94 / 434
【R-15】鈴音編
第92話 朱海蝲蛄 【比叡】 その11
しおりを挟む
ホテルでの晩ご飯は、凄く美味しいという訳では無いが、手作り感を感じる料理で有った。
ご飯と味噌汁はお代わり自由なので、うっかりビールでおかずを食べきっても、ご飯を食べて締られる!?
「この筑前煮…。業務用かと思っていましたが、手作りしてますわ♪」
「甘さも控えめで美味しいです♪」
日替わり定食に少し不安を感じた俺だが、鈴音さんも美味しそうに食べているし、マグロの刺身も新鮮でビールが進みそうだ!
この時間帯だけは不安に成るような事は話さずに、今日の思い出話や食事の感想を言いながら食事を続けた……
……
お互いがお腹一杯に食べて、部屋に戻ろうとした時……、誰から視線を感じた気がした。
俺は直ぐに振り返ったが、レストランには食事を取っている人しか居ない。
此処のホテルは飛び込み宿泊も出来るが、晩ご飯だけは3日前以上の予約制だ。
それぞれの宿泊客の前には、俺達が食べた同じ日替わり定食が並べられている。
山本さんの偵察隊が、潜り込めるはずが無い……
「どうしまたか、比叡さん…?」
「いや、何でも無い…」
鈴音さんを不安にしたくないので、先ほどの事は言わないで置く。俺の気のせいだろう……
お互いお腹が一杯なので、売店でスナック菓子類は売っているが必要は無いだろう。
自動販売機でジュース類を買って、俺と鈴音は部屋に戻った……
……
(彼奴ら、例の奴で無いか…?)
食事を終えて席を立ったカップルが、例の奴と似ている気がする。
スマートフォンを操作して、仲間内(敏行)から送られてきた画像を確認する。
(間違い無い! 比叡という奴と鈴音と言う女だ!!)
しかし、俺は朱海蝲蛄からは足を洗った……。今は普通の家族が出来て、大変だが幸せだ。
本当は見て見ぬ振りをしたいが……山本総長や副総長には恩が有る。
総長は、太り気味だった俺を鍛えてくれた。だから今が有る…
(敏行に連絡だけは入れておくか…)
(見た感じ……年の差が離れたカップルだが、何をしたんだ…?)
(ここのフロントは顔なじみだ、直ぐに部屋番号は分かるはずだ)
俺は仕事の関係でこのホテルに良く宿泊をしている。こんな変な場所で、例の奴らを見つけてしまうとは……
(飯を食い始めたばかりだし、連絡を入れるのは後で良いだろう)
(どうせ、電話を掛けたら、懐かしい話とかで絶対長くなるだろうし……)
俺は足を洗って以来、連絡は取ってなかった。
俺の所に直接メールが届いたのでは無く、別の仲間からの転送だった。
(どれだけの奴が、総長に協力しているかは知らんが、素人を痛めつけてどうするのだ!?)
(まぁ、飯が食い終わったら、連絡だけは入れよう…)
俺は足を洗った人間だ。恩は有るが掛かりたくは無い!
副総長(敏行)に連絡したら『確保しろ!』と言うに決まっているが、断固拒否をする。折角、築き上げた家庭を壊したくないからだ!
(馬鹿な事を言い出したら、警察に言うと言えば何も出来ないだろう…)
(過去では地域を纏めた朱海蝲蛄だが、今では影形も無い。仲間も数人しか居ないだろう…)
(それに、総長の解散理由も身勝手だった……)
(『僕が職人に成るから解散だ! 分かったな!!』あの時は、呆れて者が言えなかった)
(私情でチームを作って、私情で解散だから、誰も文句は言えなかったが…)
(こんな馬鹿げた事を再びして無くて、普通に家庭を作れよ…。たくっ…)
……
客室に戻った俺と鈴音さん。
俺は鈴音さんとテレビを見ている。
食後のデザートに、観光農園のお土産で貰った苺を時々、摘まみながら寛いでいる。
折角、Wi-Fiが使えるのだから、俺はアプリゲームをしたかったが、鈴音さんに止められた。
「用心に超した事は無いです!」
鈴音さんはそう言ったが、俺はさっき、鈴音さんが居ない所で使ってしまった……
ビジネスホテル内のWi-Fiだから大丈夫な筈なのに……
俺は鈴音さんと性行為が出来るかも知れないと、コンドームの用意はしていたが出番は無いだろう……
山本さんに見付かる恐れは無いと思うが、万が一見付かった時に、鈴音さんと性行為をしたのがバレてしまったら、絶対にお仕置きでは無く、私刑に成るからだ!
その日は23時位までは、鈴音さんとテレビを見ながら談笑をして、普通に就寝する事になった。
本当なら今頃の時間は、鈴音さんと熱いキスをして、鈴音さんの可愛い口に俺の物を含んで貰えていたのかも知れないのに……
俺は山本さんを恨みながら眠りに就く事になった……
ご飯と味噌汁はお代わり自由なので、うっかりビールでおかずを食べきっても、ご飯を食べて締られる!?
「この筑前煮…。業務用かと思っていましたが、手作りしてますわ♪」
「甘さも控えめで美味しいです♪」
日替わり定食に少し不安を感じた俺だが、鈴音さんも美味しそうに食べているし、マグロの刺身も新鮮でビールが進みそうだ!
この時間帯だけは不安に成るような事は話さずに、今日の思い出話や食事の感想を言いながら食事を続けた……
……
お互いがお腹一杯に食べて、部屋に戻ろうとした時……、誰から視線を感じた気がした。
俺は直ぐに振り返ったが、レストランには食事を取っている人しか居ない。
此処のホテルは飛び込み宿泊も出来るが、晩ご飯だけは3日前以上の予約制だ。
それぞれの宿泊客の前には、俺達が食べた同じ日替わり定食が並べられている。
山本さんの偵察隊が、潜り込めるはずが無い……
「どうしまたか、比叡さん…?」
「いや、何でも無い…」
鈴音さんを不安にしたくないので、先ほどの事は言わないで置く。俺の気のせいだろう……
お互いお腹が一杯なので、売店でスナック菓子類は売っているが必要は無いだろう。
自動販売機でジュース類を買って、俺と鈴音は部屋に戻った……
……
(彼奴ら、例の奴で無いか…?)
食事を終えて席を立ったカップルが、例の奴と似ている気がする。
スマートフォンを操作して、仲間内(敏行)から送られてきた画像を確認する。
(間違い無い! 比叡という奴と鈴音と言う女だ!!)
しかし、俺は朱海蝲蛄からは足を洗った……。今は普通の家族が出来て、大変だが幸せだ。
本当は見て見ぬ振りをしたいが……山本総長や副総長には恩が有る。
総長は、太り気味だった俺を鍛えてくれた。だから今が有る…
(敏行に連絡だけは入れておくか…)
(見た感じ……年の差が離れたカップルだが、何をしたんだ…?)
(ここのフロントは顔なじみだ、直ぐに部屋番号は分かるはずだ)
俺は仕事の関係でこのホテルに良く宿泊をしている。こんな変な場所で、例の奴らを見つけてしまうとは……
(飯を食い始めたばかりだし、連絡を入れるのは後で良いだろう)
(どうせ、電話を掛けたら、懐かしい話とかで絶対長くなるだろうし……)
俺は足を洗って以来、連絡は取ってなかった。
俺の所に直接メールが届いたのでは無く、別の仲間からの転送だった。
(どれだけの奴が、総長に協力しているかは知らんが、素人を痛めつけてどうするのだ!?)
(まぁ、飯が食い終わったら、連絡だけは入れよう…)
俺は足を洗った人間だ。恩は有るが掛かりたくは無い!
副総長(敏行)に連絡したら『確保しろ!』と言うに決まっているが、断固拒否をする。折角、築き上げた家庭を壊したくないからだ!
(馬鹿な事を言い出したら、警察に言うと言えば何も出来ないだろう…)
(過去では地域を纏めた朱海蝲蛄だが、今では影形も無い。仲間も数人しか居ないだろう…)
(それに、総長の解散理由も身勝手だった……)
(『僕が職人に成るから解散だ! 分かったな!!』あの時は、呆れて者が言えなかった)
(私情でチームを作って、私情で解散だから、誰も文句は言えなかったが…)
(こんな馬鹿げた事を再びして無くて、普通に家庭を作れよ…。たくっ…)
……
客室に戻った俺と鈴音さん。
俺は鈴音さんとテレビを見ている。
食後のデザートに、観光農園のお土産で貰った苺を時々、摘まみながら寛いでいる。
折角、Wi-Fiが使えるのだから、俺はアプリゲームをしたかったが、鈴音さんに止められた。
「用心に超した事は無いです!」
鈴音さんはそう言ったが、俺はさっき、鈴音さんが居ない所で使ってしまった……
ビジネスホテル内のWi-Fiだから大丈夫な筈なのに……
俺は鈴音さんと性行為が出来るかも知れないと、コンドームの用意はしていたが出番は無いだろう……
山本さんに見付かる恐れは無いと思うが、万が一見付かった時に、鈴音さんと性行為をしたのがバレてしまったら、絶対にお仕置きでは無く、私刑に成るからだ!
その日は23時位までは、鈴音さんとテレビを見ながら談笑をして、普通に就寝する事になった。
本当なら今頃の時間は、鈴音さんと熱いキスをして、鈴音さんの可愛い口に俺の物を含んで貰えていたのかも知れないのに……
俺は山本さんを恨みながら眠りに就く事になった……
0
お気に入りに追加
33
あなたにおすすめの小説


俺を信じろ〜財閥俺様御曹司とのニューヨークでの熱い夜
ラヴ KAZU
恋愛
二年間付き合った恋人に振られた亜紀は傷心旅行でニューヨークへ旅立つ。
そこで東條ホールディングス社長東條理樹にはじめてを捧げてしまう。結婚を約束するも日本に戻ると連絡を貰えず、会社へ乗り込むも、
理樹は亜紀の父親の会社を倒産に追い込んだ東條財閥東條理三郎の息子だった。
しかも理樹には婚約者がいたのである。
全てを捧げた相手の真実を知り翻弄される亜紀。
二人は結婚出来るのであろうか。

まずはお嫁さんからお願いします。
桜庭かなめ
恋愛
高校3年生の長瀬和真のクラスには、有栖川優奈という女子生徒がいる。優奈は成績優秀で容姿端麗、温厚な性格と誰にでも敬語で話すことから、学年や性別を問わず人気を集めている。和真は優奈とはこの2年間で挨拶や、バイト先のドーナッツ屋で接客する程度の関わりだった。
4月の終わり頃。バイト中に店舗の入口前の掃除をしているとき、和真は老齢の男性のスマホを見つける。その男性は優奈の祖父であり、日本有数の企業グループである有栖川グループの会長・有栖川総一郎だった。
総一郎は自分のスマホを見つけてくれた和真をとても気に入り、孫娘の優奈とクラスメイトであること、優奈も和真も18歳であることから優奈との結婚を申し出る。
いきなりの結婚打診に和真は困惑する。ただ、有栖川家の説得や、優奈が和真の印象が良く「結婚していい」「いつかは両親や祖父母のような好き合える夫婦になりたい」と思っていることを知り、和真は結婚を受け入れる。
デート、学校生活、新居での2人での新婚生活などを経て、和真と優奈の距離が近づいていく。交際なしで結婚した高校生の男女が、好き合える夫婦になるまでの温かくて甘いラブコメディ!
※特別編3が完結しました!(2024.8.29)
※小説家になろうとカクヨムでも公開しています。
※お気に入り登録、感想をお待ちしております。

婚約破棄とか言って早々に私の荷物をまとめて実家に送りつけているけど、その中にあなたが明日国王に謁見する時に必要な書類も混じっているのですが
マリー
恋愛
寝食を忘れるほど研究にのめり込む婚約者に惹かれてかいがいしく食事の準備や仕事の手伝いをしていたのに、ある日帰ったら「母親みたいに世話を焼いてくるお前にはうんざりだ!荷物をまとめておいてやったから明日の朝一番で出て行け!」ですって?
まあ、癇癪を起こすのはいいですけれど(よくはない)あなたがまとめてうちの実家に郵送したっていうその荷物の中、送っちゃいけないもの入ってましたよ?
※またも小説の練習で書いてみました。よろしくお願いします。
※すみません、婚約破棄タグを使っていましたが、書いてるうちに内容にそぐわないことに気づいたのでちょっと変えました。果たして婚約破棄するのかしないのか?を楽しんでいただく話になりそうです。正当派の婚約破棄ものにはならないと思います。期待して読んでくださった方申し訳ございません。

できれば穏便に修道院生活へ移行したいのです
新条 カイ
恋愛
ここは魔法…魔術がある世界。魔力持ちが優位な世界。そんな世界に日本から転生した私だったけれど…魔力持ちではなかった。
それでも、貴族の次女として生まれたから、なんとかなると思っていたのに…逆に、悲惨な将来になる可能性があるですって!?貴族の妾!?嫌よそんなもの。それなら、女の幸せより、悠々自適…かはわからないけれど、修道院での生活がいいに決まってる、はず?
将来の夢は修道院での生活!と、息巻いていたのに、あれ。なんで婚約を申し込まれてるの!?え、第二王子様の護衛騎士様!?接点どこ!?
婚約から逃れたい元日本人、現貴族のお嬢様の、逃れられない恋模様をお送りします。
■■両翼の守り人のヒロイン側の話です。乳母兄弟のあいつが暴走してとんでもない方向にいくので、ストッパーとしてヒロイン側をちょいちょい設定やら会話文書いてたら、なんかこれもUPできそう。と…いう事で、UPしました。よろしくお願いします。(ストッパーになれればいいなぁ…)
■■
極悪家庭教師の溺愛レッスン~悪魔な彼はお隣さん~
恵喜 どうこ
恋愛
「高校合格のお礼をくれない?」
そう言っておねだりしてきたのはお隣の家庭教師のお兄ちゃん。
私よりも10歳上のお兄ちゃんはずっと憧れの人だったんだけど、好きだという告白もないままに男女の関係に発展してしまった私は苦しくて、どうしようもなくて、彼の一挙手一投足にただ振り回されてしまっていた。
葵は私のことを本当はどう思ってるの?
私は葵のことをどう思ってるの?
意地悪なカテキョに翻弄されっぱなし。
こうなったら確かめなくちゃ!
葵の気持ちも、自分の気持ちも!
だけど甘い誘惑が多すぎて――
ちょっぴりスパイスをきかせた大人の男と女子高生のラブストーリーです。


社長室の蜜月
ゆる
恋愛
内容紹介:
若き社長・西園寺蓮の秘書に抜擢された相沢結衣は、突然の異動に戸惑いながらも、彼の完璧主義に応えるため懸命に働く日々を送る。冷徹で近寄りがたい蓮のもとで奮闘する中、結衣は彼の意外な一面や、秘められた孤独を知り、次第に特別な絆を築いていく。
一方で、同期の嫉妬や社内の噂、さらには会社を揺るがす陰謀に巻き込まれる結衣。それでも、蓮との信頼関係を深めながら、二人は困難を乗り越えようとする。
仕事のパートナーから始まる二人の関係は、やがて揺るぎない愛情へと発展していく――。オフィスラブならではの緊張感と温かさ、そして心揺さぶるロマンティックな展開が詰まった、大人の純愛ストーリー。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる