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【R-15】鈴音編
第102話 意外な展開 その1
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「比叡さん…?」
「比叡さん…?」
聞き慣れた声が俺の体を揺さぶる。
俺は椅子に座ったままの状態で、寝てしまった様だ…
「あっ、鈴音さん…」
「おはようございます☀」
「比叡さん!」
「お早う御座います!」
「鈴音さん、すいません…。何時の間にか寝てしまったようで…」
「いえ、いえ、私は大丈夫ですよ!」
俺は室内に有る壁時計を見ると、午前6時前で有った。
窓の方を見ると、完全に夜は明けていた。
「来ませんでしたね…。鈴音さん……」
「えぇ……、来られても困りますけど…」
鈴音さんは少し困った表情で言う。
「流石の敵さんも、早朝から襲う事は無いですよね!」
「普通の人ならそうですけど……」
俺は軽い冗談で言ったが、鈴音さんの顔はちっとも晴れなかった……
窓から見る限り、今日も天気が良さそうだ。
「鈴音さん…。昨日の寝汗も有りますし、朝風呂に入ってきます」
「そうですね…。結構、ひどい汗でしたからね…」
「鈴音さんはどうします?」
「私はそう、汗を掻いてないので大丈夫です」
幾ら何でも、明るい時間帯に襲撃を掛ける馬鹿は居ない筈だ。
このホテルが山本さんの息が掛かっていたとしても、宿泊客までは抑えきれない。
一応用心して、俺は朝風呂に行って、鈴音さんは部屋で留守番をして貰う。
……
普通にお風呂に入って、部屋に戻ってくるが、何も変化が起きている様子は無い。
あれは…、本当に只の悪夢だったのか?
部屋に戻ると鈴音さんはテレビを付けていて、ニュース番組を見ていた。
この地域のローカル番組を見ている様だ。
「鈴音さん。今戻りました…」
「さっぱりしましたか?」
「はい…。御陰様で…」
「比叡さん」
「このホテルの朝食は午前7時からでしたよね?」
「はい。午前7時に予約を取ってあります」
「比叡さん…」
「時間的に私の両親は起きていると思いますが、今日は日曜日です」
「朝から、急を要する件では有りますが……ホテル内ならまず、大丈夫な筈です!」
「朝の時間帯は少し外したいので、せめて朝食後に、連絡を取ろうと思っているのですが…?」
昨日は連絡が取れなかった、鈴音さんの両親に助けを求める電話を掛けるのだが、今の状況なら、山本さん達もまだ場所を知らないのか、探し疲れて寝ていると思う。
「そうですね。そうしましょう!!」
「休日の朝から、不吉の話は誰でも避けたいです!」
「比叡さん……。有り難う御座います!」
鈴音さんは微笑んで言ってくれる。
「鈴音さんはよく眠れましたか?」
「はい! 御陰様でよく眠れました!!」
「あっ、あの昨夜は、鈴音さんの寝間着を汚してごめんなさい///」
俺は昨夜…。鈴音さんにお願いして抱きつかせて貰ったが、調子に乗って鈴音さんの胸を寝間着の上から吸ってしまった!!
あの時は、謝って許して貰えたが、改めてもう1度謝る。
「気にはしてないですよ!」
「……は、嘘ですが……あれは緊急時で、やむを得ないで許します!」
「鈴音さん! ありがとうございます!!」
「でも、男の人は甘えん坊なんですね…」
「少し、びっくりです///」
鈴音さんも昨夜、俺のした行為を思い出して顔を赤める。
「男性にとって…、女性の胸は象徴だと俺は思うのです」
「一番、甘えやすい場所なのかも知れません……」
「真面目に回答されても困ります///」
「鈴音さん。何事も無く朝が迎えられて、良かったです!」
「そうですね。比叡さん……」
「比叡さんの夢が正夢なら……、私達は今頃2人仲良く、あの世の○役所に居ますかね?」
「縁起でも無い事を言わないで下さいよ///」
「○役所行っても、2人仲良くは成仏出来ないのですから!!」
「現世で、鈴音さんと仲良く生きたいです!」
「比叡さん!」
「この問題が無事に解決出来ましたら、また旅行に行きましょう♪」
「ぜひ、鈴音さんとは旅行がしたいです!!」
「その時は、鈴音さんの―――」
「ひっ、比叡さん。何度も言いますけど、私は学園生です///」
「それに、昨夜は特別でしたが、私は“ふしだらな”女性では有りません!!」
「冗談ですよ! 冗談!!」
「鈴音さん! そろそろ朝食の時間ですし行きましょうか?」
「もぅ~~、比叡さんがスケベ過ぎてがっかりです///」
そんな事を言う鈴音さんだが2人仲良く、朝食を取るためにレストランに向かった!
……
『次のニュースです』
『昨夜、23:30分頃』
『黒藤市の国道○○号線の○×交差点で、青信号で横断中の歩行者が、赤信号で交差点に侵入して来たバイクと接触する事故が起きまして、歩行者は意識不明の重体。バイクを運転していた男性も軽い怪我をしました』
『警察はバイクを運転していた、波津音市に住む男性、山本孝明さん(2x歳)を自動車運転過失致死罪の疑いで現行犯逮捕して、現在警察が事情聴取をしています』
『山本容疑者は、知人の家に向かう途中だったと、―――』
……
俺と鈴音さんが知らない間に、事態は急変していた……
「比叡さん…?」
聞き慣れた声が俺の体を揺さぶる。
俺は椅子に座ったままの状態で、寝てしまった様だ…
「あっ、鈴音さん…」
「おはようございます☀」
「比叡さん!」
「お早う御座います!」
「鈴音さん、すいません…。何時の間にか寝てしまったようで…」
「いえ、いえ、私は大丈夫ですよ!」
俺は室内に有る壁時計を見ると、午前6時前で有った。
窓の方を見ると、完全に夜は明けていた。
「来ませんでしたね…。鈴音さん……」
「えぇ……、来られても困りますけど…」
鈴音さんは少し困った表情で言う。
「流石の敵さんも、早朝から襲う事は無いですよね!」
「普通の人ならそうですけど……」
俺は軽い冗談で言ったが、鈴音さんの顔はちっとも晴れなかった……
窓から見る限り、今日も天気が良さそうだ。
「鈴音さん…。昨日の寝汗も有りますし、朝風呂に入ってきます」
「そうですね…。結構、ひどい汗でしたからね…」
「鈴音さんはどうします?」
「私はそう、汗を掻いてないので大丈夫です」
幾ら何でも、明るい時間帯に襲撃を掛ける馬鹿は居ない筈だ。
このホテルが山本さんの息が掛かっていたとしても、宿泊客までは抑えきれない。
一応用心して、俺は朝風呂に行って、鈴音さんは部屋で留守番をして貰う。
……
普通にお風呂に入って、部屋に戻ってくるが、何も変化が起きている様子は無い。
あれは…、本当に只の悪夢だったのか?
部屋に戻ると鈴音さんはテレビを付けていて、ニュース番組を見ていた。
この地域のローカル番組を見ている様だ。
「鈴音さん。今戻りました…」
「さっぱりしましたか?」
「はい…。御陰様で…」
「比叡さん」
「このホテルの朝食は午前7時からでしたよね?」
「はい。午前7時に予約を取ってあります」
「比叡さん…」
「時間的に私の両親は起きていると思いますが、今日は日曜日です」
「朝から、急を要する件では有りますが……ホテル内ならまず、大丈夫な筈です!」
「朝の時間帯は少し外したいので、せめて朝食後に、連絡を取ろうと思っているのですが…?」
昨日は連絡が取れなかった、鈴音さんの両親に助けを求める電話を掛けるのだが、今の状況なら、山本さん達もまだ場所を知らないのか、探し疲れて寝ていると思う。
「そうですね。そうしましょう!!」
「休日の朝から、不吉の話は誰でも避けたいです!」
「比叡さん……。有り難う御座います!」
鈴音さんは微笑んで言ってくれる。
「鈴音さんはよく眠れましたか?」
「はい! 御陰様でよく眠れました!!」
「あっ、あの昨夜は、鈴音さんの寝間着を汚してごめんなさい///」
俺は昨夜…。鈴音さんにお願いして抱きつかせて貰ったが、調子に乗って鈴音さんの胸を寝間着の上から吸ってしまった!!
あの時は、謝って許して貰えたが、改めてもう1度謝る。
「気にはしてないですよ!」
「……は、嘘ですが……あれは緊急時で、やむを得ないで許します!」
「鈴音さん! ありがとうございます!!」
「でも、男の人は甘えん坊なんですね…」
「少し、びっくりです///」
鈴音さんも昨夜、俺のした行為を思い出して顔を赤める。
「男性にとって…、女性の胸は象徴だと俺は思うのです」
「一番、甘えやすい場所なのかも知れません……」
「真面目に回答されても困ります///」
「鈴音さん。何事も無く朝が迎えられて、良かったです!」
「そうですね。比叡さん……」
「比叡さんの夢が正夢なら……、私達は今頃2人仲良く、あの世の○役所に居ますかね?」
「縁起でも無い事を言わないで下さいよ///」
「○役所行っても、2人仲良くは成仏出来ないのですから!!」
「現世で、鈴音さんと仲良く生きたいです!」
「比叡さん!」
「この問題が無事に解決出来ましたら、また旅行に行きましょう♪」
「ぜひ、鈴音さんとは旅行がしたいです!!」
「その時は、鈴音さんの―――」
「ひっ、比叡さん。何度も言いますけど、私は学園生です///」
「それに、昨夜は特別でしたが、私は“ふしだらな”女性では有りません!!」
「冗談ですよ! 冗談!!」
「鈴音さん! そろそろ朝食の時間ですし行きましょうか?」
「もぅ~~、比叡さんがスケベ過ぎてがっかりです///」
そんな事を言う鈴音さんだが2人仲良く、朝食を取るためにレストランに向かった!
……
『次のニュースです』
『昨夜、23:30分頃』
『黒藤市の国道○○号線の○×交差点で、青信号で横断中の歩行者が、赤信号で交差点に侵入して来たバイクと接触する事故が起きまして、歩行者は意識不明の重体。バイクを運転していた男性も軽い怪我をしました』
『警察はバイクを運転していた、波津音市に住む男性、山本孝明さん(2x歳)を自動車運転過失致死罪の疑いで現行犯逮捕して、現在警察が事情聴取をしています』
『山本容疑者は、知人の家に向かう途中だったと、―――』
……
俺と鈴音さんが知らない間に、事態は急変していた……
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