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第32話 動物園 その1
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私達を乗せた車は近くのI.C(インターチェンジ)から高速道路に乗る。
入口ゲートに設置して有る電光表示板には、○○-△△ 渋滞10kmと表示されている。
「あらら、渋滞しているね…。ちょっと予定通りには着けないね!」
お姉ちゃんは独り言を言うが、私はその言葉に反応する。
私は助手席に座っている。
「やっぱり休日は混むね。お姉ちゃん!」
「まあ、仕方ないよね。連休の中休みだし…」
お姉ちゃんと話をしていると、後部座席に座っている音羽ちゃんが、話しに参加してきた。
「どうしたの。恵那ちゃん?」
「あっ、音羽ちゃん!」
「高速道路が渋滞している見たいなの。だから、ちょっと時間掛かるみたい」
「そうなんだ。まあ、仕方ないよね!」
「……渋滞は仕方がないとして、気楽に行きましょう!」
お姉ちゃんはそう言った。
しばらく快走に走っていたが、十数分で例の渋滞にはまる。
ノロノロ渋滞の始まりだ。
渋滞で少し余裕が出来たのか、お姉ちゃんが木華ちゃんに話しかける。
「そう言えば木華ちゃんって、○年生のお姉ちゃんが居るのよね?」
「はい、そうです!」
「恵那から凄くしっかりして、可愛い子と聞いているけど?」
(私……可愛いまでは言ってないよな?)
「う~ん、可愛いまでは分からないけど、お家の事は全部出来ちゃうよ!」
「お家の事って、家事の事かな。木華ちゃん?」
「うん、そうだよ!」
「お料理、お掃除、洗濯全部出来るよ。後、お菓子も作れるんだよ!!」
木華ちゃんはお姉さんの事を自慢げ言う。
それだけ、木華ちゃんもお姉ちゃんが好きなんだろう。
「へぇ~、すごいね!」
「木華ちゃんのお姉ちゃん。私も少し見習わなければいけないな!」
お姉ちゃんは、そんな事を言っている!?
絶対に言葉の綾だと思うが……
「本当にしっかりした、お姉さんだね!」
「もちろん、木華も家事のお手伝いはしているんだよね!?」
顔を“にやっ”とさせながら、音羽ちゃんも話に加わった!
「もっ、もちろんだよ。お料理運んだり、お風呂の準備とかしてるもん!」
木華ちゃんは音羽ちゃんの言葉に対して、それらしい事は言っているが、音羽ちゃんはそれにケチを付ける。
「お風呂の準備とか言っても、ボタンを押すだけでしょ!!」
「違うもん!」
「家のお風呂は古いから、そんな簡単じゃ無いもん!!」
「じゃあ、そう言う音羽ちゃんは、お家のお手伝いなにしているの!!」
馬鹿にされて悔しいと感じたのか、木華ちゃんも反撃を始めた!
「ふふん!」
「私は毎日、家族全員の洗濯物畳んだり、お母さんの作る料理手伝ってるよ!」
「誰かさん見たいに運ぶだけで無く、野菜を包丁で切ったり、魚を焼いたりもしているよ!」
「く~~~!」
木華ちゃんは何故か悔しがっていた!?
お家のお手伝いなんて、家それぞれなのに……
「わっ、私だって、洗濯物畳んだり、包丁使う日だって有るもん!」
後部座席で、いがみ合いを始めだした音羽ちゃんと木華ちゃん。
私が間に入ろうかなと思った時……お姉ちゃんが先に間に入った。
「はい、はい。2人とも、そこまで!」
「みんなで仲良く遊びに行くのに、ケンカしない!!」
「木華ちゃんはきちんとお手伝いしているし、音羽ちゃんもお手伝いしている」
「それで良いじゃない。お手伝いの数を競うより、お姉ちゃんやお母さんに“ありがとう”と、言われる方が大事でしょう!!」
「……」
「……」
音羽ちゃんと木華ちゃんは、いがみ合いを止め、お姉ちゃんの話を聞いている。
今は渋滞中だから、お姉ちゃんも少しは余裕が有る。
「判った?」
「お手伝いは数をこなせば良いって訳じゃないの!」
「少しのお手伝いでも、相手からお礼を言われたら嬉しいじゃない」
「それが分かってくれたら、お互い仲直りをする!」
言い終えたお姉ちゃんは、再び渋滞の方に意識を向けた。
私が仲裁に入る前に、お姉ちゃんが纏めてしまった。
いがみ合いが収まって良い事なんだけど、私は活躍する場が無かった……
入口ゲートに設置して有る電光表示板には、○○-△△ 渋滞10kmと表示されている。
「あらら、渋滞しているね…。ちょっと予定通りには着けないね!」
お姉ちゃんは独り言を言うが、私はその言葉に反応する。
私は助手席に座っている。
「やっぱり休日は混むね。お姉ちゃん!」
「まあ、仕方ないよね。連休の中休みだし…」
お姉ちゃんと話をしていると、後部座席に座っている音羽ちゃんが、話しに参加してきた。
「どうしたの。恵那ちゃん?」
「あっ、音羽ちゃん!」
「高速道路が渋滞している見たいなの。だから、ちょっと時間掛かるみたい」
「そうなんだ。まあ、仕方ないよね!」
「……渋滞は仕方がないとして、気楽に行きましょう!」
お姉ちゃんはそう言った。
しばらく快走に走っていたが、十数分で例の渋滞にはまる。
ノロノロ渋滞の始まりだ。
渋滞で少し余裕が出来たのか、お姉ちゃんが木華ちゃんに話しかける。
「そう言えば木華ちゃんって、○年生のお姉ちゃんが居るのよね?」
「はい、そうです!」
「恵那から凄くしっかりして、可愛い子と聞いているけど?」
(私……可愛いまでは言ってないよな?)
「う~ん、可愛いまでは分からないけど、お家の事は全部出来ちゃうよ!」
「お家の事って、家事の事かな。木華ちゃん?」
「うん、そうだよ!」
「お料理、お掃除、洗濯全部出来るよ。後、お菓子も作れるんだよ!!」
木華ちゃんはお姉さんの事を自慢げ言う。
それだけ、木華ちゃんもお姉ちゃんが好きなんだろう。
「へぇ~、すごいね!」
「木華ちゃんのお姉ちゃん。私も少し見習わなければいけないな!」
お姉ちゃんは、そんな事を言っている!?
絶対に言葉の綾だと思うが……
「本当にしっかりした、お姉さんだね!」
「もちろん、木華も家事のお手伝いはしているんだよね!?」
顔を“にやっ”とさせながら、音羽ちゃんも話に加わった!
「もっ、もちろんだよ。お料理運んだり、お風呂の準備とかしてるもん!」
木華ちゃんは音羽ちゃんの言葉に対して、それらしい事は言っているが、音羽ちゃんはそれにケチを付ける。
「お風呂の準備とか言っても、ボタンを押すだけでしょ!!」
「違うもん!」
「家のお風呂は古いから、そんな簡単じゃ無いもん!!」
「じゃあ、そう言う音羽ちゃんは、お家のお手伝いなにしているの!!」
馬鹿にされて悔しいと感じたのか、木華ちゃんも反撃を始めた!
「ふふん!」
「私は毎日、家族全員の洗濯物畳んだり、お母さんの作る料理手伝ってるよ!」
「誰かさん見たいに運ぶだけで無く、野菜を包丁で切ったり、魚を焼いたりもしているよ!」
「く~~~!」
木華ちゃんは何故か悔しがっていた!?
お家のお手伝いなんて、家それぞれなのに……
「わっ、私だって、洗濯物畳んだり、包丁使う日だって有るもん!」
後部座席で、いがみ合いを始めだした音羽ちゃんと木華ちゃん。
私が間に入ろうかなと思った時……お姉ちゃんが先に間に入った。
「はい、はい。2人とも、そこまで!」
「みんなで仲良く遊びに行くのに、ケンカしない!!」
「木華ちゃんはきちんとお手伝いしているし、音羽ちゃんもお手伝いしている」
「それで良いじゃない。お手伝いの数を競うより、お姉ちゃんやお母さんに“ありがとう”と、言われる方が大事でしょう!!」
「……」
「……」
音羽ちゃんと木華ちゃんは、いがみ合いを止め、お姉ちゃんの話を聞いている。
今は渋滞中だから、お姉ちゃんも少しは余裕が有る。
「判った?」
「お手伝いは数をこなせば良いって訳じゃないの!」
「少しのお手伝いでも、相手からお礼を言われたら嬉しいじゃない」
「それが分かってくれたら、お互い仲直りをする!」
言い終えたお姉ちゃんは、再び渋滞の方に意識を向けた。
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