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【R-15】鈴音編
第99話 二度と見たくない悪夢
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……
…
・
「はっ!?」
俺は目を覚ます……。そこは山本さんの工場では無く、ビジネスホテルの寝室だった。寝間着の浴衣もしっとりしていて、寝汗で凄い事になっている。
今までの人生で一番の最悪な悪夢と寝汗だった……
俺は視線を感じて顔を横に向けると、何時の間にか鈴音さんが自分のベッドから起き上がっていて、更に俺のベッドに来ていて、心配そうな顔をして俺を見つめていた。
「大丈夫ですか……比叡さん?」
「大分、うなされていましたよ……」
「うっ、うぁ~~~」
俺は鈴音さんの顔を見た瞬間、上半身を起こして鈴音さんに抱きつく!!
「うぁ~~」
「鈴音さんが無事で良かった~~~」
俺は泣きながら鈴音さんを抱く!!
「ちょ、ちょっと、比叡さん!!」
「本当にどうしたのですか??」
俺に突然抱きつかれて、戸惑う鈴音さん。
「鈴音さん……。俺達夢の中で、山本さんに拷問されていた!!」
「えっ? えぇぇぇ~~~」
「どっ、どういう事ですの!?」
「俺達の場所がバレて、山本さんの工場に連れてかれて、其処で非道い事をされていた!」
「お互いが無傷で……本当に良かった~~」
「比叡さん!」
「詳しいお話は、今からお聞きますけど……その前に一旦離して下さい…」
「これでは、お話が聞けません!」
俺は上半身を起こした状態で、鈴音さんを抱いていた。
たしかに、鈴音さんにとっては無理な体勢で有る。
俺は鈴音さんを離してベッドから起き上がり、俺のベッドに俺と鈴音さんが横並びに座って、先ほど見た悪夢を鈴音さんに話す……
「比叡さんは、ランドセルを作る金型を背中に押してられて、私は椅子に縛り付けられる……」
「凄くリアルですね……。正夢に成らない事を祈りたいです…」
俺は言うのを躊躇ったが、鈴音さんも拷問を受けた事を話した。
しかし……、鈴音さん場合はスカートを切り裂かれる所までにして、大切な所に鉄棒を当てられた事は当然話さない。
話したくも無いし、話しても鈴音さんも返答に困るだろう……
……
「鈴音さんにはさっき言わなかったけど、俺達がレストランを出た時に視線を感じたんだ……」
「あの時は、気の所為かと思ったけど、本当に場所を知られた可能性が有る…」
俺がそう言った直後……
『ガタ、ガタ、バン!』
『ドカ、ドカ、―――』
「えっ!?」
俺は思わず声を上げてしまい身構える。
「比叡さん! そんなビクビクしなくても大丈夫です」
「隣室の方が、外に出られただけですわ!」
俺は耳を澄ますと、足音が遠ざかって行くのが分かる。
隣部屋の人が、自動販売機コーナーでも行ったのだろうか?
「鈴音さん…。本当に場所を知られていたらどうしよう…?」
「この時間だと、下手には動けないし…」
俺は男の癖に不安の声で、鈴音さんに縋ってしまう。鈴音さんの方が遙かに年下なのに……
例え夢で有っても、あんな拷問を見てしまったら、俺は平常心を保てなかった。
「う~ん」
「比叡さん…。分かりようが無い筈ですがね~?」
「スマートフォンもお互いSIMカードを抜いて有るし、尾行を付けられている気配も感じなかったし……」
「それにホテルの経営者が山本さんの知り合いでしたら、絶対にもう来ていますからね!」
鈴音さんは冷静に分析をしている。
俺が異変に気付いた時間が、前日の20時頃で有って、今の時刻が午前1時半過ぎ。
波津音市からこのビジネスホテルまでは、車を使えば2時間位有れば着くはずだから、本当に場所が知られていたら、既に来ている筈だ……
「比叡さん」
「一応……用心だけはしましょうか?」
鈴音さんはベッドから立ち上がり、窓際に歩いて、窓際に有る椅子を持って、ドアの前に置いて鈴音さんはそこに座る。
「山本さんが鍵をこじ開けようとしましても、ここで見張っていれば、ドアは開けられる事は有りません!」
「開けようとしたら、鍵のロックを手で押さえるだけです!!」
「その間に、比叡さんが警察に電話をすれば、孝明さんに逃げ出すでしょう!」
「たしかにそうすれば、突入される事は無いな…」
「比叡さん……。私がしばらく見張りをしますから、比叡さんは休んで下さい」
鈴音さんはそう言ってくれるが、俺は先ほどの夢で、完全に目が覚めてしまった。
それに凄く不安と緊張感も有って、絶対に眠れそうでも無い。
心を落ち着かせたいが……それをするには、お願い聞いてくれるかな?
(『鈴音さんを抱きたいです』と言いたいけど、鈴音さんは受け入れてくれるかな?)
(でも…、この不安な気持ちの状態では、絶対眠れない!!)
俺はダメ元でも良いから、今の気持ちを鈴音さんに伝えて見る事にした……
…
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「はっ!?」
俺は目を覚ます……。そこは山本さんの工場では無く、ビジネスホテルの寝室だった。寝間着の浴衣もしっとりしていて、寝汗で凄い事になっている。
今までの人生で一番の最悪な悪夢と寝汗だった……
俺は視線を感じて顔を横に向けると、何時の間にか鈴音さんが自分のベッドから起き上がっていて、更に俺のベッドに来ていて、心配そうな顔をして俺を見つめていた。
「大丈夫ですか……比叡さん?」
「大分、うなされていましたよ……」
「うっ、うぁ~~~」
俺は鈴音さんの顔を見た瞬間、上半身を起こして鈴音さんに抱きつく!!
「うぁ~~」
「鈴音さんが無事で良かった~~~」
俺は泣きながら鈴音さんを抱く!!
「ちょ、ちょっと、比叡さん!!」
「本当にどうしたのですか??」
俺に突然抱きつかれて、戸惑う鈴音さん。
「鈴音さん……。俺達夢の中で、山本さんに拷問されていた!!」
「えっ? えぇぇぇ~~~」
「どっ、どういう事ですの!?」
「俺達の場所がバレて、山本さんの工場に連れてかれて、其処で非道い事をされていた!」
「お互いが無傷で……本当に良かった~~」
「比叡さん!」
「詳しいお話は、今からお聞きますけど……その前に一旦離して下さい…」
「これでは、お話が聞けません!」
俺は上半身を起こした状態で、鈴音さんを抱いていた。
たしかに、鈴音さんにとっては無理な体勢で有る。
俺は鈴音さんを離してベッドから起き上がり、俺のベッドに俺と鈴音さんが横並びに座って、先ほど見た悪夢を鈴音さんに話す……
「比叡さんは、ランドセルを作る金型を背中に押してられて、私は椅子に縛り付けられる……」
「凄くリアルですね……。正夢に成らない事を祈りたいです…」
俺は言うのを躊躇ったが、鈴音さんも拷問を受けた事を話した。
しかし……、鈴音さん場合はスカートを切り裂かれる所までにして、大切な所に鉄棒を当てられた事は当然話さない。
話したくも無いし、話しても鈴音さんも返答に困るだろう……
……
「鈴音さんにはさっき言わなかったけど、俺達がレストランを出た時に視線を感じたんだ……」
「あの時は、気の所為かと思ったけど、本当に場所を知られた可能性が有る…」
俺がそう言った直後……
『ガタ、ガタ、バン!』
『ドカ、ドカ、―――』
「えっ!?」
俺は思わず声を上げてしまい身構える。
「比叡さん! そんなビクビクしなくても大丈夫です」
「隣室の方が、外に出られただけですわ!」
俺は耳を澄ますと、足音が遠ざかって行くのが分かる。
隣部屋の人が、自動販売機コーナーでも行ったのだろうか?
「鈴音さん…。本当に場所を知られていたらどうしよう…?」
「この時間だと、下手には動けないし…」
俺は男の癖に不安の声で、鈴音さんに縋ってしまう。鈴音さんの方が遙かに年下なのに……
例え夢で有っても、あんな拷問を見てしまったら、俺は平常心を保てなかった。
「う~ん」
「比叡さん…。分かりようが無い筈ですがね~?」
「スマートフォンもお互いSIMカードを抜いて有るし、尾行を付けられている気配も感じなかったし……」
「それにホテルの経営者が山本さんの知り合いでしたら、絶対にもう来ていますからね!」
鈴音さんは冷静に分析をしている。
俺が異変に気付いた時間が、前日の20時頃で有って、今の時刻が午前1時半過ぎ。
波津音市からこのビジネスホテルまでは、車を使えば2時間位有れば着くはずだから、本当に場所が知られていたら、既に来ている筈だ……
「比叡さん」
「一応……用心だけはしましょうか?」
鈴音さんはベッドから立ち上がり、窓際に歩いて、窓際に有る椅子を持って、ドアの前に置いて鈴音さんはそこに座る。
「山本さんが鍵をこじ開けようとしましても、ここで見張っていれば、ドアは開けられる事は有りません!」
「開けようとしたら、鍵のロックを手で押さえるだけです!!」
「その間に、比叡さんが警察に電話をすれば、孝明さんに逃げ出すでしょう!」
「たしかにそうすれば、突入される事は無いな…」
「比叡さん……。私がしばらく見張りをしますから、比叡さんは休んで下さい」
鈴音さんはそう言ってくれるが、俺は先ほどの夢で、完全に目が覚めてしまった。
それに凄く不安と緊張感も有って、絶対に眠れそうでも無い。
心を落ち着かせたいが……それをするには、お願い聞いてくれるかな?
(『鈴音さんを抱きたいです』と言いたいけど、鈴音さんは受け入れてくれるかな?)
(でも…、この不安な気持ちの状態では、絶対眠れない!!)
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