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【R-15】鈴音編
第89話 朱海蝲蛄 【山本・稀子】 その8
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……
一段落が付いた時には、午前11時半を過ぎていた。
敏行から、電話連絡は来ないが、まだ見つけられ無いのか?
僕は敏行に電話を掛ける。幾ら何でも遅すぎるからだ!
しばらくのコール音の後、敏行が電話に出る。
「あっ、総長! お疲れ様です!」
敏行は、朱海蝲蛄時代を思い出したのか、役に成りきっていた。
「僕だ…。状況はどうだ…?」
「各駅に5人ずつ廻したが、まだ何も連絡は来ていないです…」
「各駅に5人…。お前を含めて11人か…」
「ずいぶん、少ないな…」
「あぁ、他の奴らは音信不通か『足を洗った!』と言って、協力してくれない!」
「中には『そんな馬鹿げた事はもう止めろ』という奴も居た!!」
「仕方無いか…。チームを完全解散して、2年以上経って居るからな…」
一時は、50人以上の大所帯だった朱海蝲蛄だが、時の流れは恐ろしい物だ。
「…もうその時間だと、彼奴らは電車に乗っている筈だ…」
「駅周辺の捜索は最低限の人数にして、沿線の捜索に切り替えてくれ!」
「分かりました! 総長!!」
「頼んだぞ……」
『ピッ』
「敏行は、相変わらずの指示待ちだな…」
「言った事は必ずやるから優秀だが、自ら考えては動かない…」
「俺が指示の変更をしなければ、ずっと馬鹿見たいに駅周辺を捜索していたな…」
ため息をつくと……、同時に腹が減っているのに気付いた。
昼食を取るために台所に向かうが、唯一居た馬鹿女(稀子)を叩き出したため、昼食を用意してくれる人は誰も居ない。
「飯作らせてから、追い出せば良かったな…」
「鈴音よりかは不味いが、一応食える物作るからな」
キッチンの戸棚を開けて調べる。この辺にカップ麺が有るはずだ。
(大盛り焼きそばか…。これで良いや)
(食わないよりかはマシだ…)
今日の昼食は、カップ焼きそばだ。
カップ焼きそば嫌いでは無いが、単調な味で途中に飽きてくる。
自分で作る“焼きそば”は幾らでも食えるのに不思議だ……
僕は早く敏行から連絡が来ないかと、待ちわびながら昼食を取った……
……
家を追い出された直後の稀子……
「エグっ、エグっ、―――」
「今日の山本さんは、何処かが変だよ~!」
私は泣きながらバス停に向かっている。
山本さんが朝『散歩!』と言って、出掛けるまでは普通だったのに……
「鈴ちゃんに連絡入れた方が良いかな……」
今の山本さんは絶対におかしい!
山本さんの暴走を私では、止める事が出来ない!!
鈴ちゃんと山本さんを近づけたくは無かったが、私は嫌な予感がする……
「親友達と遊びに行って居るのも有るし、私は鈴ちゃんに非道い事をしたからな…」
山本さんと関係を深めるために、私は鈴ちゃんを捨てた。
鈴ちゃんと山本さんが口論をして、大喧嘩状態に成った時に、私は鈴ちゃんに『橋渡し役』に名乗り出た。
鈴ちゃんも私を親友だと思って居てくれたので、私は鈴ちゃんから山本さんへのメッセージを預かった……。でも、私はそれを山本さんには伝えなかった。
山本さんに向かう鈴ちゃんを止めた比叡君も、鈴ちゃんの事を親友で無く、異性として止めたと思う。比叡君は鈴音さんに褒められると直ぐにデレデレするからだ!
私も比叡君より山本さんの方が好きだし、鈴ちゃんと山本さんの関係が悪化すれば悪化する程、私と山本さんと結ばれる確率が高く成ると信じていた。
「でも…、ここで鈴ちゃんに知らせなければ…」
バス停に着いた私は思いきって、バスが来るまでの間に、鈴ちゃんに電話を掛けるが……
『おかけに成った番号は、―――』
鈴ちゃんの電話が通じない。どうして!?
「遊園地に行くとか行っていたから、ロッカーに預けている?」
私はしばらく時間を置いてから、再び鈴ちゃんに電話を掛けたが、鈴ちゃんの電話に繋がる事は無かった……
「……こう成ったら、比叡君に掛けるか?」
「でも……比叡君出るかな?」
「あんな非道い事しちゃったし…」
比叡君も、私が山本さんをゲットするために縁を切ってしまった。
山本さんと比べれば頼りが無いし、腕力も無さそう……。取り柄は優しいだけ。
私の言葉で時々、不満顔に成る時が有ったし、私の天秤に掛けて、山本さんの方が傾いたので比叡君とは縁を切った!
「一応、掛けて見るか……。着信拒否を解除してと…」
しかし、比叡君の電話番号に掛けても、鈴ちゃんと同じ状態に成る!?
「えっ!?」
「どういう事!?」
「何が起きているの!?」
鈴ちゃんも比叡君も電話が繋がらないし、山本さんも様子がおかしい。
山本さんのお母さんは家には居ないし、携帯電話も持っていない。
「私はどうすれば良いの!!」
今、山本さんの家に戻ったら、私は絶対に非道い事をされる。
大人しく、実家に戻った方が良い。
「私が鈴ちゃんの橋渡し役を、きちんとしていれば……」
そう後悔するが、時間は戻らない……。バス停にバスが到着する。
私は、今までした後悔と、今後の不安を感じながらバスに乗り込んだ……
一段落が付いた時には、午前11時半を過ぎていた。
敏行から、電話連絡は来ないが、まだ見つけられ無いのか?
僕は敏行に電話を掛ける。幾ら何でも遅すぎるからだ!
しばらくのコール音の後、敏行が電話に出る。
「あっ、総長! お疲れ様です!」
敏行は、朱海蝲蛄時代を思い出したのか、役に成りきっていた。
「僕だ…。状況はどうだ…?」
「各駅に5人ずつ廻したが、まだ何も連絡は来ていないです…」
「各駅に5人…。お前を含めて11人か…」
「ずいぶん、少ないな…」
「あぁ、他の奴らは音信不通か『足を洗った!』と言って、協力してくれない!」
「中には『そんな馬鹿げた事はもう止めろ』という奴も居た!!」
「仕方無いか…。チームを完全解散して、2年以上経って居るからな…」
一時は、50人以上の大所帯だった朱海蝲蛄だが、時の流れは恐ろしい物だ。
「…もうその時間だと、彼奴らは電車に乗っている筈だ…」
「駅周辺の捜索は最低限の人数にして、沿線の捜索に切り替えてくれ!」
「分かりました! 総長!!」
「頼んだぞ……」
『ピッ』
「敏行は、相変わらずの指示待ちだな…」
「言った事は必ずやるから優秀だが、自ら考えては動かない…」
「俺が指示の変更をしなければ、ずっと馬鹿見たいに駅周辺を捜索していたな…」
ため息をつくと……、同時に腹が減っているのに気付いた。
昼食を取るために台所に向かうが、唯一居た馬鹿女(稀子)を叩き出したため、昼食を用意してくれる人は誰も居ない。
「飯作らせてから、追い出せば良かったな…」
「鈴音よりかは不味いが、一応食える物作るからな」
キッチンの戸棚を開けて調べる。この辺にカップ麺が有るはずだ。
(大盛り焼きそばか…。これで良いや)
(食わないよりかはマシだ…)
今日の昼食は、カップ焼きそばだ。
カップ焼きそば嫌いでは無いが、単調な味で途中に飽きてくる。
自分で作る“焼きそば”は幾らでも食えるのに不思議だ……
僕は早く敏行から連絡が来ないかと、待ちわびながら昼食を取った……
……
家を追い出された直後の稀子……
「エグっ、エグっ、―――」
「今日の山本さんは、何処かが変だよ~!」
私は泣きながらバス停に向かっている。
山本さんが朝『散歩!』と言って、出掛けるまでは普通だったのに……
「鈴ちゃんに連絡入れた方が良いかな……」
今の山本さんは絶対におかしい!
山本さんの暴走を私では、止める事が出来ない!!
鈴ちゃんと山本さんを近づけたくは無かったが、私は嫌な予感がする……
「親友達と遊びに行って居るのも有るし、私は鈴ちゃんに非道い事をしたからな…」
山本さんと関係を深めるために、私は鈴ちゃんを捨てた。
鈴ちゃんと山本さんが口論をして、大喧嘩状態に成った時に、私は鈴ちゃんに『橋渡し役』に名乗り出た。
鈴ちゃんも私を親友だと思って居てくれたので、私は鈴ちゃんから山本さんへのメッセージを預かった……。でも、私はそれを山本さんには伝えなかった。
山本さんに向かう鈴ちゃんを止めた比叡君も、鈴ちゃんの事を親友で無く、異性として止めたと思う。比叡君は鈴音さんに褒められると直ぐにデレデレするからだ!
私も比叡君より山本さんの方が好きだし、鈴ちゃんと山本さんの関係が悪化すれば悪化する程、私と山本さんと結ばれる確率が高く成ると信じていた。
「でも…、ここで鈴ちゃんに知らせなければ…」
バス停に着いた私は思いきって、バスが来るまでの間に、鈴ちゃんに電話を掛けるが……
『おかけに成った番号は、―――』
鈴ちゃんの電話が通じない。どうして!?
「遊園地に行くとか行っていたから、ロッカーに預けている?」
私はしばらく時間を置いてから、再び鈴ちゃんに電話を掛けたが、鈴ちゃんの電話に繋がる事は無かった……
「……こう成ったら、比叡君に掛けるか?」
「でも……比叡君出るかな?」
「あんな非道い事しちゃったし…」
比叡君も、私が山本さんをゲットするために縁を切ってしまった。
山本さんと比べれば頼りが無いし、腕力も無さそう……。取り柄は優しいだけ。
私の言葉で時々、不満顔に成る時が有ったし、私の天秤に掛けて、山本さんの方が傾いたので比叡君とは縁を切った!
「一応、掛けて見るか……。着信拒否を解除してと…」
しかし、比叡君の電話番号に掛けても、鈴ちゃんと同じ状態に成る!?
「えっ!?」
「どういう事!?」
「何が起きているの!?」
鈴ちゃんも比叡君も電話が繋がらないし、山本さんも様子がおかしい。
山本さんのお母さんは家には居ないし、携帯電話も持っていない。
「私はどうすれば良いの!!」
今、山本さんの家に戻ったら、私は絶対に非道い事をされる。
大人しく、実家に戻った方が良い。
「私が鈴ちゃんの橋渡し役を、きちんとしていれば……」
そう後悔するが、時間は戻らない……。バス停にバスが到着する。
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