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【R-15】鈴音編
第77話 最悪の展開 その3
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それから、しばらくの時が過ぎた……
山本さんと鈴音さんの関係は中々改善しなくて、重苦しい日々が続いた。
その中でも、稀子は山本さんと関係を深く出来た様で、2人で楽しく過ごしている光景も、度々見るように成った。
俺はそれを見かける度に、鈴音さんの気持ちも考えてと言うが稀子は『普通に喋っているだけ! 比叡君は鈴ちゃんを凄く心配してるけど、鈴ちゃんの事、実は好きなの!?』と逆に反撃をされてしまった……
俺は思いきって、山本さんに鈴音さんの事を話したら『…比叡君には、関係無い事だ!』とやはりと言うか一蹴されてしまった……
本当に時が解決するまで待つしか無いと思っていたが、俺に大ピンチが先に来てしまった!!
保育士養成学校の入学選考が不合格に成ってしまった。
こんな重苦しい雰囲気の中で、更に俺の不合格を発表したらどうなるのか!?
それでも、事実だけは報告しなければ成らないので、その日の夜。みんなの前で発表する。
……
…
・
結果は最悪だった…。こんな結末が有るなんて……
山本さんは俺を見限り、今日付でアルバイトは終了。晩ご飯の提供も終了。更に今月末までに荷物を纏めて、この町から去れと言われた。
俺は弁解も出来ずに、最後は追い出される様に山本さんの家から追い出される!!
俺が呆然と山本さんの玄関を見ていると突然、玄関が開く。
玄関から出て来たのは稀子だった! 俺を助けに来てくれたのか!!
いや……稀子の表情が暗い。どうした?
稀子は俺の側に近づいて、こう言い放つ。
「……今日でお別れだね!」
「ちょっと、稀子ちゃん!」
「今月末までは、2週間位まだ有るよ!!」
「それは、比叡君……ううん、青柳さんがこの町に居れる時間でしょ!」
(稀子の奴……君付けから“青柳さん”と他人行儀に成りやがった!)
「私……青柳さんを信用して良いのかなと、ずっと思っていた!」
「学校にも行ってないから時間も沢山有るのに、昼間しか働かないで、夜はお酒飲んで……比叡君が本当に夢を追いかけているのかと、私は疑問に思っていた」
「でも、今日。分かった……。神様はきちんと見ているのだなと!」
「夢を追いかけられない人なんか、私は要らない!!」
「稀子ちゃん。それは……俺と別れようとの意味か?」
俺がそう言うと、稀子は急に顔をしかめる。
「別れよう…?」
「青柳さんとは恋人関係には成ってないのに、何自惚れているの!!」
(このクソ女……。俺が保育士養成学校の入学選考に落ちた瞬間にこれか!!)
「私が言いたいのは、青柳さんと縁を切る事!」
「もう……電話番号も着信拒否にしたし、Railもアカウントを消した!」
「バイバイ…」
稀子は言い終えると、家に戻ろうとする。
「ちょっと、稀子。俺を見捨てないでくれよ!」
「俺は稀子のために、前住んでいた町を捨てて、この町に来たんだよ!」
「はぁ?」
「何言ってるの! 青柳さんが勝手に来ただけでしょ!!」
「私から頼んだ覚えは無いよ?」
稀子は完全に俺を見下しながら『私は悪くない!』の表情で喋っている。
俺をクビした、中年女性上司と被ってしまう。
「この野郎~~」
俺は思わず拳を握りしめてしまう。
「何? 私を殴る気?」
「殴っても良いけど、二度とこの町から出られなくなるよ!」
(稀子…。それは死を意味する意味か?)
「せめて……落ちた時の対策をあの時に言ってくれれば、私も助けたのに…」
先ほどまで山本さんと話し合いをした時、不合格時の『対応策』を聞かれたが、俺はそれを考えては無かった……。結果的にこの結果に成った。
「青柳さんは人生を甘く見ている!」
「そんな人を異性としては見られないし、親友関係でも今後持ちたくない!」
「私も何故……この人が良いと思ってしまったのか、後悔している!!」
「そこまで言うか、稀子……」
「言っても、判らないと思うけどね!」
「判っていれば、もう少し考えていた筈!!」
「これ以上話すと気分が悪く成るから、さようなら!」
稀子はそう言うと、体の向きを変えて玄関に入っていった。
「俺が何をしたと言うのだよ…」
ここで山本さんが居なければ、俺は確実に稀子を殴っていた。
殴って気絶させて、俺のアパートで強姦して、最後は証拠を隠していたかも知れない……
今の心境は、憎悪が溢れかえっていた。ここまで馬鹿にされたのも初めてだし、殺意を持ったのも初めてだ。
山本さんの護衛の御陰で、稀子が助かった者だと言っても過言で無いはずだ!
俺は怒りを抑え切れないままアパートに戻る。
どうせ退去するのだから、暴れて壁に穴を開けたりもしたかったが、弁償の事考えると出来ない……小心者だ。
気持ちを落ち着かせるため、シャワーを浴びて気持ちを落ち着かせる。
気持ちが段々落ち着いてくると、怒りで見えなかった、絶望が少しずつ見えてくる。
(夢も失い、稀子も失った…)
(町から追い出されて、帰る場所も無い……。貯金も二十数万円…)
(引っ越し業者は使えないな)
現実がはっきり見えてしまったので、シャワーを浴びるのは止めて浴室から出る。
冷蔵庫の中には宅飲み用で買った発泡酒が有るので、発泡酒で少しでも気分を高揚させる。
(ここの大家に掛け合って、再契約をするか?)
(でも、大家も山本さんの知人の筈だから拒否されるよな…)
(いっそ……市役所に駆け込んで、保護して貰うか?)
(……でも、山本パワーでまず握りつぶされるな!?)
(実家に戻るしか無いが、両親は受け入れてくれるか?)
(あの時……稀子の気持ちを馬鹿みたいに応えるのでは無かった……)
俺は後悔しながら酒を飲んでいると、玄関のインターホーンが鳴る。
山本がお礼参りに来たか!!
玄関のぞき窓を見ると……何とそこに居たのは鈴音さんだった!!
俺は急いで、玄関のロックを解除して玄関を開けた。
山本さんと鈴音さんの関係は中々改善しなくて、重苦しい日々が続いた。
その中でも、稀子は山本さんと関係を深く出来た様で、2人で楽しく過ごしている光景も、度々見るように成った。
俺はそれを見かける度に、鈴音さんの気持ちも考えてと言うが稀子は『普通に喋っているだけ! 比叡君は鈴ちゃんを凄く心配してるけど、鈴ちゃんの事、実は好きなの!?』と逆に反撃をされてしまった……
俺は思いきって、山本さんに鈴音さんの事を話したら『…比叡君には、関係無い事だ!』とやはりと言うか一蹴されてしまった……
本当に時が解決するまで待つしか無いと思っていたが、俺に大ピンチが先に来てしまった!!
保育士養成学校の入学選考が不合格に成ってしまった。
こんな重苦しい雰囲気の中で、更に俺の不合格を発表したらどうなるのか!?
それでも、事実だけは報告しなければ成らないので、その日の夜。みんなの前で発表する。
……
…
・
結果は最悪だった…。こんな結末が有るなんて……
山本さんは俺を見限り、今日付でアルバイトは終了。晩ご飯の提供も終了。更に今月末までに荷物を纏めて、この町から去れと言われた。
俺は弁解も出来ずに、最後は追い出される様に山本さんの家から追い出される!!
俺が呆然と山本さんの玄関を見ていると突然、玄関が開く。
玄関から出て来たのは稀子だった! 俺を助けに来てくれたのか!!
いや……稀子の表情が暗い。どうした?
稀子は俺の側に近づいて、こう言い放つ。
「……今日でお別れだね!」
「ちょっと、稀子ちゃん!」
「今月末までは、2週間位まだ有るよ!!」
「それは、比叡君……ううん、青柳さんがこの町に居れる時間でしょ!」
(稀子の奴……君付けから“青柳さん”と他人行儀に成りやがった!)
「私……青柳さんを信用して良いのかなと、ずっと思っていた!」
「学校にも行ってないから時間も沢山有るのに、昼間しか働かないで、夜はお酒飲んで……比叡君が本当に夢を追いかけているのかと、私は疑問に思っていた」
「でも、今日。分かった……。神様はきちんと見ているのだなと!」
「夢を追いかけられない人なんか、私は要らない!!」
「稀子ちゃん。それは……俺と別れようとの意味か?」
俺がそう言うと、稀子は急に顔をしかめる。
「別れよう…?」
「青柳さんとは恋人関係には成ってないのに、何自惚れているの!!」
(このクソ女……。俺が保育士養成学校の入学選考に落ちた瞬間にこれか!!)
「私が言いたいのは、青柳さんと縁を切る事!」
「もう……電話番号も着信拒否にしたし、Railもアカウントを消した!」
「バイバイ…」
稀子は言い終えると、家に戻ろうとする。
「ちょっと、稀子。俺を見捨てないでくれよ!」
「俺は稀子のために、前住んでいた町を捨てて、この町に来たんだよ!」
「はぁ?」
「何言ってるの! 青柳さんが勝手に来ただけでしょ!!」
「私から頼んだ覚えは無いよ?」
稀子は完全に俺を見下しながら『私は悪くない!』の表情で喋っている。
俺をクビした、中年女性上司と被ってしまう。
「この野郎~~」
俺は思わず拳を握りしめてしまう。
「何? 私を殴る気?」
「殴っても良いけど、二度とこの町から出られなくなるよ!」
(稀子…。それは死を意味する意味か?)
「せめて……落ちた時の対策をあの時に言ってくれれば、私も助けたのに…」
先ほどまで山本さんと話し合いをした時、不合格時の『対応策』を聞かれたが、俺はそれを考えては無かった……。結果的にこの結果に成った。
「青柳さんは人生を甘く見ている!」
「そんな人を異性としては見られないし、親友関係でも今後持ちたくない!」
「私も何故……この人が良いと思ってしまったのか、後悔している!!」
「そこまで言うか、稀子……」
「言っても、判らないと思うけどね!」
「判っていれば、もう少し考えていた筈!!」
「これ以上話すと気分が悪く成るから、さようなら!」
稀子はそう言うと、体の向きを変えて玄関に入っていった。
「俺が何をしたと言うのだよ…」
ここで山本さんが居なければ、俺は確実に稀子を殴っていた。
殴って気絶させて、俺のアパートで強姦して、最後は証拠を隠していたかも知れない……
今の心境は、憎悪が溢れかえっていた。ここまで馬鹿にされたのも初めてだし、殺意を持ったのも初めてだ。
山本さんの護衛の御陰で、稀子が助かった者だと言っても過言で無いはずだ!
俺は怒りを抑え切れないままアパートに戻る。
どうせ退去するのだから、暴れて壁に穴を開けたりもしたかったが、弁償の事考えると出来ない……小心者だ。
気持ちを落ち着かせるため、シャワーを浴びて気持ちを落ち着かせる。
気持ちが段々落ち着いてくると、怒りで見えなかった、絶望が少しずつ見えてくる。
(夢も失い、稀子も失った…)
(町から追い出されて、帰る場所も無い……。貯金も二十数万円…)
(引っ越し業者は使えないな)
現実がはっきり見えてしまったので、シャワーを浴びるのは止めて浴室から出る。
冷蔵庫の中には宅飲み用で買った発泡酒が有るので、発泡酒で少しでも気分を高揚させる。
(ここの大家に掛け合って、再契約をするか?)
(でも、大家も山本さんの知人の筈だから拒否されるよな…)
(いっそ……市役所に駆け込んで、保護して貰うか?)
(……でも、山本パワーでまず握りつぶされるな!?)
(実家に戻るしか無いが、両親は受け入れてくれるか?)
(あの時……稀子の気持ちを馬鹿みたいに応えるのでは無かった……)
俺は後悔しながら酒を飲んでいると、玄関のインターホーンが鳴る。
山本がお礼参りに来たか!!
玄関のぞき窓を見ると……何とそこに居たのは鈴音さんだった!!
俺は急いで、玄関のロックを解除して玄関を開けた。
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