色々と言っていましたが、私ではどうする事も出来ません…」
「……」
俺は言葉を掛けようが無かった。
元気づける声を掛けたいが、言葉が思い出てこない。
それに、鈴音さんは怒っているのか、悲しんで居るのかが判らなかった!
俺としては拷問(お仕置き)を受けなくて済んだ訳だが、それでも鈴音さんにとってショックは大きいのだろう……
俺達が逃亡しなければ、山本さんは事故を起こさなかったからで有る。
(むむっ……これは俺にとっても、難しい問題だぞ!!)
運命か神様の悪戯かは、本当に不明だ!
山本さんに不幸が来た事で俺は今、生きていられる。
波津音市の神社に、お礼を言いに行った方が良いか!?
俺と鈴音さんが乗っていた電車は、途中の終着駅に着いて、この駅で乗り換えを行う。
時刻表では後、10分位に富橋方面の電車が発車する。始発待ちの電車で有る。
発車まで時間が有るので、一度車内から出て、俺は自動販売機で缶コーヒーを2本買う。
缶コーヒーを買って車内に戻り、静かに座っている鈴音さんに缶コーヒーを渡す。
「コーヒーでも飲んで、気分を高揚させて下さい!」
エナジードリンクの方が効果は強いだろうけど、ここの自動販売機では売ってなかった。
鈴音さんは甘いのが好きだろうと思って、砂糖・ミルク入りの缶コーヒーを渡す。俺のは微糖タイプだ。
「……有り難う御座います」
この状態なのに、鈴音さんは丁寧にお礼を言う。
「では……頂きます」
鈴音さんはプルトップを開けて、缶コーヒーに口を付ける。
「ふぅ~」
鈴音さんは静かにため息をつくと……
「比叡さん……。私達の生活は、今度どう成りますかね?」
「鈴音さん。答えようが無いよ……」
「山本さんが本当に信号無視で人を撥ねたのなら、状況にも依るけど、厳しい結果に成るのは確実だね、としか言いようが無い…!」
「治療費とかは、自動車保険で対応出来るはずだけど、刑事事件には確実に成るから、罰金で済めば御の字かな?」
普通自動車免許は持っているが、自家用車は持っていない。
自動車学校で何となく聞いていた内容を、そのまま口に出している。
「そうですね……。罰金刑で済めば、お店の方はどうにか成りそうですね」
「でも……鈴音さん」
「罪を犯した理由が、“俺達を捕まえるため”と言うのが知られてしまったら、お店の経営はかなり厳しいと感じるのだが?」
「う~ん。そうですよね…」
「相手の方が、大きな怪我でも回復すれば良いのですけど…」
……
暗い話をしても気が滅入るだけなので、電車が発車する頃には、俺から話を打ち切る。
その後は再び無言の時間に成って、俺と鈴音さんは、静かに車内から見える景色を眺めていた。
昨日と同じ時間は逃亡劇を続けながらも、それを楽しんでいたが、一夜が明けたら完全のお通夜状態に成ってしまった!
誰が悪いとかを言い出したら、殆どの人が俺に指を指すはずだ!
俺が鈴音さんをNTR行為をしなければ、全ては起きなかったと言っても過言では無いだろう。
あの時……。鈴音さんを工場に向かわせていたら、山本さんと仲直りをして居たかも知れない…。それか本当に逆上した鈴音さんが、山本さんを“はさみ”とかで刺していたかも知れない!?
今後の事を色々と考えながらも、電車は確実に波津音市に近づいていた……
騒丘駅に着いて、富橋方面の電車に乗り込む。
ダイヤの関係上、直通電車では無いが、乗り継ぎは出来る様なので乗り込んだ。
ホテルのチェックアウトから電車に乗り込むまで、お互いほぼ無言で有った。
鈴音さんは完全に意気消沈しているし、俺も今後の事を思うと『本当にどうすれば良いの?』状態で有った……
(山本鞄店。鈴音さんや稀子の今後の事……)
(山本さんが犯罪者に成ってしまったら、俺が保育士に成るための支援も絶望的だろう…)
山本さんの大きな人脈も、今回の事件で失われるはずだ。
山本さんに関わりたく無い人が、更に赤の他人の俺を支援してくれる訳が無い!
それに、犯罪者と関わってしまうと、関わった人も同じ目線で見られる恐れが有るからだ!
(山本さんが逮捕されても、俺と鈴音さんの関係は解決していない!!)
(八方塞がりだ!!)
電車に揺られながら丁度、中間地点まで来た時、鈴音さんのスマートフォンから着信音が鳴る。
鈴音さんは暗い表情で電話に出る。
「はい……」
「―――」
「―――」
「稀子さん……。そう言う事です…」
「―――」
「―――」
「稀子さんの気持ちも察します……」
「―――」
「稀子さん…。車内なので、これ以上のお話は出来ません…」
「―――」
「―――」
『ピッ』
鈴音さんは稀子が喋っているのに、無表情で通話を切って、更に電源も落としてしまう!?
そして、ゆっくりと俺の方に振り向く。
「比叡さん…。稀子さんも先ほど、孝明さんの事を知った様です…」
「電話向こうで、色々と言っていましたが、私ではどうする事も出来ません…」
「……」
俺は言葉を掛けようが無かった。
元気づける声を掛けたいが、言葉が思い出てこない。
それに、鈴音さんは怒っているのか、悲しんで居るのかが判らなかった!
俺としては拷問(お仕置き)を受けなくて済んだ訳だが、それでも鈴音さんにとってショックは大きいのだろう……
俺達が逃亡しなければ、山本さんは事故を起こさなかったからで有る。
(むむっ……これは俺にとっても、難しい問題だぞ!!)
運命か神様の悪戯かは、本当に不明だ!
山本さんに不幸が来た事で俺は今、生きていられる。
波津音市の神社に、お礼を言いに行った方が良いか!?
俺と鈴音さんが乗っていた電車は、途中の終着駅に着いて、この駅で乗り換えを行う。
時刻表では後、10分位に富橋方面の電車が発車する。始発待ちの電車で有る。
発車まで時間が有るので、一度車内から出て、俺は自動販売機で缶コーヒーを2本買う。
缶コーヒーを買って車内に戻り、静かに座っている鈴音さんに缶コーヒーを渡す。
「コーヒーでも飲んで、気分を高揚させて下さい!」
エナジードリンクの方が効果は強いだろうけど、ここの自動販売機では売ってなかった。
鈴音さんは甘いのが好きだろうと思って、砂糖・ミルク入りの缶コーヒーを渡す。俺のは微糖タイプだ。
「……有り難う御座います」
この状態なのに、鈴音さんは丁寧にお礼を言う。
「では……頂きます」
鈴音さんはプルトップを開けて、缶コーヒーに口を付ける。
「ふぅ~」
鈴音さんは静かにため息をつくと……
「比叡さん……。私達の生活は、今度どう成りますかね?」
「鈴音さん。答えようが無いよ……」
「山本さんが本当に信号無視で人を撥ねたのなら、状況にも依るけど、厳しい結果に成るのは確実だね、としか言いようが無い…!」
「治療費とかは、自動車保険で対応出来るはずだけど、刑事事件には確実に成るから、罰金で済めば御の字かな?」
普通自動車免許は持っているが、自家用車は持っていない。
自動車学校で何となく聞いていた内容を、そのまま口に出している。
「そうですね……。罰金刑で済めば、お店の方はどうにか成りそうですね」
「でも……鈴音さん」
「罪を犯した理由が、“俺達を捕まえるため”と言うのが知られてしまったら、お店の経営はかなり厳しいと感じるのだが?」
「う~ん。そうですよね…」
「相手の方が、大きな怪我でも回復すれば良いのですけど…」
……
暗い話をしても気が滅入るだけなので、電車が発車する頃には、俺から話を打ち切る。
その後は再び無言の時間に成って、俺と鈴音さんは、静かに車内から見える景色を眺めていた。
昨日と同じ時間は逃亡劇を続けながらも、それを楽しんでいたが、一夜が明けたら完全のお通夜状態に成ってしまった!
誰が悪いとかを言い出したら、殆どの人が俺に指を指すはずだ!
俺が鈴音さんをNTR行為をしなければ、全ては起きなかったと言っても過言では無いだろう。
あの時……。鈴音さんを工場に向かわせていたら、山本さんと仲直りをして居たかも知れない…。それか本当に逆上した鈴音さんが、山本さんを“はさみ”とかで刺していたかも知れない!?
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